教科別紹介2第5回
〜技術・家庭科関連のホームページ

 市川 尚(岩手県立大学ソフトウェア情報学部助手)

はじめに

 前回は教科別紹介の数学編をお送りました。今回は、技術・家庭科関連のホームページを紹介します。技術・家庭科関連のホームページは、学校や教員等の教育関係サイトももちろんのことながら、企業や一般の人たちから公開されている様々なサイトが役にたちます。生活等に密着した教科と言えるので、例えば技術科にしてみれば個人が作っている趣味の工作のページ、日曜大工のページ、家庭科でも普段お目にかかるテレビの料理番組のページや、主婦が公開しているページなど、実に様々な分野の情報が活用できることでしょう。また、技術・家庭科は、環境教育にも深いかかわりがあり、その情報を載せているサイトも多くありましたが、それは後で環境というテーマで紹介するときにとりあげたいと思います。また、本誌の読者は技術科の先生方が圧倒的に多いと思われるので、技術科のホームページ中心に紹介していきます。
 なお、以前の教科別紹介(97年4月号から98年3月号まで本紙に連載)時に紹介したページは次のものです(これがすべてではありませんが、97年7月号に技術・家庭科関連のホームページとして紹介したものです)。詳しくは、バックナンバーを入手して(お持ちの方は読み返して)頂くか、バックナンバーホームページをご覧ください。

群馬県前橋第四中学校(http://www.rinkan-es.yamato.kanagawa.jp/~kateika/)
神奈川県林間小学校「家庭科室」(http://www.rinkan-es.yamato.kanagawa.jp/~kateika/)
愛媛県新居浜市立東中学校(http://www.naruto-u.ac.jp/nagase/nagase.html)
広島大学附属福山中学・高等学校(http://www.hiroshima-u.ac.jp/japanese/fukuyama/)
岡山大学教育学部付属中学校(http://www.fuzoku.okayama-u.ac.jp/ml/)
山梨教育大学付属中学校(http://fzkjhss.fzk.yamanashi.ac.jp/)
三重大学教育学部付属中学校(http://www.fuzoku.edu.mie-u.ac.jp/~jhs/)
東京都和光中学校(http://www.bekkoame.or.jp/~noriyuki/)
茨城県笠間中学校(http://www.kasama-jhs.kasama.ibaraki.jp/)
大分大学教育学部技術科(http://yukichi.cc.oita-u.ac.jp:8001/~edtech/index.html)
技術教育研究会の川俣純先生による「技術のおもしろ教材集」(http://spock.vector.co.jp/authors/VA003189/)
大阪ガスによる「ボブとアンジーのキッチン」(http://www.osakagas.co.jp/webcooking/)
福岡教育大学技術科の「オンラインデジタルテキスト」(http://dtsun.fukuoka-edu.ac.jp/onlinetext/content.html)
東京理科大学の「コンピュータ博物館」(http://infoserv.sut.ac.jp/museum/index.html)
CIAIによる「やさい・くだもの百科のホームページ」(http://kws144.narcb.affrc.go.jp/vegf/)
静岡大学木村誠先生による「最近の技術・技術教育に関する図書紹介」(http://www.ipcs.shizuoka.ac.jp/~eiymoti1/gijutu/tosyo/tosyo.htm)
―情報教育関連のページ紹介時に、情報基礎の例として:98年2月号より―
鹿児島県鷹巣中学校(http://www-cn.edu.kagoshima-u.ac.jp/Tjhs/index.HTML)

 今回も、これまでに紹介したページとは、重複しないように紹介していきます。

技術・家庭科関連のホームページ

竹と茶の「技・家Voice」 (http://www.niji.or.jp/home/nmm54362/;図1)
 このホームページはなんといっても「リンク集」が充実しており、技術・家庭科に関係のある役立ちそうなサイトを領域別にまとめていきます。リストされているものには、それぞれコメントがついています。ただ内容を示すだけではなく、おすすめの内容(特に技術・家庭科に関連する内容)を示しており、自分のほしい情報を探す際に、役立ちます。リンクはかなりの数に上っており、かつ学校や教員からのサイトに特定したものではなく、不特定の分野のさまざまなサイトが載っています。「資料集」では、学習の足跡を残すための「自己評価カード」や、「コンピュータ利用のすすめ(1)」が掲載されています。「制作記」では、オリジナルうちわや8曲電子オルゴールを制作した様子が載っています。

技術科関連のホームページ

山田英伯先生による技術科教師のためのページ(http://www.ipcs.shizuoka.ac.jp/~eiymoti1/gijutu/index.html;図2)
 中学校技術科の教師の方々を支援するために公開されているホームページです。「指導案集」では、情報基礎 、木材加工、機械、金属加工、栽培の各領域における指導案を公開・収集しています。「用語解説一覧」では、技術科に関連する様々な用語を見ることができます(例えば、「あ行」ならISO、相がきつぎ、アイコン...など、多数の用語が解説されています)。なかにはわかりやすいように図解されているものもあります。「用語検索」によりキーワード検索もかけられますし、「用語登録」として、登録することもできます。「技術・技術科教育に関するリンク集」もあります。

長野県・原村立原中学校「原中・技術科コーナー」(http://www.root.or.jp/harachu/GIJYUTU/GIJYUTU.HTML;図3)
 「技術科授業の風景」には、情報基礎や電気、金属領域の授業の様子が紹介されています。 「インターネットを利用した遠隔共同栽培学習」では、矮性ミニトマトの生育記録をホームページ上で公開しながら、各学校の風土や気候条件を比較し情報交換していくという試みが紹介されています。この試みは富山と山形の学校と3校で行われたようで、実際にその成長の記録がホームページ上に紹介されています。栽培領域については、他にも学級の畑のレポートなども公開されています。金属加工の授業として、「ドライバー作品集」が公開さています。そこでは、前年の作品を加工法ごとにページ化し、本年度のデザイン検討の参考資料としているとのことで、ホームページの利点である情報の蓄積・活用が行われています。子どもたちの毎年のアイデアをこうやって蓄積していくことは、すばらしいことだと思います。作品を公開される子どもたちも、先輩の作品を見る子どもたちにとっても、意欲の向上にもつながってくることでしょう。

上田達伸先生による「岡山の教育を語るページ」(http://www2.meshnet.or.jp/~t-ueda/kotsu/index.htm;図4)
 このホームページ上にある「ものづくりのこつ」には、作者の経験から身につけた「こつ」を公開しています。「木材領域」では、例えば「のこぎりびきの指導方法」が紹介されていたり、「4時間勝負の塗装方法」では、授業時間で少ない授業時間の制限の中で、いかにはやく完成させるかのこつが紹介されています。他にも、金属加工、機械、電気、栽培、情報基礎などの各領域の分も紹介されています。
 普通はこういう「こつ」というものは、先生方の個人技として他者に知られることなく終わってしまうことも多いのですが、こうして公開することは、他の先生方にとって非常に有用な情報となることでしょう(経験から培った知識というものは、教科書にもあまり載ってないネタですから..)。他にもこのホームには、技術科の指導要領や、情報教育Q&Aなど、さまざまな情報が公開されています。

田口浩継先生による「教材教具の紹介」(http://www.educ.kumamoto-u.ac.jp/~gijutu/reserch/kyouzai/index.html;図5)
 大学の「木材加工実験実習」では、中学校技術・家庭科の 木材加工領域で行われている授業を追体験しながら、指導に関する技術を学ぶとのことで、その、「実験実習」の中で使用する「教材・ 教具」について紹介しています。 例えば、「逆目・ならい目説明教具」や「釘の保持力説明教具」をはじめとして、様々な木材加工領域の教具について、題材やねらい、その作成方法や指導法について解説されています。また、第15時間目までの指導案集や、「「木材の組織、強度試験」等の授業記録もあります。

中川勝弘さんによる「木の情報発信基地」(http://www.wood.co.jp/;図6)
 木材領域では、木の加工等を行うわけですが、この「木」についての情報が満載のホームページがここです。「世界の木材」や「サイバー図鑑」では、木の図鑑のようになっており、木の名前からその木材について調べることができます。「木の書籍」では、木に関する本が 300冊も紹介されています。木材がどのように建築とかに役立っているかがわかります。ガーデニングやDIYのはなし、「木の施設 事例集」「漢字に見る木の文化」など、多彩な情報が公開されています。興味を持った学生に発展教材として紹介するのもよいのではないでしょうか。
  また、実際の木材等の加工の仕方については、例えば「三条鍛冶の技」 (http://www.city.sanjo.niigata.jp/~shoko/kajinowaza/)には、かんなやのみ、のこぎりの紹介や使い方だけでなく、その歴史とかも知ることができる、職人が作った雰囲気のあるサイトがあります。電気領域については、例えば「電子工作の実験室」(http://www.bekkoame.or.jp/~gokan/index.html;図)などは、アマチュアの人が自分の電子工作の趣味が興じて作成したサイトのようですが、工具の使い方や工作の仕方などが詳しく紹介されています。

IBMコンピュータミュージアム(http://www.ibm.co.jp/event/museum/entrance.html;図7)
 情報基礎等でコンピュータを使用しますが、そのコンピュータは実際にどのような仕組なのかといったことが学べるホームページです。「コンピューターこども館」では、shockwaveを利用し、例えばQ1 コンピューターは何ねん生まれ?などのクイズや、パスカルの加算機の原理などを実際に加算機を体験しながら学べるになっています。 「コンピューターしくみ館」では、コンピュータの中身がどのようになっているかを知ることができます。パソコンの本体や各部の役割、構造が詳細にイラストでわかりやすく解説されています。「コンピューターれきし館」では、IBMのコンピュータ年表や、それを装置別や社会の出来事と関連させたものもあります。「コンピューターみらい館」では、研究中のテクノロジーなど、今後発展が予想されるコンピューターの未来を、さまざまな角度から紹介しています。このホームページを授業中に教材として子どもたちに見せるのも面白いかと思います。

家庭科関連のホームページ

 家庭科に関連するホームページも若干ではありますが例として紹介しておきます。
グリコによる「栄養成分ナビゲーター」(http://glico.topica.ne.jp/cgi-bin/glico/gonavi.cgi;図8)
 知りたい食品の種類と量を入力すると、自動的に計算されて、その栄養成分が出力されるホームページです。一般食品(1,834品目)とグリコ製品(365品目)の中から、知りたいものを選択することができます。栄養成分は、エネルギー(カロリー)・たんぱく質・脂質をはじめ、カルシウムやビタミン、食物繊維などが表示されます。食品の種類は、50音かもしくは、食品分類からさがすことができます。複数の食品を同時に入力し、その合計値を見ることもできます。家庭科で栄養について学ぶ際に、その導入に自分の朝食はどれくらいの栄養をとったのかを知ったり、カロリーの計算等に使用して、ダイエットとかにも役立ちそうです。また、「栄要成分百科」では、「エネルギー」「たんぱく質」などの用語について、知ることができます。

日本テレビによる「キューピー3分クッキング」(http://www.ntv.co.jp/3min/;図9) 
 レシピのサイトとしては、よくほうぼうからリンクされていました。ここは、かなり豊富なレシピがそろっています。毎日の番組で紹介したレシピを「本日のレシピ」で見ることができますし、「過去のレシピ」では、膨大なレシピがあります。レシピのページはきれいにつくられており、その写真や、材料と調理方法、そしてアドバイスが載っています。家庭科の調理実習の際に、ここからレシピを子どもたちに自由に選択させ、それを作らせるということも面白いのではないでしょうか。
 また、レシピについては、ハイ・トマトのホームページに「料理レシピリンク」(http://www.toyama-smenet.or.jp/~hitomato/index.html;図)として、膨大な量のサイトがリンクされています。

今回は紙面の都合上、自薦・他薦のホームページ紹介はお休みです。
自薦・他薦のホームページ募集中!ichikawa@soft.iwate-pu.ac.jpまで。
ホームページ紹介記事バックナンバーhttp://www.edutech.tohoku-gakuin.ac.jp/new/

図1 竹と茶の「技・家Voice」
図2 山田英伯先生による技術科教師のためのページ
図3 長野県・原村立原中学校「原中・技術科コーナー」
図4 上田達伸先生による「岡山の教育を語るページ」
図5 田口浩継先生による「教材教具の紹介」
図6 中川勝弘さんによる「木の情報発信基地」
図7 IBMコンピュータミュージアム
図8 グリコによる「栄養成分ナビゲーター」
図9 日本テレビによる「キューピー3分クッキング」


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