バイオクライシス

THE DARK HOUR

 

制作年度 : 2006年

上映時間 : 92分

監督 :エリオ・キロガ

出演 :ホルヘ・カサルディエロ、ナディア・デ・サンチェゴ

学生 N・K (2011)

あらすじ

 外はゾンビだらけの世界。核兵器、細菌兵器から守るためにつくられた古い軍事施設の地下シェルターで幽閉された日常を送ることになった人々。ウイルス汚染によってほぼ壊滅状態になった地球が舞台だ。ウイルスによってゾンビ化した怪物たちは触れるだけで感染してしまう。そんな謎の生物に怯えながら陰鬱な生活を過ごす日々。夜に出てくる謎の怪物インビジブル、異常な気象に疲労がうかがえる。彼らの中には10歳にも満たない子供がいる。大人たちは彼に希望のない真実を教えまいと隠し通そうとする。 しかしそんな生活にも限界がある。自ら戦おうと団結した人々がとった行動、結末は彼らと戦い自分の居場所を取り戻すこと。勇気を持ってシェルターの外に出た地球は最悪の状況だった。密閉空間ホラー。

感想

 パッケージデザインをみるといかにも、と言ったゾンビとの戦闘シーンやタイトルからも有名なバイオハザードを彷彿させますが全くの別物です。ゾンビとの格闘やスリルを求めている人にはお勧めできません。私も期待していただけに、後半のゾンビらしき人物がうろついているワンシーンと最後だけの登場にがっかりしました。怪物CGの演出がありますがかなりとってつけた感があり、基本はシューマンドラマのようなものです。時間の大半はシェルター内の男女10人の昼ドラ展開が待っています。男女だけでなく、同姓ともくっついたりするところは海外らしいシナリオでした。 展開の速度もひどく遅いです。10歳にも満たない主人公の目線でどんどん絶望の現状を知る、といった展開ですが大人は子供に戦争をしているから外に出るなと嘘をつきます。そのため始終疑問が増え、ゾンビの存在も明確にされないまま最後まで謎は謎のままですっきりしません。危機的な状況の割には意外とゆったりした空気がゾンビの緊迫感を台無しにしているのと、細菌兵器のせいで凶暴化した人間は噛み付いてくるわけもなくただ襲ってくる。触れるだけで感染するのでバイオハザードの印象がぬけない人にとってはゾンビとは思えない生物にみえて残念な要素が多すぎました。 見所は最後のシーンで、シェルターの防壁から脱出した人々に待っていたのは案の定絶望だけですが、彼らがみたのは地球。つまり地球ではない似ただけの舞台だったという逸脱したオチでした。想像できない急展開が逆に良かったんじゃないかなと思います。