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スペイン短期留学 A.S.からの報告

2004/2/14 〜 3/9 まで 25 日間

行くまでの経緯

名目は卒業旅行でした。友達を誘っていくつもりだったのですが、スペインに行きたいという人がいなくて、結局一人で行くことになりました。三宅先生にいただいたパンフレットの中から、安くて面白そうなところを選んで、斡旋会社に連絡をしました。

私が選んだのは、セビージャにあるクリックという学校です。

3 週間で、飛行機代、授業代、ホストファミリー代、保険、往復の空港からホストファミリーの家までの送迎、もろもろで、 250,000 円くらいでした。( 1 ユーロ 145 円換算。高かったー)

ぎりぎりまでどうやって行くか決まっていなかったので、斡旋会社に頼んだので 50,000 円斡旋費が余分にかかってしまいました。現地で友達になった日本人は、その分 5,000 円くらいしかかからなかったと言っていたので、早めの準備が大切だと思います。

 個人の保険も空港で 7500 円くらいのに入りました。行きの飛行機でトランクが壊れてしまい、日本に帰ってきてから直してもらったので、やはり入っていて良かったです。どんなに小さいものでも、入っていたほうが良いと思います。安心感が違います。

セビージャでの生活

 私がお世話になったホストファミリーは、スペインに来てまだ半年くらいのお母さんとお父さんと 3 歳の男の子の家でした。お母さんがイギリス人で、お父さんがペルー人だったので、二人ともスペイン語も英語も話せました。スペイン語を勉強したい人には、スペイン人の家族にどっぷり使って生活するのが良いと思いますが、私は家族と楽しく仲良く過ごしたいと思っていたので、二人とも英語が話せるのはラッキーでした。宿題を手伝ってもらったとき以外は、ほとんど英語でした。学校の友達の中には、ホストファミリーがビジネスになっていて、部屋を借りているだけでほとんど顔を合わせなかったという人もいたのですが、私はほとんど毎日家族と一緒にご飯を食べたり、週末に旅行に行ったりできたので、本当にラッキーでした。実際、学校よりもホストファミリーと過ごしているほうが楽しかったです。

 授業はいくつかのコースに分かれていて、私は超初心者コースを選びました。一日 90 分の授業が 2 回です。アルファベットから始まって、英語で言う 5W1H や、前置詞などをやりました。授業中はすべてスペイン語だったので、正直、苦しかったです。最後の週は、旅行に行きたいということもあって、個人レッスンに切り替えました。 1 週間で 90 分が 3 回だけになってしまいましたが、 2 週間分の復習をしたので、まあ、良かったと思います。

 授業のほかに、週に何度か郊外学習のイベントがありました。私が参加したのは、セビージャの文化遺産めぐり(無料)、フラメンコ観賞( 1500 円くらい)、コルドバ日帰り旅行( 5000 円くらい)、グラナダ一泊旅行( 12000 円くらい)などです。そのほかに、毎週決まった曜日にスペイン語の発音練習や、フラメンコの授業など、かなりいろいろなものがありました。格安で参加できるので、手当たり次第受けてみてもいいかもしれません。

ヘレス

 そのほか旅行には、向こうで知り合った日本人の友達(外人の友達は結局できませんでした)と、ヘレスに行きました(往復 3,000 円)。特産のワインを飲みに、ワイン工場へ行ったのですが、残念ながらお休みで、近くのレストランでご飯を食べました。のんびりした町で、なかなかよかったです。けれどものすごい雨に降られた上に道に迷って、悲惨な思いもしました。

カディス

 ホストファミリーとは、カディスに行きました。ちょうどパレードをやっている時で、町中がお祭り騒ぎでした。海に面した町で、天気もとてもよくて、絵葉書みたいな町でした。ホストファザーも「引っ越すならここだ!」と言い切っていました。パレードも、子供から大人までわけのわからない変装をして、紙ふぶきを撒き散らしまくって、お酒を飲みまくって、すごい迫力でした。あの汚れた町を誰が片付けるのか、とても気になりました。カディスはかなりおすすめです。

マドリッド・トレド

2 週目の休みに、一人でマドリッドに行きました。日帰りにしようと思っていたのですが、日本で言う新幹線(結構高くて、片道 9000 円くらい)の日帰りがなくて、どうしても一泊しなければいけないことがわかってあきらめようとしていたら、バックパック旅行をしていた日本人の女の子に声をかけられて、結局その子と一緒にマドリッドとトレドに行きました。マドリッドではプラド美術館やソフィア王妃芸術センターに行って、芸術を堪能しました。ピカソのゲルニカなんかはかなり見ごたえがありました。マドリッドのユースホステル(一泊朝食つき 1500 円くらい)に泊まって、次の日トレドに行きました(たしか、往復 4,000 円くらいの電車でした)。トレドは景色と空気が最高でした。ぶらぶら町並みを散策したあと、一緒にいた子はマドリッドの別の美術館に行きたいということで、別れました。私は有名なトレドの風景(町の向かい側から見るトレドの全景)を見るために、バスを待つことにしました。そこで、イラク人のおじさん3人と知り合いになって、トレドの大聖教と、トレドの全景が見られるところへ行きました。三人ともとてもいい人で、良い出会いができたと思っています。トレドの風景はすばらしかったです。けれど、それを見た場所が、そのおじさんたちが泊まるらしいやたら高級なホテルだったので、私だけかなり場違いな感じでした。

グラナダ

 アルハンブラ宮殿を志垣先生にすすめられていたので、最後の週に、一人でグラナダに行きました。セビージャから往復で 3,000 円、片道 3 時間くらいのバスでした。バス到着駅からアルハンブラ宮殿までは市バスに乗ったのですが、ほとんど観光客だったので、迷うことはないと思います。アルハンブラ宮殿は、広大な土地に古い古い建物がたくさんあって、見ごたえがありました。一度は行くべきだと思います。本当は夜景も見たかったのですが、日帰りの強行旅行だったので、残念ながらあきらめました。

バルセロナ

語学学校の 3 週間とは別に、最後に 3 日間時間をとって、バルセロナに行きました。 2 日分のホテル代(一泊 13,000 円くらい)と、セビージャからバルセロナまでの飛行機代( 7,000 円)が余分にかかりました。

 バルセロナではガウディ建築、ピカソ美術館、近代美術館、グエル公園など、かなりがんばっていろいろ見ました。それでも全部は見られなかったので、バルセロナには 5 日くらいかけてもいいかもしれません。

 全部の旅行を通して

スペインは思っていたよりも安全でした。本当に本当に良い人たちばかりでした。私はウソじゃなく 30 回くらい道を尋ねたのですが、一度も断られませんでした。きちんと立ち止まって、一緒に地図を見て、必要であれば紙に書いて説明もしてくれました。レストランなどでもとても親切で、思いやりのある人たちばかりでした。それでも、一人で大きい都市を旅行したときは、細い路地には入らない、夜 7 時にはホテルに入る、地下鉄では旅行者のそばを歩く、こまめに後ろを振り返る、など、防犯にはかなり気をつけました。一緒にマドリッドを旅行した子は、バルセロナで首絞めにあったそうです。首に紫色のあざができていました。どんなに大勢で行っても、防犯の意識はいつも持っていたほうがいいと思います。経済面ではユーロが高い時に行ったので、かなり苦しかったです。 1.5 倍の買い物をした感じでした。交通は、バスが便利でした。どこまで乗っても 200 円の回数券をホストファミリーがくれたので、近場はいろいろ見て回ることができました。バスの運転手さんも、停留所を聞いたときにバスを止めて説明してくれたりして、考えてみるととてつもなく親切だったと思います。

異文化に触れることは、身体全部が刺激されるのでとてもおすすめです。絶対に学生のうちに一度は行くべきです。自分一人でできることと、一人ではできないことがとてもよくわかります。そして出会いがあります。その一瞬を楽しむ、という生きるうえで大切な能力が成長します。ぜひぜひ行って見てください。

ちなみに私は総費用 400,000 円を親に借金して、今月( 11 月)の給料まで返し続けました。ようやく終わった。よかった。