2、ホームページの内容を設計する

 では、結果を見たところで、いよいよ内容について考えていこう。
(1)ホームページの一般型
 カテゴリの件数の中で多いものをホームページの一般型とすれば、単純にカテゴリとその中の内容を示す項目のそれぞれ多い順ベスト5を組み合わせればよい。全体の一般型としては、「学校紹介」では概要と歴史、「学校の内容」、「活動」では行事とクラブ、「リンク」、「地域情報」となる。一般型に入るカテゴリに関しては、最低限必要な情報として用意しておいた方がいい。多くのホームページが使っているということは、紹介しやすい、役に立つなど何かしらの利点があると考えられるからである。同様にして、校種別に一般型を考えてみると、小学校は図11のようになる。小学校の特徴としては、「学級」と、「とりくみ」に重点をおき、子どもの発想で自由に表現したものをみんなに見てもらうのがよい。


図11 小学校ホームページの一般型

 次に、中学校をみると、「学校紹介」の概要、「活動」の行事、「リンク」に加えて、子どもによる作品やクラブ活動での成果を発信する例が特徴的である。高校は、「学校紹介」の歴史、「学校の内容」の組織、「活動」の行事、「生徒会」のクラブにウエイトがおかれ、「組織」(学科構成など)の紹介がでてきている。小学校は、学校紹介よりも自分たちの「とりくみ」を紹介する傾向があるのに対し、高校では学校自体の紹介を基本として発信されている。中学校はその中間的な存在というイメージである。
 「良い」ホームページをつくるには、使われ方+ユニーク+一般型という3つの観点から考えてみることである。一般型を参考にホームページの骨格を決める。何に使うためにホームページをつくるのかを考え、用途に応じた内容を盛り込む。そして、オリジナリティを出すために、何かユニークなものを加えるとよい。
 誰のための発信なのかを考えると、おのずと自分のページをどのようにすべきかが見えてくる。例えば、交流をしようと思っているなら、その交流相手のことを考えてみる。もし相手が小学生なら、漢字は使わないようにするなど、受信者のことを考えることが大切である。

(2)ホームページ作成の留意点
 内容を考える上で注意して欲しいことが2つある。
 まずは、著作権の問題である。他の本からスキャナーでとってくるなど、とにかくコピーするのは控えた方がいい。なるべく自分で作ること。自分で作ったものなら誰も文句は言わない。それが難しいのなら、相手先に確認してみることである。例えば、地元の情報などは、著作権の了解をとって載せていると明記してあるところが結構あった。フリーのイラスト集なども多く出ているので、それらを利用するのも有効な手である。
 また、個人の情報をどこまで載せるかというプライバシーに関する問題もある。子どもたちの紹介のページを作るのはいいが、そこに写真や名前を載せるときは一考してほしい。悪用されないとも限らないからである。E-mailアドレスならどんなにのせても構わないだろうが、個人の電話番号や住所はやめておいた方がいい。例えば、グループ名、イニシャル、下の名前だけなどにしているところがあった。
 ホームページは世界に開かれた窓である。著作権やプライバシーの問題に十分注意しながらホームページを作る必要がある。


ichikawa@edutech.tohoku-gakuin.ac.jp(Hisashi Ichikawa)