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メキシコで快適に過ごすために…

  1. 犯罪
  2. 日本を含め世界中どこにでも犯罪の可能性はありますが、比較的治安の良い日本に住んでいる私達は、知らず知らずのうちに平和な環境に慣れてしまい、海外に出てもつい注意を怠りがちです。ラテンアメリカの中では安全と言われているメキシコでも、旅行する際には細心の注意が必要です。

    以下は実際にわたしが被害に遭ったスリの状況です。皆さんがメキシコで安全に過ごすための一助になれば幸いです。

    19891216()は、クリスマス前の週末とあって、モレロス州クエルナバカ市の市場(メルカード)は大変な混雑でした。通路には人があふれ、人ごみを掻き分けながらようやく先に進める、といった状況でした。

    わたしは日本で購入した黒い化繊の布の巾着バッグに財布を入れ歩いていました。バッグの肩紐は長めで、バッグは腰の後ろにまわっていました。

    果物屋の前に来たとき、一人のとても太った初老の女がすっと現れ、わたしの行く手を妨げるかのようにどっしりと構えて、店の人に向かって大声で「レモン、レモン、レモン○○`!!」と叫びました。しかし、その店にもたくさんお客さんがいて、店の人はすぐにその女の相手をすることができません。その間30秒ぐらいだったでしょうか。女はわたしが脇をすり抜けようとしても、なぜか体を前に後ろに微妙に動かして、通してくれませんでした。

    ようやくそこを過ぎて、結局何も買わずに市場の外へ出ました。喉が渇いたので、コーラを飲もうと屋台のおばさんに栓をぬいてもらいました。そしてお金を払おうとしたとき、財布がないのに気付きました。あわててバッグを調べると、バッグが縦に10aほどまっすぐに切り裂かれているのです。そこから財布を抜かれたのです。

    わたしは呆然としましたが、とりあえず屋台の人には「お金が無いのでコーラは買えない」と謝ってその場を去りました。持ち合わせの現金が全くなくなったので、下宿まで1時間ほどの道のりを半べそをかきながら歩いて帰りました。

    この犯人は少なくとも2人組です。太った女が大げさな叫び声をあげながらわたしの行く手をさえぎり、わたしがそちらに気をとられているあいだに、わたしの後方にいた仲間がナイフでバッグを切り裂き、財布を盗んだのでした。

    財布には少々のメキシコペソ、米ドルの現金160jと、日本の運転免許証が入っていました。救いはクレジットカードを下宿のスーツケースに入れて鍵をかけておいたため、盗まれずに済んだことでした。

    現金はあきらめるしかありませんでした。免許証は帰国してから再発行の手続きをしました。

    これ以後、合成皮革など、ナイフでは切れにくそうな硬い材質のバッグを持つことにしました。そしてたすきがけにし、バッグを前でかかえて持つのです。あまり暑くない地方では、ジッパーつきの胸ポケットか内ポケットのあるジャケットを着て、それに財布を入れて、バッグは持たないようにします。これでそれ以後スリに遭うことはなくなりました。皆さんもウェストポーチ、リュックサックなど工夫してください。リュックサックは学校に通うとき便利ですので、外出の際これ一個で済ませるときは、財布の入れる場所を背中に当たる側の内ポケットにすると、かなり安全になります。

     

    今回の旅行ではホームステイを体験することになりますが、そこでも家の人やお手伝いさんの目に入るところに貴重品を置いてはいけません。もしホームステイ先にパスポート、トラベラーズチェック、現金を保管する場合はスーツケースに入れて鍵をかけましょう。またMDウォークマン、CDウォークマン等もメキシコではまだまだ高価ですので、現地の人を誘惑しないように他人の目に付かないところにちゃんとしまっておきましょう。

    ここから先はホームステイ先では必要ありませんが、参考までに…。

    わたしはセーフティボックスのない中級以下のホテルに泊まるときには、スーツケースに鍵をかけた上で、自転車用の金属ワイヤのついた南京錠でスーツケースをベッドボード、柱など、配管チューブなどに縛り付けます。こうすると、スーツケースごと持ち去られるのを防げます。しかしこれも更に犯罪の多いコロンビアに行くと通用せず、スーツケースの鍵を壊され、中身を抜かれた人がいます。こうなるともう、泥棒とのイタチごっこですね。

  3. 食べ物
  4. 生水は絶対に飲まないこと。ペットボトル入りの水が日本の半分ほどの値段で売られていま

    す。わたしはつい3ヶ月ほど前、ユカタン州のメリダで屋台のタコスにあたりました。2日間、発熱、嘔吐、下痢に苦しんで、病院にもかかり、生きた心地がしませんでした。メキシコには屋台がたくさんありますが、まず自分の目で見て確かめて、衛生的でないと思える店では買わないことです。アイスキャンディーも汚い水で作っていることがあります。

     メキシコではほとんどの日本人が下痢の洗礼を受けるといってよいでしょう。たいていの場合は、正露丸、ワカ末などの日本の市販薬で治りますので、一番小さなサイズを一つ持っていくとよいでしょう。

    ホームステイの食事は、衛生面に配慮して作られているので、まず大丈夫です。またメキシコの家庭では昼食(14〜15時ごろ)が一日で一番豪華です。夜は20〜21時ごろで、パン、サンドイッチ、ハンバンガーなどの軽食です。

  5. 異性

ラテンアメリカの諸国では男性が通りがかりに女性にお世辞を言うのが一つの文化になっています。が、実はそれだけでは留まらず、中には下心を持って近づいてくる男性もいます。喫茶店で同じテーブルに座って少し話をしただけで、「今晩デートどう?」と言われたり、断ってもあとをついてきたりします。嫌だったら、毅然をした態度をとることです。いちばんよいのは、きっぱりとTengo novio en México.(メキシコに彼氏がいるの)と言うことです。これでたいていは大丈夫です。

女性同士で歩いていても同じことが起こります。2人だとつい気が緩んでついて行きたくなるかも知れませんが、くれぐれも慎重に。グループに日本人男性が一人でも混じっていると、声をかけてくる男性はぐっと減ります。この場合には普通に「日本人と友達になりたい」という人がほとんどです。グループで楽しくお話しましょう。

日本人男性もメキシコの魅力的な女性にボーッとならないように。マッチョマンのお父さんが現れて「うちの娘に何してくれるんだ!」なんて言われたら怖いですね。