ウィスキー

WHISKY

 

制作年度 : 2004年

上映時間 : 94分

監督 : ファン・パブロ・レベージャ

出演 : アンドレス・パソス、ミレージャ・パスクアル、ホルヘ・ボラーニ

学生  A・O (2009)

あらすじ

 ウルグアイの町工場の靴下工場をハコボは営んでいる。ハコボは、一年前に死んだ母がいたが、墓石を立ててはいなかった。そこで、一年遅れで墓石建立式を行うため、ブラジルに住む弟のエルマンを呼ぶ。その時、ハコボは工場で働いている従業員のマルタに2,3日だけ弟が滞在している間だけ妻のフリをするように頼み、了解を得る。墓石建立式が終わったが、弟から旅行に誘われたことをきっかけに、旅行に出かける。旅行でゲームをしたことがきっかけで、徐々に話すようになっていく。

感想

 私は映画を見て、ハコボと弟は正反対な存在であると感じた。それは、無口なハコボと陽気な弟はそれぞれ違った生き方をしているからだ。そして、二人はお互いがお互いにコンプレックスを感じているという感想を持った。また、一人で生きていくことの孤独感ということが映像からとても現れているという印象も持った。私は、このような設定の話では最終的に二人が思い合うようになるということを想像していたが、そのような恋愛感情を題材とした話というよりは、一人の人間の生き方のようなことが描かれているのではないかと思った。

 勧める点は、あらすじから得られた情報から自分が考えたストーリーの展開とはまったく違う結末や展開が起こることではないかと感じる。また、登場人物や行為の説明などというものがあまりなく、自分で少ない言葉の中から登場人物の心理や考えを考えるため、登場人物の行動や言葉、表情などを判断して、ストーリーや設定を読み込むことができるため、飽きが来ない。また、ストーリーの展開も早く、次々と話の内容があるため、見逃すと次の展開がなぜ起こったのかわからなくなる恐れがあるが、続きが気になるストーリー展開なのだと感じるため、その点もお勧めしたい。

 この映画を見ると先ほども述べたように、孤独についてとても考えさせられる。今は家族と生活しているが、将来は一人暮らしをすることもある。そのときに一人でいることの孤独を感じ、この映画のことを思い出すと思った。内容的に難しいと思う部分があったが、この映画を見てとても考えさせられ、内容的にものめりこむことができる、面白い作品だと思った。

 

学生  Y・S (2009)

感想

 今回私が見た映画は、「ウィスキー」という映画です。

 靴下工場を経営する1人の初老の男性が、突然来訪することになった弟への見栄から助手として働く中年女性と偽装結婚を図るという人間ドラマです。タイトルの「ウィスキー」とは写真を撮るときに言う「チーズ」と同じ意味で使われています。笑える状況じゃなくてもこの言葉で笑顔になるという、まさに偽装された幸せについての映画です。

 始終静かに話が続いていく、人によっては退屈だと感じる映画かもしれません。偽装された幸せの中に多々寂しさを感じるシーンが盛り込まれ、決してハッピーエンドで終わる話ではないので、苦手だと感じる方も多いのではと感じました。

 

学生  K・M (2009)

感想

 私は、ウィスキーという映画をみました。この映画は2004年東京国際映画祭 グランプリ・主演女優賞、2004年カンヌ国際映画祭オリジナル視点賞・国際批評家連盟賞を受賞した作品です。

 この映画には、毎日規則的で同じような日々を過ごしていた小さな靴下工場を営むハコボ、その工場で働く真面目だけが取り柄のマルタ、ブラジルで同じ靴下工場を営んで成功しているハコボの弟エルマンが登場しています。ハコボは一年前に死んでしまった母親の墓石建立式の為に、エルマンをブラジルからウルグアイに呼び寄せます。その際に、マルタに自分の妻役をしてくれと頼みます。お互いのことを全くといっていいほど知らない二人の偽装夫婦生活のために二人の写真を撮ることになります。カメラマンの「ウィスキー」のかけ声に合わせて作り笑いをする中年の男女の表情が何ともいえませんでした。「ウィスキー」というのは日本でいう「はい、チーズ」のことです。

 母親の墓石建立式はなんとかうまくやり過ごしたものの、エルマンはその後、旅行に行こうと言い出します。断るハコボもブラジル仕込みの陽気なエルマンに押されきってしまいます。その旅の中での3人のキャラクターが全面に出始めます。無口でも負けず嫌いなハコボ。真面目だけが取り柄だったマルタが徐々に変わっていくのも見物でした。最後は、よくわからなかったけれど、エルマンから、母親の件に対しての謝礼をカジノで増やしてマルタにその大半を謝礼として払うというものでした。いつも、工場にハコボより早く来て待っていたマルタは旅の後工場を無断欠勤して、真面目とはかけ離れてしまう変貌を遂げます。

 台詞が少なく沈黙が多いのにカメラも動きがなくてとても地味な映画だったけれど、映画の世界観に引き込まれるようなそんな映画でした。