研究内容

中小縫製企業のIoTやAIなど新技術活用による経営基盤強化と女性の雇用拡大


【地政研】 地域協働研究 (令和2年度 ステージII)

  • R02II01 研究成果報告書
  • 概要(pdf, 動画)があります.

    サプライチェーンにおけるデータ連携に関する研究

    未来投資戦略会議の具体的な施策である次世代産業システムのKPIのひとつとして,工場等でのデータを収集し,それらを具体的な経営課題の解決に結び付けている企業を増加させる指標が設けられている.本研究は,乳製品を対象として乳牛育成から乳製品販売までの乳製品サプライチェーンにおいては,各プロセスの業務支援を図りながら,生産履歴情報を収集し,それを活用していくことが求められることを明らかにしている.

    そのために,各工程で発生する生産履歴情報や流通情報を基にサプライチェーンのシミュレーションモデルを生成し,サプライチェーン上で発生する問題を予知する仕組みを提案する.そこでは,流通システムに効率的な投資の方法をAIを用いた分析を行うことにより,生産履歴情報や流通情報を利用してサプライチェーンの改善に利用することを目的とする.

    生産・流通経路とデータベースとの関係

    郷土史料を用いた地域特性の抽出と活用に関する研究

    近年,地域の歴史や文化を後世へ残すことを目的としたデジタルアーカイブの活用が全国的に広まっている.岩手県花巻市では地域の歴史や文化を後世へ残すことを目的に,郷土史研究団体が聞き書きの収集を実施している.聞き書きとは,話者の語りを話し言葉を活かして書き起した文章である.郷土史研究団体では地域住民に対して取材を行ったうえで,その内容を読みやすく編集した文章を聞き書きとしている.得られた聞き書きはデジタルアーカイブ上で公開[2]しているが,収集された聞き書きが100人分を超え,その分類・整理の手法が課題になっている.一般的なデジタルアーカイブが古文書や写真等,ある程度統一性のある情報を管理しているのに対して,聞き書きは話者によって示される内容が大きく異なる.そこで,新たな整理の手法が必要になった.

    提案内容の手順として,最初に聞き書きを時代・地域の観点から分類し,文中の語ごとに各地域においてどれだけ特徴的かを特徴量を付与することで評価する.その後,他の史料等に含まれる地域の特性と比較することで,他史料と共通する地域の特性を発見する.こうして得られた特性を含む文章と,その文章と関連した文章を抽出し,閲覧者に対して提示する.この際に,地域の特性と聞き書きをもとに閲覧者は地域像をローカルアイデンティティとして認識し,それを基に聞き書きを活用するしくみとする.研究目的を「地域が持つ特性に着目した聞き書きの活用基盤の構築」として,以下の3項目を聞き書きの分類を行うための方法論として実験を行った. ① 聞き書きの内容をもとに時代・地域で整理 ② 聞き書きから地域の特性を発見 ③ 地域の特性を利用した聞き書きの提示

    提案するモデル