岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 松原研究室 へようこそ!

主に「自然言語処理」を取り扱っている研究室です. 自然言語処理とは,日本語や英語など,人間が日常的に用いている言葉をコンピュータに理解させることを目的とした研究分野です. これを実現すべく,本研究室においては,人工知能分野の知見を生かした様々な手法を提案しています.

メンバー(2024年4月現在)

教員

准教授・松原 雅文 (MATSUHARA Masafumi) [個人Webページ]

大学院生

M1・竹本 光希 (TAKEMOTO Kouki)

学部生

B4・宇野 瑞樹 (UNO Mizuki)
B4・太田 梨那 (OTA Rina)
B4・尾関 拓斗 (OZEKI Takuto)
B4・小野間 櫻 (ONOMA Sakura)

[過去のメンバー]

最近の研究内容

マルチタスク学習を用いたテキスト感情分析手法

近年,テキストから感情を機械的に識別する感情分析と呼ばれる技術の研究が盛んに行われているが, その中でも,特に,喜・怒・哀・楽といった多クラスの感情分析を高精度に行うのは困難である. その理由として,利用可能な既存のデータセットが非常に少ないことが挙げられる. これに対して,絵文字を用いることで上記の問題を緩和し,多クラスの感情分析を実現している手法が存在する. しかしながら,絵文字はあくまで疑似ラベルとして作用するためノイズが含まれてしまうといった問題点が存在する. そこで,この問題を解決するため,本研究では,絵文字を用いて自動生成したコーパスにマルチタスク学習を適用する. マルチタスク学習とは,関連する複数のタスクを共同で学習することで知識を共有し,特定,あるいは複数タスクの精度を向上させることを目的とした学習法である. このようにモデルに内在する重みの一部をタスク間で共有させることで,絵文字予測から得られる知識を伝達させ,主タスクである感情分析の精度を向上させることを目指している.

異常状態に対するキャプション自動生成手法

近年,深層学習を用いた動画におけるキャプション生成技術が向上しており,人間の動作を日本語で説明することが可能になってきている. 人間の日常的な動作を捉えて活用する事例として,監視カメラや見守りカメラが考えられる. 見守りカメラなどを用いて,日常的な動作を記録した動画から異常を検知する研究が行われているが,検知した異常をキャプションとして出力・活用するといったことはあまり行われていない. そこで,本研究では,深層学習を用いてキャプション生成モデルを構築し,見守りカメラにおいて検知されうる異常動作をキャプションとして生成することを目指している.

OCR を利用した崩れた表記の自動修正手法

ソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS) は多くのユーザが積極的に情報を発信する場となっており,多種多様なユーザが膨大なデータを発信している. それらのデータを利用する動きも活発になっているが,特に SNS 上のメッセージには「ぉはよう」,「キょぅ」のような特有の表現や「ネ申」,「イ為」のような文字の構成要素を組み合わせた表現などの崩れた表記の単語が含まれるため, データを活用しにくい問題がある. そこで,本研究では,このようなデータを活用するため,崩れた表記の単語を正しい単語に修正することを目的としている.

学校教員向け発問自動生成手法

学校教育における授業の中で,教員は生徒の学習内容の理解と思考の促進を図るために「発問」という問いかけを行う. 実際の授業で発問を行う際は,使用する用語や文法,学習内容の定着度など様々な観点で生徒に適した発問を考える必要がある. そこで,我々は単語の特徴を活用して,授業を行う学校教員に質の良い発問を使用させることを目的とした,任意の単語,用語を用いて発問を自動で生成する手法を提案している. まず,発問生成に必要な単語の導出を行うための学習モデルを作成し,そこから入力単語に類似する単語を複数提示する. これらの単語を利用することにより,質の良い発問を生成することを目指している.

[その他の研究内容]

最近の研究業績

  1. Masafumi Matsuhara and Jin Tsushima: ”Effectiveness of Automatic Caption Generation Method for Video in Japanese”, 1st International Conference on Optimization Techniques for Learning (ICOTL 2023), Paper ID 111, Hybrid Mode, Angallu, India, December 2023.
  2. 常見歩夢、松原雅文: ”日英機械翻訳における日本語前処理での一般化指標に関する一考察”, 2023年度電気関係学会東北支部連合大会,2B12,岩手県立大学,August 2023.
  3. Haruki Asano, Masafumi Matsuhara: ”Multi-task Learning Method using Emoji Prediction as Auxiliary Task for Sentiment Analysis”, 8th International Congress on Information and Communication Technology (ICICT 2023), Virtual Room 2D-4, London, United Kingdom, February 2023.
  4. 対馬陣,松原雅文: ”異常状態を捉えた動画におけるキャプション自動生成手法の有効性について”, 令和4年度 第3回情報処理学会東北支部研究会(岩手大学,オンライン), 2022-3-4, December 2022.
  5. 浅野晴暉,松原雅文: ”マルチタスク学習を用いたドメインが異なるテキストにおける感情分析”, 令和4年度 第3回情報処理学会東北支部研究会(岩手大学,オンライン), 2022-3-3, December 2022.(情報処理学会東北支部奨励賞受賞)
  6. 秋山大五郎,松原雅文: ”OCRを用いた崩れた表記における自動修正手法の有効性について”, 令和4年度 第3回情報処理学会東北支部研究会(岩手大学,オンライン), 2022-3-2, December 2022.
  7. 浅野 晴暉,松原 雅文: ”絵文字予測を感情分析の補助タスクとしたマルチタスク学習手法”, 第24回音声言語シンポジウム ・第9回自然言語処理シンポジウム(第254回 自然言語処理・第144回音声言語情報処理 合同研究発表会),Vol.2022-NL-254 No.2, Nov. 2022.
  8. 浅野 晴暉・松原 雅文: ”テキスト感情分析における絵文字疑似ラベル適用方法についての検討”, 第21回情報科学技術フォーラム(FIT2022), E-002, 慶應義塾大学 矢上キャンパス ハイブリッド開催, September 2022.(FIT奨励賞受賞)
  9. 秋山 大五郎・松原 雅文: ”OCRを利用した崩れた表記の自動修正手法の性能評価”, 第21回情報科学技術フォーラム(FIT2022), E-036, 慶應義塾大学 矢上キャンパス ハイブリッド開催, September 2022.
  10. 対馬 陣・松原 雅文: ”キャプション自動生成におけるBERTScoreの有効性について”, 第21回情報科学技術フォーラム(FIT2022), E-044, 慶應義塾大学 矢上キャンパス ハイブリッド開催, September 2022.
  11. 浅野晴暉,松原雅文: ”テキスト感情分析におけるマルチタスク学習の有効性”, 情報処理学会 第84回全国大会,1V-06,愛媛大学城北キャンパス,ハイブリッド開催,March 2022.(大会奨励賞,学生奨励賞受賞)
  12. 対馬 陣,松原雅文: ”見守りカメラを用いた異常状態に対するキャプション自動生成手法の提案”, 情報処理学会 第84回全国大会,4W-08,愛媛大学城北キャンパス,ハイブリッド開催,March 2022.(学生奨励賞受賞)
  13. 秋山大五郎,松原雅文: ”OCRを利用した崩れた表記の自動修正手法の提案”, 情報処理学会 第84回全国大会,5V-07,愛媛大学城北キャンパス,ハイブリッド開催,March 2022.

[その他の研究業績]

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