数理・データサイエンス・AIは、今後のデジタル社会の基礎知識であり、全ての学生が身に着けておくべき素養となります。
数理・データサイエンス・AI は、今後のデジタル社会の基礎知識であり、すべての学部生が 身につけておくべき素養ととらえ、本学では「文理融合データサイエンス教育プログラム」に よって、大学における学び・研究や、将来の仕事・生活に役立つ数理・データサイエンス・AI の知識・技術を体系的に学びます。短期大学部に在学中には、すべての学生が身につけるべき 基礎的な「リテラシーレベル」を学修します。発展として岩手県立大学の4年制学部に編入学することで「応用基礎レベル」を学修することができます。
1 プログラムの科目編成と学修目標
学生便覧・履修の手引きP.32
リテラシーレベルの学修目標
2 プログラムの修了要件
対応科目 |
リテラシーレベル修了要件
|
備 考 |
情報リテラシー | 必修2単位 | 1年次必修科目 |
経営情報概論 |
必修2単位 | 1年次必修科目 |
情報社会論 |
必修2単位 |
1年次選択科目(情報科学科目群) |
情報ネットワーク概論 |
必修2単位 |
1年次選択科目(経営情報科目群) |
岩手県立大学における位置づけ:更なる発展に向け
導入:社会におけるデータ・AI利活用
社会で起きている変化、社会で活用されているデータ、データAIの活用領域、データ・AI利活用のための技術、データ・AI利活用の現場、データ・AI利活用の最新動向
基礎:データリテラシー
データを読む、データを説明する、データを扱う
心得:データ・AI利活用に於ける留意事項
データ・AIを扱う上での留意事項、データを護上での留意事項
選択:オプション
統計及び数理基礎、アルゴリズム基礎、データ構造とプログラミング基礎、時系列データ解析、テキスト解析、画像解析、データハンドリング、データ活用実践
経営情報システムでは、心得である『データ・AI利活用における留意事項』を補完しています。
データやAIは、強力な道具になります。それだけに使い方を誤ると人間や社会に大きなダメージをあたえる恐れがあります。ここでは、データやAIを扱うにあたり最低限気を付けることを学修します。
1980年代に生命科学分野で、科学技術のみならずその社会的責任を考える必要を認め、提唱された概念ですべての科学・技術に関する普遍的な考え方となっている。
従前から行われていた不公正・不適切な研究⾏為・発表の禁⽌など科学研究単位としての「健全性」、「妥当性」に対して、ELSIが考えるのはより積極的な、「社会の構成要素としての科学研究のあり方」となる。
遺伝子情報を全て解析しようとする「ヒトゲノム計画」の中で、個人情報である遺伝情報が個人や社会にどの様に影響し、どう対処するのかを研究したのがELSIの始まり
その科学(技術)はどの法の枠組で捉えられるか?
現⾏法で不⼗分な場合,どのような指針・法の形成が必要か?
(関連して,どのような行政規制が必要か)
その科学(技術)は社会に受容されるか?
どのような形であれば受容されるのか?
メリットとデメリットのトレードオフ:社会の受容ラインはどこか?
禁⽌事項:違法な研究や不適切な研究の禁止
捏造(ないデータを作り出すこと)
改竄(実データを曲げて書き換えること)
剽窃・盗⽤(データを不正に使い回すこと)
個⼈情報とは: 個⼈ID(個⼈を特定できるデータ)とその他の個⼈の情報・データ
名前、住所、マイナンバー、免許証番号、保険証番号、etc
本籍、年齢、勤務先、成績、メールアドレス、購入履歴、操作履歴、etc
プライバシーとは: 個人情報・データを含み,それを「守ること」。個人情報の中の「機微(センシティブ)情報」や「要配慮個⼈情報」とその保護
統計的処理が妥当であり,その処理結果を⽤いる人が(偏⾒なく)合理的に判断している場合でも,結果として差別・不平等が肯定され,継続されうること。
統計処理、あるいはデータサイエンス的処理を⾏う際扱うデータに,そもそもバイアス『(bias)=偏り』があること。
機械学習により、アルゴリズムにデータから学習させたとき,データにバイアス(偏り)があったがゆえに,学習結果のアルゴリズムにもバイアスが生じてしまうこと。
・ 忘れられる権利:インターネット時代のデジタルデータに関して,削除・アクセス遮断 によりプライバシーが保護されることを求める権利。 Wikipedia
・ 説明に基づく同意:個⼈情報・データの提供を求める際は,「説明に基づく同意 (informed consent)」に基づいて,提供を求める必要があります。
・ オプトイン・オプトアウト:何らかのサービス・⼿続き等に「参加することを希望する」, あるいは反対に「参加しないことを希望する」ことを表明してもらう手続き
形成されつつある合意の例
・ GDPR(欧州⼀般データ保護規則):EU内でバラバラであった個人情報保護関連規則を最先端の考え方で一元化したもの。 Wikipedia
・人間中⼼のAI社会原則
国レベルで方針づけた、「社会」と「研究開発する側」がともに守っていきましょうというルール
開発者,販売者,購⼊者,…. どのひとりも完全なる責任者にはなりにくいし,完全なる無関係者ともいえない。
例:自動運転
守り方1:情報管理三原則(情報セキュリティ三原則) 機密性、完全性、可用性
守り方2:匿名化 データから個人IDを適切に削除して当該個人の情報であることがわからないようにすること
ビックデータ
守り方3:暗号化とパスワード
元のデータに対して、特別な処理を施して、そのままでは読めない特殊なデータに変換することを暗号化
秘密鍵暗号化方式
公開鍵暗号化方式
アクセス権限を持つ人間であることを証明するパスワード
2段階認証
ワンタイムパスワード
パスキー
・データの持ち出し,あるいは紛失による流出
・攻撃による情報漏洩
・ スパイウェア,マルウェアによる情報搾取
危険アプリ
データ・AIを利活用する際に求められるモラルや倫理
データ駆動型社会における脅威(リスク)について
データ・AIが引き起こす課題について