資格・検定試験関連のホームページ


岩手県立大学ソフトウエア情報学部 市川 尚

 

はじめに


今回は、資格・検定試験関連のホームページ紹介です。本誌の読者対象は、教員の方々ですから、教員と資格・検定の関係を考えてみると、自らが資格をとる場合がまず考えられます。教員免許はもちろんのこと(すでに取得済みでしょうが)、生涯学習の観点から見ても、資格・検定はひとつの目標となるでしょう。最近では、新設される高校「情報科」の教員の資格が話題で、情報処理技術者試験やCG検定の資格を有していると、試験の一部が免除されるそうです。一方で、子どもたちが資格・試験にとりくむことが挙げられます。専門高校をはじめとして、中学校や普通科の高校でも、資格・検定の受験を勧めたり、そのための指導を行ったりすることがあるでしょう。
 資格・検定試験関連のホームページは、その主催元によるオフィシャルサイトをはじめとして、教材を販売しているところからの発信、試験を受けた個人からのホームページなどがあります。また、その内容についても、試験の概要等が載っているところ、試験の過去問題や練習問題等が載っていて実際に取得へ向けての勉強ができるサイト、日記風にチャレンジの軌跡を載せたもの、資格・検定試験のページのリンク集などさまざまです。ほとんどすべての資格・検定試験にはホームページが何らかのホームページがあると思っていて間違いありません。
 資格・認定試験というテーマは、本連載では初めて取り上げますが、これまでの連載を通してみると、例えば英語の回(2000年12月号)では、TOEICやTOEFLのページを紹介しましたので、今回はそれ以外のページを紹介していきます。

 

資格・検定試験関連のホームページ


西川敏弘先生による「情報通信時代の資格検定ガイド」(http://jf3mxu.wisnet.ne.jp/licence/;図1)
工業高校の先生が作成しているページです。情報通信の資格・検定を中心として、作者の取得体験や資格検定指導経験に基づく内容となっています。資格の情報はデータベース化されており、「データベース検索」では、試験実施月、省庁別等区分、受験手続日、そして名称から検索をかけることができます。各資格のデータには、資格の概要や、取得体験談をはじめとして、問い合わせ先や、日程、合格証書・認定書などの画像も載っています。また、関連情報リンクもあり、さらに詳しく調べることができるように配慮されています。「演習」では、資格の学習を支援するCGIを利用した問題集が公開されています。「文部科学省関連」には、情報関係の教員資格についての紹介があります。現在、定番資格検定の総合サイトへ向けて、更新が進められているようです。

●高校の教科「情報」について
情報科の先生になるためには、現職の講習会に参加し修了するか、資格認定試験に合格するか、大学で教職課程をとるの3通りの方法があるそうです。「情報科の先生になります」(http://www.hi-ho.ne.jp/yoshi-sato/joho/)にある、「先生になるリンク」では、教科「情報」の先生になるために参考になるページへのリンク集があります。講習会についての情報としては(地域によって異なりますが)、例えば、「高等学校新教科情報のペ ー ジ」(http://kumakiyo.tripod.co.jp/)に、宮城県の講習会を受けての日記が公開されており、どんな様子で行われているかがわかります。また、試験に関しては、例えば「まつもと先生の「情報」教員資格認定試験講座」(http://www.adminteachers.com/yoc/johomenkyo/johomenkyoindex.html)などに、問題が公開されています。

「情報処理技術者試験センター」(http://www.jitec.jipdec.or.jp/;図2)
 情報処理技術者試験に関するオフィシャルサイトであり、受験者のための情報が公開されています。試験の内容や実施日程等を知ることができ、なおかつホームページから受験申し込みもできますので、センターへ郵送にて資料を請求せずとも、このサイトだけで必要な手続きが済みそうです。平成13年度から新試験制度になりますので、ページ上の情報も、それらの情報へと変更されています(これまでの一種や二種といった名称がなくなっています)。「試験の概要」では、各試験の概要(手続き日程等を含めて)を参照することができます。「試験実施案内」では、実施時期や問題数、試験時間などの情報や、試験地の一覧があります。「出題範囲」などもPDF形式で公開されています。「合格発表」も行われています。試験に関する最新情報がすぐに掲載されますので、この資格をねらっている人は必見です。
 資格には、たいていこのようなオフィシャルサイトがあり、資格検定試験を受けるなら、必ずおさえておきたいところです。試験の詳細な情報や最新情報が公開されています。例えば、CG検定(http://www.cgarts.or.jp/)、ワープロ検定(http://www.kentei.ne.jp/wordpro/)、パソコン検定(http://www.pken.com/)、漢字検定(http://www.kanken.or.jp/)、英検(http://www.eiken.or.jp/)などがあります。

「KIKIの情報処理技術者試験の部屋」(http://www.sam.hi-ho.ne.jp/ike3/;図3)
 情報処理技術者試験についての情報を、個人的に公開しているホームページです。過去問題の公開が中心になっており、試験対策用の「四択クイズ」や、過去の問題を実際にやってみることができます。解答に解説がついているものもあります。勉強してからここの問題をやってみて自分の勉強の到達度をはかってもいいでしょうし、まずはじめにここの問題をやってみて、自分のできないところを把握し、そこを重点的に勉強してみるといった利用方法も考えられます。また、「私の勉強法」では、おすすめの書籍なども公開されています。  
このように、個人的なページからも、オフィシャルにはない有益な情報がたくさん公開されています。試験の問題が演習できたり、勉強法を公開していたりと、受験の経験者が様々な情報を公開しています。たとえオフィシャルサイトを発見したとしても、このような個人のページも同時に探してみるとよいと思います。

「MOUS試験公式サイト」(http://mous.odyssey-com.co.jp/;図4)
 マイクロソフト社のソフト(Word、Excel等)の利用能力を証明する資格のオフィシャルサイトです。本屋でも、対策本を良く見かける資格のひとつであり、企業が出しているソフト自体を対象としている資格試験の例として紹介します。筆記試験はまったくなく、Windows機を利用して与えられた課題に取り組んでいく実技試験とのことです。一般レベルと上級レベルに分かれており、全国一斉試験のほかにも、各自のスケジュールに合わせて実施する随時試験があります。「MOUSに挑戦」では、試験実施の案内や、試験の範囲等が公開されています。もちろん、ホームページ上から申し込みを行うこともできるようになっています。
 似たようなものには、一太郎検定などがあります。また、「エクセル検定」「ワード検定」と言われているものは、日本ソフトウェア教育協会が主催しているものであり、これとは別のものですので混同しないように注意して下さい。

「○△資格」(http://www.cam.hi-ho.ne.jp/lulu/index.html;図5)
 資格・検定情報の総合サイトです。このページに来ると、あらゆる資格の情報を見ることができます。世の中にはどんな資格があるのかを見るには、このサイトに来てみるとよいでしょう。個人の趣味で作られているということですが、その情報量を考えると脱帽です。公務員、企業関連、語学、情報処理などのカテゴリで資格が整理されており、各資格について、資格の内容や受験資格、試験科目、試験日、受験料、合格率、問い合わせ先などの情報が載っています。問い合わせ先には、URLが載っているものもあり、オフィシャルホームページへのリンク集的な利用方法もあります。

中村一樹さんの「平成の資格王」(http://www.elife.co.jp/elife/community/ca_shikaku/;図6)
 世の中には資格をいっぱい持っている人がいるもので、約270個もの資格を保有しているという方が、資格に関する様々な情報を発信しているホームページです。各資格試験の概要をまとめた「資格試験ガイド」や「資格試験のカレンダー」、「実力診断テスト」をはじめ、さすがに資格王というだけあって、自分の経験や考えなどから、「資格評論」や「資格試験のテクニック」が公開されています。
 こういった資格試験に合格した人たちの話というのは、受験のコツなどが載っている時があり、資格試験に合格するという目標を考えたときに、大変重宝することでしょう。

「ライセンス資格試験フォーラム」の「資格商法Q&A」(http://www.nifty.ne.jp/forum/flicense/index.htm;図7)
 ニフティ−サーブの「ライセンス資格試験フォーラム」のページには、「資格商法Q&A」というコーナーがあります。資格に関する詐欺として、資格試験対策の講座などを高く売りつけようとしたりするなどが横行しているようです。このページでは、そういった資格商法についての情報として、クーリングオフをした事例や、経験談、専門家の話などが載っています。資格をとろうとする際には、こういった資格商法にくれぐれもひっかからないようにしたいものです。

 

自薦他薦のホームページ


「語り継ぎたい。命の尊さ---阪神大震災ノート」読者ページ(http://www.std.kobe-u.ac.jp/newsnet/sinsai/book/book.html;図8)
今回のテーマとはまったく関連はありませんが、自薦他薦の枠として、このページを紹介します。ホームページコンテストとして有名な「シンククエスト」 にも入賞しているページですので、ぜひ一度ご覧ください。このページは、社会科副教材ブックレット『語り継ぎたい。命の尊さ〜阪神大震災ノート』(住田功一・著 一橋出版・1999年刊)の読者に向けてのホームページです。感想文を寄せた生徒、先生たちが100人を超えているとのことです。総合学習や、調べ学習のきっかけ、防災教育や神戸への修学旅行の参考にこのブックレットを利用した学校も数校あるで、特に、兵庫県立西湘高校の「総合学習『命の大切さ、考えよう』のとりくみ」などが報告されています。このブックレットとホームページは、主婦サークル「グループスプラッシュ」と、神戸大ニュースネット委員会の学生達、それに、アナウンサーの住田功一さんの三者で作成しているそうです。

図1 「情報通信時代の資格検定ガイド」
図2 「情報処理技術者試験センター」
図3 「KIKIの情報処理技術者試験の部屋」
図4 「MOUS試験公式サイト」
図5 「○△資格」
図6 「平成の資格王」
図7 「ライセンス資格試験フォーラム」の「資格商法Q&A」
図8 「語り継ぎたい。命の尊さ---阪神大震災ノート」読者ページ


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