コンピュータどうしをつなぐ

近くのコンピュータどうしをつなぐ

RS232インターフェイス

近くの2台のコンピュータをつなぎデータ通信する方法としてRS232インターフェイスを利用する方法があります。

このRS232はもっとも簡単なコンピュータ通信の例です。

物理的な仕様として、コネクタの形状、電気的仕様として電圧レベル、論理的仕様として信号の意味の取り決めがある。

コンピュータの世界は、0と1の世界

→0と1をどうやって表現するか?

伝送の手順や通信速度などはソフトウェアで処理する必要がある。

 

基本的に3本の線でコンピュータどうしで通信をしています。コンピュータAからコンピュータBへ、またはコンピュータBからコンピュータAに情報を送るためには、下の図のように接続して、情報を送ります。

一方的に通信する場合は、上記の3本の線で足りるのですが、互いに通信しあう場合には、制御用にさらに線が必要となり、全部で8本の線が必要となります。

送信側
 
受信側
準備完了  
  こちらは大丈夫です
データを送っていいですか?  
  受信できるので送信してください
データの送信  

RS232Cの最大伝送速度は20Kbpsということもあり、現在の環境では活躍の場は段々無くなってきていて、最近の大部分のパソコンにはRS-232Cのコネクターは省略されています。

 

直列伝送と並列伝送

データの送信には、1本の伝送路でコンピュータ内の情報を直列に並べて送信し、受信側で元のデータに戻される直列伝送とデータを構成するビット数分の並列した伝送路をつかって一度にデータを送る並列伝送がある。

直列伝送では、制御が単純なのでコストが安く、信号を遠方まで正確に伝送することが出来る。RS232インターフェイスやイーサーネット方式のLANなどにも利用されている。

並列伝送では、複数の信号を同時に送れるため単位時間に多くのデータを送ることができるが、複数の並列信号をずれることなく送らなければならないため、制御が複雑となりコストが高く、伝送線が長くなると横一列の伝送が崩れ安いことから、比較的短い伝送路に対して適応される。

 

パリティ検査(教科書p.154)

パソコン間でデータを伝送する場合、ノイズなどの為エラーが発生することがある。伝送中に発生したエラーをそのままにしておくときちんとしたデータ伝送ができないため、伝送中にエラーが発生したことを検出、訂正する仕組みが必要となる。

エラーを検出するためのもっとも単純な方法として、伝送するデータに冗長ビットを付け加えるパリティ検査がある。

伝送するデータと冗長ビットの1の数の合計が奇数になるように1ビットを付加する方式を奇数パリティという

伝送するデータと冗長ビットの1の数の合計が偶数になるように1ビットを付加する方式を偶数パリティという

奇数パリティ 1を付加して全体の1の数が奇数になるようにする

元のデータ 10110010 (1の数が4)→101100101(1の数が5)

元のデータ 10110101 (1の数が5)→101101010(1の数が5)

もし送られてきたものの1の数が偶数になっていたら、誤りが発生していることがわかる。

[例]もし10110[1]101というデータを受け取ったら1の数が6個となり奇数パリティに違反する。

偶数パリティ 0を付加して全体の1の数が偶数になるようにする

元のデータ 10110010 (1の数が4)→101100100(1の数が4)

元のデータ 10110101 (1の数が5)→101101011(1の数が6)

もし送られてきたものの1の数が奇数になっていたら、誤りが発生していることがわかる。

[例]もし10110[1]100というデータを受け取ったら1の数が5異なり偶数パリティに違反する。

注:奇数パリティも偶数パリティも2ビット反転していた場合は誤り検出ができない。

 

通信制御

ハードウェア的に接続された2台のコンピュータで通信を行うためには、どのような仕事をするのかを次の3つのいずれかを用いて、コンピュータに指示しなければならない。

  1. プログラム言語を用いてプログラムを組む
  2. 通信ソフトを用いる
  3. OSに備わっている機能を用いる

 

アナログ回線でコンピュータどうしをつなぐ

遠く離れた場所にある2台のコンピュータを電話回線を利用して接続することを考える。

一般の電話回線(銅線)は、300~3400Hzの音声帯域周波数のアナログ信号を伝送するように設計されている。

そのため、ディジタル信号のままでは伝送することができず、ディジタル信号をアナログ信号に変えて(変調)伝送する必要がある。

受け手では、アナログ信号をもとのディジタル信号に戻して(復調)してデータを受信する。

パソコンからのディジタル信号を電話回線を用いて、正確に、遠くまで伝送するためには、元のデジタル信号を交流信号(搬送波)に乗せ、アナログ信号として伝送する必要がある。

ただ変換したものを伝送すると、電話回線の中を伝わるうちに波形が歪んでしまい、正確にデータを伝送することができない。

 

搬送波

離れたコンピュータ間で通信を行う場合、伝送経路に応じで、電気信号や電波、無線通信、光や音などの波動を利用して送られる。このようにデータを送る波を搬送波という。

搬送波には、周波数に応じて色々な伝送経路・伝送方式がある。

一般に、搬送波の周波数が高くなればなるほど、伝送路に多くのチャンネルをとることができる。

変調と復調

ディジタル信号をアナログ信号に変換することを変調、アナログ信号からディジタル信号に戻すことを復調という。

変調方式として次の3つがある。

振幅変調(AM):ディジタル信号に対応して交流信号の振幅を変えるもの

0 ⇒ 搬送波 OFF

1 ⇒ 搬送波 ON

周波数変調(FM):ディジタル信号に対応して交流信号の周波数を変えるもの

0 ⇒ 搬送波周波数を高く

1 ⇒ 搬送波の周波数を低く

位相変調(PM):ディジタル信号に対応して交流信号の位相を変えるもの

0 ⇒ 位相を反転

1 ⇒ 基準位相

位相のずれを細かくすることで、同時に送るビット数を増やすことが出来る。

AM, FM, PMの特徴

  AM FM PM
長所

・回路は安価

・非同期通信の伝達が可能

・雑音に強い

・回路も比較的安価

・高速のデータ伝送が可能

短所

・雑音に弱い

・信号レベルの変動に弱い

・広い帯域幅が必要

・回路が複雑

・コストが高い

 

モデム

アナログ回線を使用する場合、変調と復調を行う必要がある。これを行う装置のことをモデム(MODEM)という。

変調のことをmodulator、復調のことをdemodulater、この2つを略してmo demという。

モデムのように、伝送回線の両端にあって、データ信号を送り出したり、取り出したりする装置のことを回線終端装置という。

 

モデム間の同期

2つのコンピュータ間でモデムを使ってデータを伝送するとき、受信側が正しく信号を受信し、正しくデータを復元するためには、データを構成しているビットを正しく認識する必要がある。すなわち、どこから始まってどこで終わっているかを正しく認識する必要がある。

正しく認識するためには、送信側と受信側が同じタイミングで動作する必要がある。このことを「同期をとる」という。

モデム間の同期をとる方法として次の二つの方法がある。

伝送同期 送信側が同期信号を送り、受信側がそれにタイミングを合わせる。

独立同期 両端のモデムに精度の高い発振器を内蔵し、互いに独自に同期をとる。

伝送速度

データ伝送速度の定義の主なものとして、データ信号速度と変調速度がある。

データ伝送速度 1秒間に伝送できるビット数のこと。単位はビット/秒

変調速度 1秒間に変調が行われる回数を表したもの。単位はボー(baud)

 

モデムの使用例

 

ディジタル回線でパソコンどうしをつなぐ

従来のアナログ回線では、アナログデータを送ることを前提としていたため、コンピュータ通信で用いられるディジタルデータを送るためには、工夫が必要であった。

変調と復調

搬送波

低い通信速度

効率的利用

現代のコンピュータ利用では、写真や動画などの含むインターネットサーフィンや携帯電話のメールやインターネット接続などに代表されるように、扱われるデータ量が肥大化してきている。

このような状況をアナログ回線で実現することは不可能なので、送受信される信号がディジタル信号であるデジタル回線が整備されてきた。

(ディジタル回線でのアナログ信号は、送るときディジタル信号に変換されてディジタル信号として送信される。受け取った側でディジタル信号を元のアナログ信号に復元している。)

 

ディジタル回線の特徴

[特徴]

  1. 雑音に強い
  2. 歪みに強い
  3. ビット誤り率が小さい
  4. 高速通信ができるディジタル符号のため、付加価値サービスを提供しやすい

パソコンをディジタル回線へ接続する場合、パソコンからのディジタル信号は、符号化されて伝送路に送り出される。この時ディジタル回線に応じて変換するものを回線終端装置といい、ISDN網に接続するにはディジタル回線終端装置(DSU)、光ファイバ網に接続する場合光回線終端装置(ONU)が使われる。

通信回線を用いたコンピュータの接続方法

通信回線 種別 速度 備考
加入電話網 アナログ ~56Kbps 従来の銅線による通信網(回線の占有)
ディジタル交換網 ディジタル 200~48Kbps ディジタル交換網(回線の占有)
総合ディジタル通信網 ディジタル 64K~1.5Mbps 全てがディジタル化された通信網(以下パケット交換網)
xDSL(デジタル加入者線) ディジタル 2M~52Mbps 従来の銅線を用いたディジタル通信網
FTTH(Fiber To The Home) ディジタル 100M~1Gbps 光ファイバーを一般家庭に直接引き込む事

ブロードバンド(教科書p.100)

高速・広帯域の通信回線

前述のようにアナログ回線を使用した通信では、1秒間に7000文字程度の情報しか送ることが出来ませんでした。それに対して、現在では1秒間に1000万超の文字情報を送ることが出来、動画や写真などのマルチメディア情報を送ることが出来るようになりました。この、高速・広帯域の通信回線のことをブロードバンド、アナログ回線を利用した低速・狭帯域の通信回線のことをナローバンドをいいます。

 

携帯電話網(教科書p.98)

現代社会の中で急速に普及している通信手段として、携帯電話による通信があります。

 

ビットとバイト(教科書p.148)

コンピュータでデータの量を表すものとして、ビットやバイトが使われます。

ビット:データの最小単位で1つの0か1かのデータを表すものとしてビットが使われます。

バイト:ビットを8個セットにしたものが1バイトとなり、1バイトで256通りの状態を表すことができます。

一般的にネットワークでの転送速度にはビットを、ファイルサイズやメモリーの容量にはバイトを使用します。

情報量の例:

新聞:1枚約50KB -> 400Kbps

写真:1枚約2MB -> 16Mbps

CD-ROM:700MB -> 5600Mbps

DVD-ROM:5GB -> 40Gbps

サイズと速度から通信時間を見積もる。

1GBの動画データを送るためには、どのぐらいの時間がかかるか?

光ファイバ(1Gbps)の場合:1GB/1Gb=約8秒

xDSL(50Mbps)の場合:1GB/50Mb=約160秒=約3分

総合デジタル通信網(100Kbps)の場合:1GB/100Kb=約80000秒=約1333分=約22時間

加入電話網(50Kpbs)の場合:1GB/50Kb=約44時間

パソコン通信

パソコン通信とは、パソコンや携帯端末などから電話回線を通して、センターのホストコンピュータに接続し、情報を相互にやり取りするものである。パソコン通信を行うためには、その運営会社の会員になり、パソコン通信上でのIDを取得する必要があった。

注:現在主に使われているインターネットでは、世界中に接続されたネットワークを利用して、色々な場所にあるサーバに接続して情報を利用しているので、パソコン通信の形態は減衰し、ほとんど見られなくなっている。

 

パソコン通信の主なサービス

電子メール:ホストコンピュータに専用のボックスを置き、IDとパスワードによってボックスに保存されたメールを読んだり、相手に送信することが出来る。

電子掲示板:ホストコンピュータ上に供用の掲示板を置き、自由に読み書きをする。掲示板によっては、登録された会員のみ読み書きできるものと、誰でも読み書きできるものがある。

電子会議:ホストコンピュータ上に供用の会議室を置き、共通のテーマに関して意見交換をする。

オンラインショッピング:オンラインでの品物を注文する。

データベース:各種の商用データベースにアクセスすることができる。

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