教科別紹介2第6回
 〜英語科関連のホームページ

 市川 尚(岩手県立大学ソフトウェア情報学部助手)

はじめに

 前回は教科別紹介を離れ,新学期特集と題して,子どもたちの発信が行われている学校のホームページ紹介しました。今回は、再び教科別紹介に戻りまして,読者から要望のあった英語科関連のホームページを紹介します。英語科については,本連載でとりあげるのは初めてですが,これまでも随所に紹介してきました.例えば島根大学教育学部附属中学校「英語準備室」(http://192.244.221.112/;98年3月号)や,国際理解教育については97年10月号に紹介しております.また,詳しくは、バックナンバーを入手して(お持ちの方は読み返して)頂くか、バックナンバーホームページをご覧ください。
 英語科関連の発信は,学校,教師,企業,個人からと様々です.インターネットの共通言語は,英語です.よって,英語表記されているホームページは数限りなく存在しています.インターネットを活用するには,ある程度の英語能力を要する場面が必ずでてきますから,これをうまく効果的に授業にとりいれていくことができれば,英語力を養うことができることでしょう.WWWの特性上,画像を使用できるので,それが内容理解の助けになり,英語力のない生徒でもあきずに読み進めることができるかもしれません.そういった意味では,小学校でも海外交流をしている事例(茨城県土浦第二小学校ホームページ;http://www.educ.tsuchiura.ibaraki.jp/~nisho/;98年12月号で紹介)もあります.
 英語に関連するページは多いなかで,今回は教師からの発信(授業に関する発信)を中心として紹介していきます.

英語科関連のホームページ

Teachers' Internet Milestones(http://www.hamajima.co.jp/tim/;図1)
 英語科の先生方によるホームページです.英語の授業をよりよくしていこうという姿勢が見て取れるホームページです.「授業報告等」には,「2学期 期末考査の問題について」として,実際に出題した問題を公開しています.授業のあり方を考える場合、定期考査の問題のあり方も同時に考えていくことがどうしても必要となるとの見解から,好ましい考査のあり方を考える目的で公開し,外部からの意見を求めています.これに対しては,これまでにもらったアドバイスも公開されています.このような試験問題という普段は公開しないような情報を公開するという試みは注目に値すると思います.さらに,2学期前半指導記録,副読本を使った速読指導経過報告などや,長期休暇中の宿題なども公開されています.授業実践例なども外部に公開することで,先生方で共有して検討していこうという姿勢が伺えます.ほかにも,「英語科通信」として配布している英語の通信が紹介されています.
  また,「English Mailing List」では,英語教育に関する情報交換を行っているメーリングリストが紹介されており,過去ログが参照することができるようになっています.かなり活発な意見交換が行われているようです.

松田英樹先生による「英語教育の改善・中学生のための英語教室」(http://www.nsknet.or.jp/~hide0508/;図2)
 中学校の英語科授業の改善についてや中学生のための英語学習素材が公開されています. 「コミュニケーション活動集」では,コミュニケーション活動のアイディアを、いろいろな書物や雑誌の中から集めデータベース化したものが載っています.英語を使ったゲームなど200項目ほどあり,大変充実したデータベースです.それぞれには対応する学年や分野も書かれています.「評価のアイディア集」として,評価にかかわる実践も紹介されています.授業の展開等で何をやるか迷ったときや困ったことが出てきた時などは,このホームページを訪れてみるのもいいと思います.きっと何らかのヒントが得られることでしょう.
 「中学生の英語教室」では,学年別に様々なテーマにそった,Java Script教材があります.例えば,中学1年生の「いろいろな色を英語で言える?」は,英語表記で色の名前が書いてあるボタンが数種類用意されており,ボタンをクリックすると背景色が変わり,何色かがわかるといったものがあります.子どもたちが自学自習できるページです.また,英語が上手になる方法や,上達する方法なでも紹介され,中学生のためのページとなっています.「英語教育関連のサイト」では,教師向けと中学生向けにわかれた充実したリンク集があります.

溝畑保之先生による「英語教育実践」(http://www.tcnet.co.jp/~myasuyuk/;図3)
 高校の英語の授業実践例を中心として公開しています.授業計画や,授業中に使用した教材,実施をしての生徒の感想や反省など,様々な授業実践例が紹介されています.例えば,「教室開き」では英語が得意でない生徒を相手に英語で始める1時間目の授業として,ワークシートによる授業を紹介しています.また,コミュニケーションを目指した授業が入試に対応できるを検討した実践も紹介されています.
 「泉南高校ホームページ」は,英語の授業で生徒が作成したホームページです.そのなかのStudents' Pageには,5行詩の作品等や,Oral Communication Classの授業の展開が紹介されています.このように英語科で学校ホームページを作成している事例としては,例えば英語の授業で学校ホームページの英語版を作るという活動をよく見かけます.学校紹介や自己紹介,ひいては海外の人々に聞いて欲しい意見,課題学習で調べた結果を英文レポートにまとめて掲載するなど,ホームページ作成を通して,英語のスキルを高めていくこともできるでしょう.これは同時に,ホームページを公開することによる,海外交流のきっかけとなり,さらに学習が発展していくかもしれません.もちろん実際に交流の場としてもウェブは活用できます.

林義雄先生による「英語講座」(http://www3.justnet.ne.jp/~yoshiohayashi/;図4)
 高校の教師による発信です.「名言集」は,歴史上の有名人が残した格言を集めたページで,英語と日本語の両方で表記されています.かなりの数が載っており,アルファベット順に並んでいます.「ことわざ」では,重要イディオムや大切な構文が使われているものを中心に、授業の例文に使えたり、暗記する価値のある英文を提供しようという観点から作成したそうです.収録は,300を越えています.これは,先生方にとっても授業のネタとしても使えることでしょうし,子どもたちが見れば英語の知識が広がるでしょう.日本語と英語が並んでいるので,日英の表現を比較しながら読む事もできます.
 「市販ソフト」「フリーソフト」では,英語学習関連のソフトがたくさん紹介されています.特にフリーソフトのほうは,手軽にインターネット上で手に入るもので,その入手先が提示してあります.「教育ツール集」では,CAI教室での授業方法や,使用して有益だった教育ツールを紹介しています.「雑学教室」では,英語に関する話題がクイズ形式で載っています.「実力試験」では,ウェッブ上で英語の実力を試してみようという方のために、文法・単語・イディオム・長文・作文・リスニングの問題が用意されています。

The English Listening Lounge(http://www.englishlistening.com/;図5)
 これは先生方からのページではありませんが,数多くある英語関連の海外のページの例として,ここに紹介します.このページを紹介する理由は,英語の音声が聞ける教材ホームページというところにあります.メニューは,「New Listener」と「Regular Listener」と「Advanced Listener」に分かれており,レベルに応じてリスニングができるようになっています.話題は様々なものが用意されており,例えば,タイタニックの映画についてなどがあります.そのそれぞれには,リスニングの長さ(時間)や単語の数,話している人の性別などの詳細な情報が提供されています.各話題には,なにも表示せずに聞くだけや,文章を表示して聞き取りを行うことが選択肢として用意されています.また,いくつかの質問や,その解答も載っています.音声はすべてリアルオーディオで提供されており,プレイヤーさえあれば,待ち時間もなく非常に明瞭に聞こえます.WWWはマルチメディアを扱えるからこそ,聞き取りの訓練にも対応したホームページ(教材)を作成することができます.日本にも,もちろんこういった音声が聞ける充実したサイトはあるのですが,掲載の承諾を頂けなかったので,ここに紹介していません.英語のリンク集等にはよく載っているので,探せばみつかると思います.

その他の英語関連ホームページ

 教科書の題材に沿ったリンク集として,新学社からはNEW HORIZENやNEW CROWN ENGLISH SERIESのためのリンク集(http://www.sing.co.jp/link/manabi/eigo/eigo.htm)が提供されています.WWWを活用して学習に広がりを持たせ,より深く学んでいくことに活用できるでしょう.
 mstarの英語レッスン(http://www.asahi-net.or.jp/~tx9m-hs/engclass/)では,文法や発音とスペリングのわかりやすい解説があります.発音については,「30音でマスターする英会話」(http://www.awa.or.jp/home/uda/)などもあります.英語でEメールを書くためのテクニックは,こねっと・ワールドの「英語でEメールを書こう!」(http://www.wnn.or.jp/wnn-s/e-mail/)などがあります.「けんぞうのワンポイント英会話」(http://home2.highway.or.jp/genzo_y/english.htm)は,日本の英語教科書に載ってない表現を中心に紹介し,経験から得た生の情報を提供していると言えます.このような英語のテクニック等に関する情報も多数公開されています.  また,「英語で笑おう!」(http://www.cc.rim.or.jp/~awaji/JOKES/)は英語のジョークが紹介されています.「海外TVドラマの英語」(http://www.bekkoame.ne.jp/~genkipro/tvdrama.html)では,海外ドラマの中でもコメディに出てくる面白い英語を紹介しています.毎日新聞社による「MAINICHI WEEKLY」(http://aulos.mainichi.co.jp/weekly/)には,時事ネタが英語で載っており,しかもある程度の単語については日本語訳も見ることができるようになっています.最新情報だから面白く,日本の身近な話題(3月の話題としては,例えば団子3兄弟についてなど)も多いです.このような英語に触れるための入り口となるような面白いページもあります.  英語検定試験関連の情報もホームページ上に公開されており,例えば,英検(http://www.eiken.or.jp/index1.html)やTOEIC(http://www.toeic-fc.ne.jp/)などがあります.
 他にも英語の辞書などが公開されていたりと,英語に関連するサイトといってもかなりの種類があることがわかって頂けたと思います.英語のサイトは,上記で紹介したページにあるリンク集から見つけ出すことができますので,ぜひここで紹介したものにとどまらず,いろいろ見に行ってみて下さい.

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図1 大阪府立住吉高等学校ホームページ
図2 松田先生による「英語教育の改善・中学生のための英語教室
図3 林義雄先生による「英語講座」
図4 溝畑保之先生による「英語教育実践」
図5 「The English Lounge」


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