科学館のホームページ

岩手県立大学ソフトウエア情報学部 市川 尚

はじめに

 今回は、科学館のホームページ紹介です。本連載では、これまで1999年8月号(博物 館・美術館)や1998年10月号(理科関連)等の中で紹介してきました。
科学館ホームページの発信内容としては、開館日時・料金・交通等に関する案内、特 別展や講座等のイベントの案内、常設展示品の紹介や施設(プラネタリウム等)の紹 介、他科学館へのリンクが基本的な情報として、ほとんどのホームページにあります (これらの情報は特徴的なことが無い限り今回の紹介では省略しています)。
この他にも、学芸員が作成した科学に関する教材や研究報告、データベースを公開 この他にも、学芸員が作成した科学に関する教材や研究報告、データベースを公開し ているところ、天文関連の最新情報の公開や、科学館が連携しておこなった調査結果 の報告などさまざまな発信が行われています。
今回も、これまで連載で取り上げていないページを中心に紹介します。また、以前 今回も、これまで連載で取り上げていないページを中心に紹介します。また、以前紹 介したサイトは、現在でも充実した情報を公開しているようですから、まだ見たこと のない方は、今回の紹介と合わせてバックナンバーのページもご覧になってみて下さ い。

科学館のホームページ紹介

科学技術館
http://www.jsf.or.jp/
 このサイトからは、「科学の玉手箱」として英語及びその一部を日本語化した科学の教材が公開されています。これらの教材は、世界の科学博物館および小学校によっ て構成されているサイエンスラーニングネットワークにより開発されています。例えば、オーロラ発生の仕組みを解説した「オーロラ:大空に描かれた絵」、pHの測定を 行う「pHファクター」、映画のパロディ風にエネルギーの概念を学ぶ「アトムズ・ファミリー」、これらの教材で学習したことに関連した実験を紹介した「SLN実験室」 などがあります。
 また、「生き物調査」では、セミや植物等の調査を行った結果を見ることができます。これは日本各地の科学館が連携して調査を実施し、お互いのホームページで結果 (データ)を公開しているものです。全体の調査結果をまとめた報告も他サイトから公開されています。例えばセミの調査では、北から南まで地域別のセミの特徴を見た り、5月から10月にかけてどのようにセミが鳴き始めたのか等の記録を参照できます 。2002年度も調査を実施しており、調査に参加(データを入力)できるようになって いました。

名古屋市科学館
http://www.ncsm.city.nagoya.jp/
 展示品に対する解説の詳細さが特徴的なサイトです。「見る」には、各展示室にある展示品が写真入りで紹介されていますが、このほとんどに学芸員による解説が載っ ています。解説は2種類あり、「展示品作成のねらい」として、どのような点に注目して展示品を見ればよいのかや、さらに「知識プラスワン」として、展示品に対する 補足的な説明がされています。必ず参考資料と著者名(学芸員の方の名前)が付記されています。普通であれば、実際にその場にいかないと聞くことができないようなこ とが、ホームページ上から知ることができます。
「サイエンス教室」には、中学生用と高校生用の工作や科学の話題に関連する教材が公開されています。ここは、文部省の委託によって中京地域のいくつかの学校と名古 屋市科学館とをつないでコンピュータネットワークを活用しようという、中京地域ネットワーク事業推進協議会により作成されたそうです。教材は例えば、日時計の作ろ う、ブーメランを作ろう、空にあいた穴オゾンホール、恐竜の絶滅は隕石の衝突が原因かなどが提供されています。

富山県科学文化センター
http://www.tsm.toyama.toyama.jp/
 このサイトからは、さまざまなコンテンツが提供されています。科学文化センター の紹介には、先生方のために教科書に沿った展示案内が公開されています。小中高校 別に用意され、その中では学年や教科・単元別に関連する展示を列挙しています。
「画像ライブラリ」では、植物・動物・地学・雪水・気象・天文・景観、多岐の分 「画像ライブラリ」では、植物・動物・地学・雪水・気象・天文・景観、多岐の分野 にわたる画像を検索することができます。例えば、植物であれば、分類やキーワード 検索で探すことができます。画像には若干の説明が付記されています。
「OnLine図書室」では、学芸員がそれぞれの分野のトピックスや興味深い事柄つい 「OnLine図書室」では、学芸員がそれぞれの分野のトピックスや興味深い事柄ついて 分かりやすく解説した「今月の話題」、季節やそのときどきの話題など掲載した「と やまと自然」、収集した標本コレクションのデータが公開されている「収蔵資料目録」 、調査や研究の報告の要約を載せた「研究報告(要約)」、「これまでの特別展」の 紹介などが公開されています。
また、学芸員が個人ページから情報を公開していたり、天気をはじめとする小中学 また、学芸員が個人ページから情報を公開していたり、天気をはじめとする小中学生 用の教材が公開されています。

新潟県立自然科学館
http://www.lalanet.gr.jp/nsm/
 このサイトには、「ワンポイント科学講座」として、画像、動画、音声などを使っ て科学をわかりやすく解説するコーナーがあります。分野としては、天文・宇宙、地 球の科学、新潟県の動植物、科学解説(物理)、単細胞生物があります。例えば単細 胞生物アメーバの動きと解説(動画)、すずむしの飼育方法(泣き声の音声)など、 マルチメディア素材を用いた数多くの教材が公開されています。ウイスコンシン大学 医学部内のサーバーに設置される「VIRTUAL RADIATION MUSEUM」の展示用として作成した、霧箱による宇宙線飛跡の観察(動画)と解説も見 ることもできます。
 また、「科学さろん」では2000年4月から2001年3月まで、新潟日報日曜日版に連載 されたものをWeb上に載せており、科学に関する話題が提供されています。
「新展示マルチメディアで作ったホームページを見る」では、ホームページを作成 「新展示マルチメディアで作ったホームページを見る」では、ホームページを作成で きる展示(クイズで80点以上を取ると作成可)を通して作成されたホームページを 参照することができ、体験の記録がWeb上に残ることになります。

愛媛県総合科学博物館
http://www.sci-museum.niihama.ehime.jp/
 このサイトでは、オンラインでサイエンスショーの一部始終を見ることができます。 展示の紹介「見る」は、子供向けになっており、説明が語り口調で、たまにクイズが 出題されたりしながら、館内を見て回ることができます。その中のひとつに、サイエ ンスショー「第1回液体窒素で超低温実験」があります。回線の種類によって、いく つかの動画が用意されていますが、ブロードバンド対応版であれば、大きめの画像で、 様子もよくわかります。このショーの内容は、液体窒素による超低温の世界を、日常 生活で使用するとどのように便利になるのか、また、どのような不思議な現象が起こ るのかを演示実験を通して紹介するとのことです。
 また、「学芸員のちょっといい話」では、家庭で出来る実験や身近な自然等に関す る研究を紹介しています。 例えば、2002年5月に起こった惑星集合という現象の説明や静電気を使ったいろいろ な遊びの紹介などがあります。
 「すぺしゃるコーナー」には特別展企画資料として、以前行われた昆虫や鉱山に関 する展示の詳細な解説があります。

大阪ガス科学館
http://www.osakagas.co.jp/community/gasscience/
 大阪ガスの工場内にある科学館のサイトです。このサイトには、オンライン学習シ ステム「ガス科学館ネットスクール」があります。ガス科学館の見学を軸に、インター ネットを用いた事前学習・事後学習を組み合わせ、環境問題についての総合学習を展 開できるとのことです。課題としては、地球環境、エネルギー、都市ガスの3つが用 意されています。なお、このシステムを使うには申し込みの必要があります。
 事前学習では、アニメーションやパズル等で課題について学習します。その時に出 題されるクイズがあるので、クイズに回答し、印刷して見学に持参します(クイズの 答えは出ない)。見学では事前学習を踏まえながら展示を見て理解を深めることにな ります。その際に事後学習用ページに入るためのパスワードをもらえます。
 事後学習では、Web上でおさらいクイズ(自動採点)や、普段の生活での環境への 配慮のチェック、ガス科学館やホームページを見ての感想(レポート)を入力し、デ ザインを決めることで、きれいなフォーマットのレポートが完成することになります。

でんきの科学館
http://www.chuden.co.jp/e-museum/
 中部電力による科学館のサイトであり、電気に関するいくつかのインタラクティブ な教材が提供されています。「ちびっ子でんき学習教室」には、小・中学校で学習す る電気の教材があります。例えば、小学生用であれば直列と並列の場合にどちらの豆 電球が明るいかの実験の教材や、中学校用であれば豆電球や乾電池を回路につないだ 場合の電流と電圧の実験の教材などが提供されています。この教材のどれもが実験装 置のスイッチを入れたり、回路に何かを追加したりすることを体験できる教材(FLAS H)となっています。実験についての解説を見ることもできます。
 「でんきの豆知識」では、電気事業の歴史、電気の小話、電気の旅、電気のFAQや 用語集があります。特に電気の旅では、発電所から家庭までの電気の道のりが詳しく 解説されています。「クイズ&ゲーム」では、科学者や発明者数名に関するクイズや、 科学に関するゲームがあります。「アレックス教授のおうちでできる実験教室」では、 いくつかの簡単な実験が紹介されています。また、各展示紹介は、すべてVR画像で紹 介されています。

東芝科学館「SCIENCE WORLD」
http://www.toshiba.co.jp/kakan/
 このサイトは、一般用と小中学生用の2種類のページが用意されており、今回は、 小中学生用のページである「SCIENCE WORLD」を中心に紹介します。ここは、子どもたちが見て楽しめるように、ロボット のマスコットがガイドしてくれるアニメーション(FLASH)を用いたコンテンツが公 開されています。
 「科学館探検隊」では、各フロアの展示物がアニメーションで流れてきて、それを 選択すると説明を見ることができるようになっています。
 「科学のじっけんしつ」では、電気と磁気の教材を見ることができます。例えば電 気のはなしであれば、過去の電気に関する発明や電気と磁気の関係等を画像や動画を 使いながら解説しています。最期にはチャレンジクイズも用意されています。
 「最先端!ここが知りたい」には、BSデジタル放送に関する説明があります。「う らないコーナー」では、家電占いをすることもできます。マスコットのフューチャー 君による日記として、科学館の話題を日記風に紹介しているところもあります。

全国科学博物館協議会ホームページ
http://jcsm.kahaku.go.jp/
 科学館のサイトを探せるところとして、ここを紹介します。このサイトからは、全 国科学博物館協議会に加盟している科学博物館の検索を行うことができます。全国科 学博物館協議会(全科協)とは、全国255館の科学系博物館が加入しているネットワ ーク組織とのことです。
 「加盟館園データベース」では、館名でさがす、種類でさがす、地域でさがす、テー マでさがすの4つの方法で科学館を検索できます。館名でさがすでは名前を入力して 検索を、種類でさがすでは、総合博物館・自然科学系博物館等の十数種類から複数選 択で検索することができます。地域でさがすは都道府県名から、テーマでさがすは、 展示・標本資料・研究分野や設備、活動内容を選択し、さらにそこから細かい項目を 指定して検索をかけることができます。検索結果には、場所や開園時間、料金の他に URLも表示されます。
 「加盟館園ホームページ検索」では、加盟館園が開設しているホームページを横断 的に検索することができます。検索はキーワード検索で行うことになりますが、地域 (都道府県)で絞込みを行うことができます。

おわりに

 今回は科学館のホームページを紹介してきました。科学館のサイトには展示品の紹 介がありますが、そのほとんどは写真を載せた簡単な紹介に留まっています。見学前 にどのような展示があるのかを簡単に調べたり、見学後に思い出す程度の利用となる でしょう。
 しかし、名古屋市科学館のページは、展示品で注目すべきところの説明があるので、 それを読んでから足を運べばより理解が深まる(きちんとした視点で見つめられる) と思われます。さらに、展示品の補足が行われているので、用語がわからない時に読 んでみたり、実際に展示を見て興味が湧いたら読むということも可能です。また、大阪ガスには、科学館見学とWebを連動させたシステムがあり、この場合Webは、見学を より実りのあるものとするために、見学の事前で前提知識の学習を行ったり問題意識をはっきりさせることに用いられ、見学の事後に見てきたことをまとめるために使わ れています。どちらも見学の予習・復習に使える工夫がされているサイトだと思いま した。

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