メキシコで日本語教師として働くカスミさんからの便り
志柿先生(2001.12)
日本は年末の追い込みでしょうね・・・こちらは全く年末という感じがしません少し寂しいです。今日シティにいる後輩(ほとんど友達ですが)と話しました。やはり、シティはとても危険だそうです年末は怖くて日中以外は外に出ないと言ってました。彼女の学校の近くの銀行で人が殺されたばかりだそうです・・・お金をおろしている時に殺されてしまったらしいです。本当に日本は安全な国です。(最近はそうでもないでしょうか?)
メキシコ
6月下旬、大学のゼミの先生から突然「メキシコへ行きませんか」というメールをいただきました。大学を卒業して1年経ち、もともと惰性で入社した会社もそろそろ辞めようかと思っていた時でした。1つ返事で行きますと返事を送り返しました。
詳しい話を先生にお伺いすると、私の大学にメーリングリストができ、そこに流れてきた情報にメキシコからの日本語教師募集が2件あったそうです。そこにゼミの後輩が応募しました。しかし、もちろん行くことが出来るのは一つだけですから、彼女の行かない方の学校に行かないかということでした。
メキシコの先生とメールで連絡をとり、実際に行くことが決まったのは7月の2週目でした。9月からセメスターが始まるので、9月1日に出発して欲しいと言われました。
私が教えてる学校はメキシコ北部にある大学です。そこには3人の日本語教師が(私を含めて)教えております。一人は私の大学の先輩です。1日に到着し、3日からクラスをするという、大変厳しい状況でした。大学で日本語を専攻し、教育実習も行ったものの、実際クラスをするというのは初めてで、他の先生方の協力無しでは出来ないことでした。
教授法は基本的に直説法です。Situational functional japanese (筑波大学)の教科書を使用しておりまして、各課の始めに必ず、その課が終わると何ができる・言えるようになるということを言います。極力教科書を開かない授業をするように言われました。答えを先生が言うのではなく学生から引き出すようにします。そのために、学生が分かりやすいように、沢山の例とシチュエーションを考えます。漢字はただ書き順などを教えるのではなく、学生が覚えやすいように 例えば、「病」は人が寝ている形とかまどで火が燃えてる形を絵に描いたりなどして説明します。病気の人は火が燃えるように熱いので「病」のように教えます。
日本を発つ前にあまり時間が無かったので、スペイン語を全く勉強せずに来てしまいました。今とても困っております。こちらへ来て4ヶ月になりますが、僅かな単語しか分かりません。どうにかなるだろうという考えがありましたが、どうにもならないことに気づきました。外国語は努力、努力ですね。
では、2001年12月29日 メキシコより
志柿先生
よく、シティに日本語関係の仕事で行くことがありまして、タクシー、地下鉄での移動をしておりましたが、これもかなり危険らしく(タクシーが危険なのは知っておりましたが、地下鉄も危険だとは知りませんでした)シティの友達は充分注意をするそうです。こちらでの犯罪というのは、目的が「お金」だということを聞きました。日本のように精神異常の犯罪というのは無いらしいので、わかり易いといえばわかり易い犯罪ですね・・・ただ、実際お金を持っているか持ってないかは関係なく襲われるらしいので、そこは注意ですね・・・でも、先生の行かれるファルコン(ですよね?)は、観光地で日本人も多いと聞きましたので、きっと安全ですね。私の学生に「犯罪学」を履修している学生がおりまして、レイプ絞殺の写真を見せてもらいましたが、なんともヒドイ写真でした。しかも、それが私の隣の町で起こったことだったのでかなりのショックと恐怖でしばらく家を出ることができませんでした あまり、学生が怖がってもとは思うのですが、シティに限らず、暗いところを極力歩かないとか、一人での行動は避けるようにするとか最低限の注意は払って欲しいです。
何かあったときは「空手」のポーズをするといいかもしれません・・・嘘か本当かわかりませんが、メキシコ人は日本人は空手をやっていると思ってる人が多いようです(私も何度か聞かれました)・・・レイプされそうになり、とっさに構えたら、「空手か?」と聞かれ、「そうだ」と言ったら逃げていったという話を聞きました・・・
長くなりました。
失礼いたします。