2010年9月6日(月) 氷渡洞 洞穴体験

吉木,今野・常田・松浦(3年)

インターネット上で紹介されていた岩泉町安家の氷渡洞の洞穴体験に,吉木ゼミで参加してみることにしました。
洞穴探検は初めてながら,あえて,腹囲85センチ以上の方は不可という一番上級コースに挑戦しました。
費用19,000円/人のうち,学生の自己負担10,000円で,不足分は私が払いました。3年生3人が参加しました。

泥にまみれ,針天井を見上げる常田君。

絶望・・・?

氷渡洞の向かいにある研修施設です。

指定された待ち合わせ場所は別の場所でしたが,私たちの勘違いで,ここで待っていました。
スタートが1時間くらい遅れることになりましたが,洞窟の中はどうせ真っ暗闇なので,あまり影響はありません。

大崎さんと一緒に。

今日は案内していただき,ありがとうございました。

洞窟入口のゲートまで戻りました。

鍵をなくしていたりして・・・,
などとトムソーヤの冒険のようなことを考えてしまいました。

生きて戻れたことに感謝する常田君。

氷渡洞入口近くの狭窄部。
せっかく泥が洗われてキレイになったのに,まだ泥がつきました。

ここに穴があることが分かってから,氷渡洞が奥まで続く巨大な鍾乳洞であることが明らかになったそうです。

龍の背本洞は岩場ばかりですが,困難な場所にはハシゴが架けられていました。

倒れた鍾乳石に石筍がついて,まるで倒木のようです。

足下は,一面がリムストーンプールになっていました。

地底湖も終わり,後は戻るだけですが,途中で大崎さんが指導を案内してくれました。

この支道は,岩が白くて新鮮な感じです。

先発隊,戻ってきました。

地底湖最奥部の「石桜の壁」です。
新しそうに見えますが,年号は1967年となっています。

鍾乳洞は先にも続いていますが,ここから先へは水中洞穴を潜水して突破しないと行けないそうです。

「賽の河原」と呼ばれる,水の溜まった廊下を通過します。

次第に服の泥が落ちて,キレイになっていきました。

厳しい岩場もありましたが,周りが見えないので,あまり恐怖感は湧きません。

白いフローストーンの上で記念撮影。

ヘトヘトに疲れた様子の松浦君。

真剣な表情で岩場をよじ登る常田君。

氷渡洞のシンボルとも言える大きな石柱「自由の塔」です。

天井から垂れ下がるものを鍾乳石,地面から伸びているものを石筍と呼び,両者がつながったものを石柱と呼びます。

この写真では上が切れていますが,自由の塔は天井までつながっています。

龍の背本洞は天井が高く,次々と出てくる硬い巨岩を越えていくルートでした。

表面が白い石筍。

石筍の周りには,
チャートなどの岩質からなる丸みのある礫が散らばっていました。
龍の背本洞の奥から流れてきたようです。

昼食後は,泥まみれの狭い鍾乳洞を離れ,氷渡洞のメインである「龍の背本洞」に転進しました。

これまで歩いてきた泥まみれの迷路のような鍾乳洞は,「不帰の道」と呼ばれているようです。
歩いてみて,たしかに名前の通りでした。

休憩しながら,行き止まりの支洞に一人ずつ交替で行ってきました。

鍾乳洞には多くの脇道があることが身に染みて分かった後なので,
案内者の大崎さんから離れると,とても不安になりました。

休憩の様子です。すでに大満足ですが,実はまだコースの半分しか終わっていません。

昼食をとるために,ザックを置いた場所に戻りました。

今野さんと常田君の背中から,疲れがにじみ出ています。

同じ場所を通過する今野さんです。

同じように,足元に気をとられて頭をぶつけていました。

ろくに前を見ずに,黙々と進む松浦君。

足元を穴から抜くのに気をとられていたら,頭がはまってしまったようです。

四つん這いと匍匐前進が交互に続きます。

狭い穴を通過する松浦君です。

お尻が引っかかって,苦戦しています。

パンツが半分見えた状態で,後ろの私からからかわれています。

匍匐前進の連続です。

ちなみに,この下半身は松浦君ですが,ずいぶんズボンが下がってきました。

なんとか通過したところで,今度は正面の岩に頭から激突しました。

岩の配置を見て,もう少し計画的に身体を使えばいいのですが,
常田君は猪突猛進で行ってしまうようです。

別の狭い穴の通過です。

計画を立てずに突っ込んでいった常田君は,出口の石筍が身体の正面に来てしまい,苦戦してしまいました。

私も,難なく通過できました。見ての通り,腰回りに隙間が空いています。

大崎さんの次に挑戦した松浦君だけが,身体が硬くて苦戦したのかもしれません。

常田君も,スルリと通過。

同じ場所を,今度は今野さんが挑戦します。

松浦君に比べて,体の使い方が軟らかくて上手で,スルリと通り抜けられました。

ウナギのように進んでいる松浦君を,頭側から撮影した様子です。

よほど腹が出ていない限り,人間は肩さえ入る穴は通過できるようです。B4用紙くらいの穴ならば,頭から突っ込んでいきます。

這いつくばって,頭から小さい穴に突っ込んでいきます。

前進をくねらせて進む様子は,まるでウナギです。

松浦君のジャージのズボンが,次第に下がってきました。

私も同じ個所を這って進みます。

長時間,匍匐前進をしていると,泳いでいるような感じになってきます。

汚れなんて,まったく気にしません。

泥のなかを匍匐前進で進みます。

鍾乳石を折らないように気をつける松浦君。

再び,狭い穴に吸い込まれていきます。

足元には,天井から落ちた鍾乳石が積み重なっています。

全身が泥まみれになりながら,狭い隙間を進みます。

以前,歩いた人が落とした髪の毛です。
カビが生えて白い筋になっていました。

軍手の繊維も残さないように,と言われた意味が分かりました。

洞穴が十字路になっている場所で休憩しました。

ここも立てる高さがあるので,背筋を伸ばせます。

石筍は硬くて強いのですが,天井から垂れ下がっている鍾乳石は折れやすいので,頭や背中で折らないように注意して進みます。

ここからは,さらに狭くなっていきます。

先ほどの休憩場所で,荷物を置いてきた意味が分かりました。

天井からは鍾乳石が垂れ下がり,足元からは石筍が生えています。
鍾乳洞らしい形状ですが,鍾乳洞がこんなに泥だらけというのは予想イメージとは異なっていました。

立てる場所に着いたので,少し休憩しました。
ずっと狭いところにいると,背筋を伸ばして立てることがとても有り難いです。

ここにザックを置いて,ここからは空身で歩きます。

ゴツゴツとヘルメットをぶつけながら,狭い場所を進みます。

手袋は,表面をゴムが覆っているものです。
鍾乳石の表面はザラザラしているので,
軍手のような繊維質なものでは繊維が洞内に残ってしまうからです。

このあたりから,洞穴は狭くなり,本格的になってきました。

這いつくばって進みますが,写真では手と脚しか見えませんね。

鍾乳洞には,横に支洞があります。試しに常田君が支洞に入ってみました。

この時点では,これくらいの穴にも喜んでいました。服装も,まだキレイです。

氷渡洞の入口です。普段は,鍵がかけられています。

観光用の鍾乳洞ではないので,入口を入れば真っ暗闇です。

午前10時に,入洞しました。

案内してくださる方は,安家在住の大崎さんです。

氷渡洞の入口前にて,吉木ゼミの4人で記念撮影。

ヘルメットにヘッドライトをガムテープで固定し,準備完了です。いよいよ出発です。

観光洞以外の鍾乳洞を歩くのは初めてなので,ワクワクします。

支洞の奥はフローストーンに覆われていて,いかにも鍾乳洞らしい場所でした。

鍾乳洞探検は,想像をはるかに超えて楽しいものでした。
かなり大胆で困難なコースでしたが,鍾乳洞の面白さや楽しみ方がよく分かるように工夫されたプランだったと思います。
丁寧に指導し,案内してくれた大崎さんには,とても感謝しています。

学生3人にとっても,払った金額の何倍も楽しめて,若者らしい有意義な経験ができたはずと信じています。






洞穴に入ってから出てくるまでの時間は,約6時間でした。
洞内は約9度と,夏にしては寒いはずの気温でしたが,行動しているときは寒いとは感じませんでした。
トイレの心配もありましたが,身体を動かして汗をかいていたからか,全員途中でトイレに行きたいと思うこともありませんでした。

入口で記念撮影。

常田君に続いて,松浦君も狭窄部を登ります。

天井からは美しい鍾乳石が垂れ下がっていました。

でも,もう見飽きたのか,ろくに見ずに足早に入口を目指します。

常田・松浦組が戻ってきました。

今野さんが迎えに行きます。

続いて,後発の常田・松浦組です。

力任せにスタートしましたが,勢いがありすぎて右の壁に激突しました。

ボートは2人乗りなので,まずは吉木・今野組が先発しました。

逆流のなかを,壁を押したり,オールで漕いだりして,最奥部を目指しました。

龍の背本洞の終点にある地底湖に到着しました。

ここで,地底湖の最奥部まで行けるように,大崎さんがゴムボートを準備してくれました。

「鳴龍の滝」と呼ばれる滝を水を浴びながら登ります。

沢登りの要素も出てきました。

自由の塔付近では,天井を見上げると,ひだ状の鍾乳石が垂れ下がっていました。

本洞は泥っぽくなく,鍾乳洞らしい白い鍾乳石や石筍,カーテンが見られました。