学生 A・O (2009)
あらすじ
ウルグアイの町工場の靴下工場をハコボは営んでいる。ハコボは、一年前に死んだ母がいたが、墓石を立ててはいなかった。そこで、一年遅れで墓石建立式を行うため、ブラジルに住む弟のエルマンを呼ぶ。その時、ハコボは工場で働いている従業員のマルタに2,3日だけ弟が滞在している間だけ妻のフリをするように頼み、了解を得る。墓石建立式が終わったが、弟から旅行に誘われたことをきっかけに、旅行に出かける。旅行でゲームをしたことがきっかけで、徐々に話すようになっていく。
感想
私は映画を見て、ハコボと弟は正反対な存在であると感じた。それは、無口なハコボと陽気な弟はそれぞれ違った生き方をしているからだ。そして、二人はお互いがお互いにコンプレックスを感じているという感想を持った。また、一人で生きていくことの孤独感ということが映像からとても現れているという印象も持った。私は、このような設定の話では最終的に二人が思い合うようになるということを想像していたが、そのような恋愛感情を題材とした話というよりは、一人の人間の生き方のようなことが描かれているのではないかと思った。
勧める点は、あらすじから得られた情報から自分が考えたストーリーの展開とはまったく違う結末や展開が起こることではないかと感じる。また、登場人物や行為の説明などというものがあまりなく、自分で少ない言葉の中から登場人物の心理や考えを考えるため、登場人物の行動や言葉、表情などを判断して、ストーリーや設定を読み込むことができるため、飽きが来ない。また、ストーリーの展開も早く、次々と話の内容があるため、見逃すと次の展開がなぜ起こったのかわからなくなる恐れがあるが、続きが気になるストーリー展開なのだと感じるため、その点もお勧めしたい。
この映画を見ると先ほども述べたように、孤独についてとても考えさせられる。今は家族と生活しているが、将来は一人暮らしをすることもある。そのときに一人でいることの孤独を感じ、この映画のことを思い出すと思った。内容的に難しいと思う部分があったが、この映画を見てとても考えさせられ、内容的にものめりこむことができる、面白い作品だと思った。