夏休み特集 〜博物館・美術館のホームページ

 市川 尚(岩手県立大学ソフトウェア情報学部助手)

はじめに

 今回は教科別紹介ではなく,夏休み特別編と題し,博物館・美術館のホームページを取り上げます.博物館のホームページとひとくちにいっても,博物館が実在しているものから,ウェブ上にしか存在しないバーチャルな博物館まで様々です.博物館等は,普段から非常に多くのリソースを蓄積しているので,その発信はかなり充実したものとなります.博物館のホームページの用途としては,だいたい大きく二つが考えられます.それは実際に足を運ぶかどうかの違いで,見に行く前にあらかじめ下調べのためにホームページを使用したりする場合と,実際に足を運ばずに,ホームページ上で展示物を見て調べたりする場合です.例えば,前述のものでは,現在行われているイベント(特別展示等)の把握や開館閉館時間の確認等にもつかえます.また,後者は実際の展示物等や研究をホームページ上で調べ,学習等に活用していくなどが挙げられます.なにかわからないことがあったとき,それに関連した博物館ホームページで調べてみるということも考えられます.  これまで博物館のホームページは,本連載でもことあるごとに紹介してきました.それを下記に示します.また,博物館をリストしているページとして,「博物館の博物館」(http://candy.hus.osaka-u.ac.jp/esthome/matusita/Museum/Museum.html)を紹介しました.これは,子どもでも大人でも使えるページで,各ホームページに対するコメントなども付いており,大変有用です.

 これまで紹介した博物館のなかま:
国立科学博物館(http://www.kahaku.go.jp/)
兵庫県立 人と自然の博物館 (http://www.nat-museum.sanda.hyogo.jp/)
仙台市科学館ホームページ(http://www.smus.city.sendai.jp/)
横浜こども科学館(http://www.city.yokohama.jp/yhspot/ysc/ysc/ysc.html)
飛鳥資料館ホームページ(http://www.cgc.co.jp/ASUKA/)

 今回は,これまで紹介していなかった博物館や美術館から公開されている(という名前の付いた)ホームページを中心に紹介します.

博物館・美術館のホームページ

京都国立博物館(http://www.kyohaku.go.jp/;図1)
 「名品」では,博物館の館蔵・寄託品のうち、もっとも親しまれている収蔵品の多くが紹介されています.ひとつの収蔵品に対し全体図と部分図といった複数の鮮明な画像が用意されており,特徴的な部分だけに注目してみることができます.例えば収蔵品の表面と裏面の画像が用意されており,平面な画像で提供されているデータと実際に見るのとの差をつめようとしていることが伺えます(これは,実際には裏面を見ることができないものも多いと思いますので,ウェブだけで見ることができるデータと言えるかもしれません).「収蔵品」にある「収蔵品カタログ」では,2,000件を越える収蔵品がデータベース化されており,検索することができます.検索方法は,キーワード検索や,作者名・国名等で選ぶ詳細検索があります.検索結果からは,画像や詳細なデータを参照することができます.
 また,この博物館のページでは「博物館Directory」として,子供向けのページが用意されています.難しい漢字などを使っている部分もありますが,収蔵品について,画像やイラストを取り入れ,内容についても用語の説明や,時代背景をきちんと説明してくれたりと,たいへんわかりやすくなっています.説明は,考古・陶磁・彫刻・絵画・書跡・染織・漆器・金工・建築の分野に分かれています.これで下調べをした後に実際に訪れれば,より深く学ぶことができることでしょう.

ルーブル美術館(http://www.louvre.or.jp/;図2)
 本来は海外のサイトなのですが,日本語による入り口的なサイトが提供されています.もちろん途中で英語になったり,フランス語になったりもしますが,この入り口のおかげで日本人としてはずいぶんと見てまわりやすくなったと思います.「コレクション」は日本語では提供されていないものの(英語あり),ルーブル美術館の代表的な作品を見ることができます.作品には画像だけでなく,きちんとその作品の年代等といったデータを参照することができます.画像は大きく拡大してみることもできます.作品の館内における位置や見ることのできる時間などの情報も併せて提供されています.この美術館はフランスにありますから,実際に見に行くことはなかなかできませんが,こうしてホームページ上でバーチャルに,作品の数々を調べることはできます.
 また,QuickTimeVRを使ったパノラマ画像によってルーヴル美術館の様子を約60ケ所ご紹介しています。ここでは,画像の詳細を見るというよりは,その雰囲気を味わうことができます.この美術館は広すぎてすべてまわるのは大変です.あらかじめ,こういうページで見る場所を絞ったり,後でいけなかった部分をチェックしたりすることにも使えるでしょう.
 同様に,大英博物館の日本語情報のページ(http://bmjpn.ibm.ne.jp/)も公開されており,見学ツアーでは,「古代エジプト」,「古代アッシリア」,「ギリシャ&ローマ」見学ができます.

スミソニアン博物館(http://www.si.edu/;図3)
 英語のページですが,誰でも耳にしたことがある博物館としてこれをとりあげます.世界最大の名声にはじないホームページです.スミソニアン博物館は,それ自体は存在せず,スミソニアン協会に属する博物館の集合体で,全部で16の美術館と博物館から成っています.このスミソニアン博物館のページは,それぞれの博物館から提供されているコンテンツへのリンクを提供しているようなものです.「Subject Areas A-Z」から自分の興味あるところを選択したり,「Where Do I Find?」では常設展示されてるものについて,アルファベットの頭文字により情報を探すことができます.新しい展示等については,「Smithsonian Calendar」で見ることができます.「Encyclopedia Smithsonian」でも,アルファベットからキーワードを探すことができます.例えば,航空宇宙博物館(National Air and Space Museum)では,飛行機のはしまりから,現在の戦闘機までの画像や解説を見ることができたりと,本当に様々な分野の情報を得ることができます.
 海外の博物館のホームページには,内容的にかなり充実したものが多数存在します.せっかくインターネットなのですから,普段は行けないけど,行きたかった博物館で(オンラインで)調べられるのも醍醐味と言えるでしょう. そういった意味では,英和辞書を片手にこのスミソニアン博物館ホームページにまず行ってみるのも面白いと思います.

交通科学博物館(http://www.mtm.or.jp/mtm/index.html;図4)
 このホームページにある「こうつうかがくかんFor Kid's」では,子たちが楽しめるコンテンツがあります.例えば,「この音(おと)なーに?」は,電車のいろいろな音を当ててみようというものです.「のりものクイズ、出発進行!!」は,クイズにトライできますし,「はかせにおまかせ!!のりもののひみつ」では,電車に関する話題を見ることができます.「ビデオをみよう!」では,電車が実際に走っている様子を見ることができます.ビデオを見たり,音声がなったりと,マルチメディアを生かして,ホームページ上で楽しめるようになっています.博物館に行ったのでは味わえない,違った内容がホームページ上に公開されていることが特徴的です.また,「図書室」では,図書室に入った新刊図書の案内は,毎月更新されています.

貨幣博物館(http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/index.html;図5)
 このホームページでは,主に貨幣の歴史を学ぶことができます.「貨幣略史年表」では,古代からの貨幣の移り変わりを知ることができます.年表中から,貨幣の詳細な説明にリンクがはられており,貨幣の画像と解説を見ることができます.原寸大の貨幣を見られるものもあります.「貨幣史」では,日本の貨幣の歴史を知ることができます.「玉手箱」では,「お金に関するQ&A」として,貨幣博物館に日頃多く寄せられる主な質問を回答とあわせて掲載しています。
 貨幣に関しては,他にも庶民の穴銭資料館「方泉處(ほうせんか)」 (http://www.ufo.co.jp/hosenka/)は,近代以前の鋳造貨幣を中心にして,用語解説などが充実しています.
 このように実に様々なジャンルの博物館が存在し,ホームページを公開しています.例えば,郵便のうつりかわりなどがわかる逓信総合博物館(http://www.iptp.go.jp/museum/index.html)などもあります.

こども空想美術館(http://web.kyoto-inet.or.jp/org/artjapan/HYPER-J.html;図6)
 これは,実際の美術館ではありませんし,ましてや有名な画家の描いた絵を紹介しているわけでもありません.こどもたちの絵をインタ−ネット上で公開している電子上の美術館です。世界各国の子供たちが書いた絵が,その子どもの顔写真やプロフィールとともに公開されています.絵を鑑賞する場という観点で行けば,他の美術館から公開されているホームページとさほど変わらず,子どもが見るならこっちのほうが興味を示してくれるかもしれません.他の国の子どもたちは,どのような絵を描くのかと興味がわきます.
 ウェブという技術により,個人の作品を公開できたり,自分たちで仮想的な美術館を作成するといったことが可能になってきました.もちろん個人レベルの展覧会のページもすでに現存していますし,これからは趣味が興じたミニ博物館ページなどがどんどん増えてくることでしょう.

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ホームページ紹介記事バックナンバーhttp://www.iwate-pu.ac.jp/home/ichikawa/new/

図1 京都国立博物館
図2 ルーブル美術館
図3 スミソニアン博物館
図4 交通科学博物館
図5 貨幣博物館
図6 こども空想美術館


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