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付表1の3

研究等成果概要書(1枚目)

研究等名称

助成対象事業区分 [研究助成]  [海外等研修助成]  [学会開催等助成]

グローバリゼーションと女性:プエルトリコ女性と日本女性へのグローバリゼーションの影響の調査研究

実施期間

平成  12年  10月  21日  〜  平成  12年  10月  29

代表者・職・氏名

社会福祉学部講師 志柿 禎子

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実施内容

1) 20001026-28日にUniversity of Massachusetts (米国)で開催された4 th International Conference of the Puerto Rican Studies Associationに参加した。本研究者は、「グローバリゼーションと女性:プエルトリコと日本の比較研究」の研究を、本会議において発表し、プエルトリコ研究者から国際女性運動とプエルトリコ女性に関する意見を聴取した。

2) Center for Latin American, Caribbean and Latino Studies at University of MassachusettsManuel Frau-Ramos教授、Carmen A. Rolon教授に国際女性運動の動向とプエルトリコ女性に関して、面接調査を実施した。また、資料収集を同センターおよび大学図書館において行った。

研究等の成果概要

本研究の実施により以下の点が明らかになった。

  • 日本とプエルトリコはまったく異なる地域にありながら、周辺国として工業化を進めた点において類似点が見られる。両地域とも女性の社会進出が進展するのは、就業者人口の割合において、第三次産業が他の産業を上回った時点からである。この現象が生じるのはプエルトリコでは50年代、日本では60年代であるが、第三次産業の割合が増加するのに伴い、女性の就業形態も大きく変化していく。そのことは、女性のライフスタイルの変化を生み出し、女性の社会進出を促している。
  • 両地域は歴史的に米国との政治的つながりが深く、女性の社会進出の過程において、米国文化が大きく影響しているが、それは両地域の工業化過程が引き起こした現象であり、工業化が先に進行した米国の変化と一致したためと考えられる。従って、女性運動における米国の影響と思える現象は、別の視点に立てば、米国の文化が持ち込まれたというより、工業化によって引き起こされる変化自身にその萌芽のもとがあったと捉えるべきではないだろうか。
  • 会議では、プエルトリコ研究学会設立後10年が経過し、再度、移民コミュニティの草の根にある人々の努力に研究の基礎を置こうという提案が成され、また、研究の視点に女性の視点(女性問題の視点)を組みこむことも提起され、今後の全体の研究動向が期待される。
  • 本研究を実施することにより、地球規模で進展するフェミニズムへの理解を深め、日本人研究者としての視点を国際会議で提供し、グローバル化する国際社会におけるジェンダー理論の進化に貢献する足がかりを得た。