『アメリカでの体験談』
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高橋真由美南カリフォルニアには多くのメキシコ人が住んでいる。そして、日常生活でスペイン語を耳にする機会も決して珍しくない。アメリカ国内であるにも関わらず、人、音楽、食べ物といった様々なメキシコ文化が確立されているように感じる。そこで、私が実際に体験したことや資料を含めてレポートしたいと思う。私が滞在していた街はカリフォルニア州、エスコンディード(Escondido)という街である。この街の名前、Escondido
自体がスペイン語なのである。そのほかにも、Los AngelesやSan Diegoといった街の名前も同様である。まず、「なぜメキシコ人が多いのか?」という疑問から解決していきたい。それには、「中南米だから」という解答が正しいのではないか。中学、高校の歴史で習ったようにアメリカ合衆国は1777年にわずか13
州で独立した。その後、他国から土地を買収したり、割譲したりし現在の50州に至る。カリフォルニア州といった西アメリカは元々メキシコの領土であった。しかし、1848年、『アメリカ・メキシコ戦争』での平和条約(グアダルーペ・ヒダルゴ条約)で、メキシコはアメリカに、カリフォルニア州、アリゾナ州、ニューメキシコ州、ネバダ州、ユタ州、コロラド州、テキサス州などを明け渡すのと引き換えに1千5百万ドルの補償金を受け取った。そして、それらのメキシコ領がアメリカ領土となった背景がある。そのため、国が変わっても、住んでいる人はそのままであったことにより、現在でもメキシコ人を見かけることも珍しくないのだろう。また、メキシコとの境界線が近く、行き来きも比較的に簡単にできることにより、情報の往来も容易なのではないか。この街では、どこを歩いていてもヒスパニック系の人を見ることは当たり前であった。では、どのくらいの割合でメキシコ人の人口が多いかをEscondidoを例に見てみよう。2000
年の統計によると、Escondidoの人口133,559人のうち約4割の51,693人がヒスパニック系である。その中でも、メキシコ人の割合が一番高く、33.5%の44,725人であった。引用−
censtats.census.gov/data/CA/1600622804.pdf 引用−censtats.census.gov/data/CA/1600622804.pdf次に、どのくらいスペイン語が使われているかということを話したい。私があるディスカウントストアで買い物をし、レジに並んでいたときのことだ。前にいたのはヒスパニックの女性だった。店員の話しかける英語にひたすら首をかしげていた。話の内容は覚えてないが、店員と客の関係から推測すると、難しい話はしないだろう。そして、今度は店員がスペイン語で話しかけると、今まで黙っていたのが嘘のようにペラペラとしゃべり始めたのだ。この差には本当に驚いた。
また、ある日、私がバスに乗ろうとバス停で待っていたときのこと。アメリカのバス停には時刻表というものが存在しない場合も多いため(車内には冊子になって置いてある)、内心不安でバスを待っていた。そこで、同じバスを待つ女性(
50代くらいに見えた)に聞いてみようと思い、英語で話しかけた。しかし、全く通じない。自分の英語力が通じないのだと初めは思っていたが、その女性は英語を話していなかった。周りから見ると、英語で話し、スペイン語で答えているというなんともおかしな光景だったに違いない。しかし、その女性はとても親切なことに、話すスペイン語を私が理解していないと分かり、バッグからペンと紙を取り出した。そして、スペイン語で単語をいくつか書いてくれた。だが、やはり私には理解できず、二人で困っていたという体験がある。アメリカでは第二外国語として、スペイン語を教える学校が多い。その理由は、アメリカにスペイン語を話す人たちが多いからであるのか、または世界で最も多くの人口が使用している言語が中国語に続いて、スペイン語が二番目であるからなのかは分からない。しかし、私たちが英語を学ぶ感覚でスペイン語を習っているのだ。私たちが「Bye-bye」という感じで「Adios!」を使っているのだ。そして、ほとんどのクラスでは「スペイン語」をスペイン語で学んでいる。日常生活で触れる機会も多いせいか馴染みやすいように思う。
私が思うに、アメリカ合衆国での共通語は英語であるため、働くためには英語の能力が不可欠である。しかし、そこで生活するためだけなら英語を知らなくても大丈夫なのではないかと感じた。メキシコ人の家庭にホームスティしていた友達から聞いた話によると、家ではスペイン語、学校など外では英語と使い分けているという家庭もあるという。そのためか、若い年代ではどちらも流暢に話すことができるのだろう。私の体験に述べた女性たちはその上の年代層であったため、スペイン語しか使わないのかもしれない。
下のグラフを見てみると、Escondido内の家庭で英語のみを使っている家庭は6
割強しかないことが分かる。そのほかの家庭の4割は公用語が英語であるのも関わらず、家の中では英語を話していない。おそらく個々の母国語を使用しているのだろう。そして、やはり、ここでもメキシコの公用語であるスペイン語が高い割合を示した。引用−
censtats.census.gov/data/CA/1600622804.pdf次に、食べ物の例を挙げたいと思う。とにかく、メキシコ料理は多い。写真の(1)(2)はSanDiego
にあるメキシコ料理店の食事である。メキシコ料理には豆を使った料理が多く、味は個人の好みによると思う。写真の料理はかなりのボリュームがあり、全部を食べきることは無理だった。また、大抵のレストランにはタコスやブリトーなどのメニューが用意されている。そして、ハンバーガーやピザのようにメキシコ料理のファーストフード店『Taco Bell』もあり、気軽に食べることもできる(写真(3)(4))。『Taco Bell』はチワワのマスコットで、中南米ではとてもメジャーなファーストフード店である。(1)
タコス(2)
ブリトー(3)Taco Bell
のビーフブリトーとメキシカンナゲット注
) 普通は写真の上のように包んである。下は中身を見せるために広げたもの。(4)Taco Bellのビーフタコ
このように、様々な点でメキシコの文化が現在のアメリカと結びついていると言える。以上の報告は私が体験したことであり、そのほかにも多くの接点があるに違いないだろう。また、アメリカはスペイン語に限らず、多種多様な言語や文化が入り混じっているように思う。そこに、大陸の広大さを実感した。
<インターネット資料編>
人口についての統計
http://censtats.census.gov/data/CA/1600622804.pdf・・・ひたすら数字
http://www.fairus.org/html/msas/042caesc.htm・・・Escondidoの現状
ロサンゼルス街歩き情報
http://www.pref.shizuoka.jp/syoukou/syo-119/america/town.information/106_LA/112usalainfo.htm
歴史
http://home.san.rr.com/gdolboysdg/jborder.htm・・・サン・ディエゴの歴史
http://www.sqr.or.jp/usr/akito-y/kindai/87-usa2.html・・・アメリカの歴史の発展
『Taco Bell』
http://www.csh.rit.edu/~gentry/TBNet/・・・「Taco
Bell」のHP
http://www.everwonder.com/david/tacobelldog.html・・・チワワの声での"Yo
quiero taco bell"やいろんな画像がいっぱいの楽しいHP!