ダック・シーズン
TEMPOPADA DE PATOS
学生 I・K
ダックシーズンは、留守にしている二人の子供と偶然にも出くわした隣の部屋の娘とピザの配達人の間で起きる物語である。メキシコを舞台としており、私にとっては初めて見る白黒映画であった。 Web で調べると、メキシコのアカデミー賞で主要11部門を総なめした優れた作品ということがわかった。本レポートでは、前半、中盤、後半の3つに部分分けし、それぞれで概要とレビューを紹介したい。
主人公である二人の親友同士の子供は、ひとりの子供の家の留守を頼まれる。親がいなくなってからゲームを始める。ゲームに夢中になっていると部屋のベルが鳴り、隣の娘がオーブンを貸してほしいと訪ねてくる。そして、彼女を部屋にいれ、再びゲームを楽しんでいると突然停電が起きた。暇な二人はピザの宅配を頼み、ピザの宅配人がやってくるが二人は配達が遅いという理由で支払いを拒む、一方でピザの宅配人は代金を払うまで居座るという。しかしながら、らちが明かないため、サッカーのビデオゲームで勝負を決めようと子供たちが提案し、配達人も了承する。ゲームは五分五分のまま延長戦へ突入し、子供がシュートを決めそうになった瞬間に、再び停電が起き、勝負が決まらず宅配人はまだ居座る。
以上が前半部分であった。二人で過ごす楽しい日曜日だったのに、隣人とピザの宅配人が加わり、これから楽しい出来事が起こるのではないかと期待させられた。
中盤では、隣の娘がオーブンでの料理に失敗する。彼女はタイマーをうまくセットしなかった子供のせいにし、もう一度作るから手伝いをしろという。しかし、またしても失敗し、違う料理を作るという。違う料理をする前に、なぜか二人はキスをする。子供にとっては初めてのキスであった。一方で、もう一人の子供と宅配人は、子供がしょうがなくお金を払うが態度が悪く、宅配人が怒ってしまう。宅配人は怒った勢いで子供を押してしまい、子供は怪我をする。それを悪く思った宅配人は、子供に謝ろうと自分の話をし、子供と仲直りする。
以上が中盤である。中盤は、私にとっては理解しがたい展開となった。なぜオーブンを借りにきた隣人が、こんなに図々しいことができるのか、そしてなぜキスするのか、私は理解に苦しんだ。
後半では、娘が作ったケーキを4人で食べるが、そのケーキにはマリファナが混ざっており、4人は気分が高揚し意味不明な行動を繰り返す。そのなかでアルバムを見つける。写真には、一方の子供の幼少時代の写真が写っているが、赤毛の彼の親と親類には赤毛の人はいないという。すなわち、彼は養子としてこの家に来たということだ。彼は本当の親に会いに行くという。しかし、配達人の体が動かず配達人は風呂に入る。そして再びリビングに戻ってくると、カモがとびだっている絵を見つける。配達人はカモはなぜ V 字で編隊するのかについて子供たちに説く。そして、エンディングを迎える。
以上が、後半部分である。後半部分はあまりにも話しが混沌しすぎてあまりよく覚えていない。これは映画監督がマリファナを使っている4人を表現するためなのでないかと思う。
これらを総評すると、本作品は前半の導入部分はこれからなにが起きるのだろうという期待感があふれるが、話が進むにつれて難解なストーリーとなった。カモ(ダック)の季節と題されるダックシーズンの意味を理解することはできなかった。