TANGO

(計9件の学生の感想)

時間:116

製作国:スペイン・アルゼンチン合作

監督:カルロス・サウラ

出演:ミゲル・アンヘル・ソラ、セシリア・ナロバ

配給会社:日本ヘラルド映画株式会社、ポニーキャニオン、TBS

 

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学生 A・S

推薦度:★★★☆☆

あらすじ

主人公マリオは映画監督で、タンゴ映画を撮影しようとしている。彼は二年間一緒に暮らしたダンサーの恋人ラウラと別れたばかりで、傷心な日々を過ごしていた。そんな中映画のスポンサーに、彼の若く美しい恋人エレーナを、ダンサーとして採用するように頼まれる。マリオは、彼女の踊りに魅せられ、主役に抜擢する。彼女に惹かれていくマリオだが、彼女のパトロンはマフィアであった・・・。二人の危険な恋が、官能的なタンゴの調べにのせて、虚実交錯していく。

お勧めどころ

この『TANGO』は、『カルメン』、『カラスの飼育』、『血の婚礼』などで知られるスペインの巨匠、カルロス・サウラ監督の最新作である。この作品は映画の中で、主人公マリオがタンゴ映画を製作していくという設定だが、そのタンゴ映画が本格的なもので、それがこの作品の核であり、一番の見所である。タンゴのシーンに流れるタンゴミュージックも聞き応えがある。目と耳を同時に楽しませてくれる作品だ。マリオの実生活や思考が、彼の作る映画と虚実交錯していくが、その繋ぎが劇的で美しい。言うまでもなく、純粋にタンゴシーンだけでも、見ごたえがある。撮影はビットリオ・ストラーロで、この作品で第五十一回カンヌ映画祭の技術部門で、グランプリを受賞している。音楽はラロ・シフロンである。

お勧めできないところ

視覚・聴覚を楽しませるにはうってつけの作品である事にかわりないが、それだけ映像・音楽・タンゴシーンに頼りすぎている観があるのは否めない。そして、ストーリーが単調で、タンゴのシーンが大方を占めているため、間延びしているような感じさえする。だから、美術雑誌を眺める感覚で楽しむと、心を大きく満たせるが、小説を読む感覚で見入ると、退屈さが先行してしまう。映画とは、この二つが共存しているべきである。一方に片寄ったこの映画は、★四つ以上をつけることはできない。

 

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学生 E・S

推薦度:★☆☆☆☆

あらすじ

主人公のマリオは、舞台演出家。しょっぱなから女に振られる。それからみづからがてがける舞台の主演ダンサーと結ばれる。しかし、彼女のパトロンだった男は、舞台の権力者。美しく優雅な踊りで、人の心を潤すはずのタンゴだが、彼のつくりあげた舞台は、戦争という過去をほりかえし生生しいまでに表現したものだった。舞台の後援者たちの反感を買う。しかし最後には、過去に固執するだけの暗い、恐怖にみちた舞台ではなく、すばらしい舞台をつくりあげ、共感を得る。舞台の最後はちょっとハラハラドキドキさせられてしまう。最後は、マリオと女のハッピーエンドなのか?よくわからない。

感想

かなり退屈で意味不明で、見るのが苦痛だった。でも、分かる単語がでてくるとうれしいので、最後までがんばって見た。あまりの意味不明さと内容の暗さのため、だんだん気分が悪くなってきた。けっこう長い映画で、最後までみたらわかるかなあ、と思ったけど最後まで見ても、やっぱりわからなかった。ハッピーエンドなのか、涙の結末かすら、区別できなかった。

お勧めどころ

ダンス(タンゴ)がたくさんみることができる。半分近くが舞台シーンなので、ダンス好きな人や競技舞踏部のみなさまには楽しめると思うけど、映画の内容を楽しいと思うかどうかというのとは別。愛とか、人生とかいった、重いテーマと、戦争に対する訴えかけも根底にあるみたいなので、いろいろ考えさせられる。ちょっとこわい。セリフは少ないけど、その分一言一言が重いので、けっこうちょっとしたセリフなんかには、思うところがある。

お勧めできないところ

どこまでが現実で、どこまでが空想で、どこまでが舞台の上の話なのかが分からない。ダンス嫌いの人には、見るのも苦痛。退屈。いったい何をいいたいのかわからないまま。主人公である、ミュ−ジカルの演出家、マリオのタンゴにかける想いなのか、恋愛がテーマなのか、人生がテーマなのか、理解できない。同じような顔の人がでてきて、区別できない。ちょっとこわい。

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学生 M・A

推薦度:★★☆☆☆

あらすじ

主人公の男性(ミュージカルの舞台監督)がタンゴを,中心とした舞台を作り上げる.同時に主演の女性と恋に落ちることで失恋したばかりの彼の心がいやされていく。そんなお話です。おそらく。

お勧めどころ

タンゴの踊りの美しさに魅かれます.踊り手さんを見てると,不思議と自分も踊れるような気がしてきます。

 

お勧めできないところ

映画のストーリーが理解し辛いです.でも,情熱だけは伝わってきます。

 

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学生 S・T

推薦度:★★★☆☆

あらすじ

一人の舞台演出家に焦点を当て、その苦悩と複雑な人間関係を如実に表した作品です。その苦悩の中にも一人の女性ダンサーと恋に落ちるという幸せがあり、そんな幸せの中舞台上で一人の男性に嫉妬から女性を殺されてしまいます。その悲しみの中彼は、作品を作り上げ大きな犠牲を引き換えに、一つの作品を手に入れるという映画です。

お勧めどころ

この時僕はこの作品の主題がここにあるような気がしました。

お勧めできないところ

ということでしょうか。僕もまたしかりダンスの知識など無いので、退屈は感じました。

考察

ここで僕はこの映画における最も重要なポイントを挙げてこの映画の伝えたかったことを述べようと思います。先にも述べたように、虐殺のシーン、そこにこそ僕は監督が伝えたかったことがあると思います。そこでスポンサーや評論家らしき人たちは、そのシーンを否定します。自分たちの忘れたい過去を掘り起こすのは気分が悪いといいます。しかし主人公は、またそれを否定過去は拭い去れないものであり、この演出にこそ真実が表れる物であると主張します。様々な反戦映画は世の中にありますが、タンゴの舞台という形式で反戦を主張する映画はこの映画くらいでしょう。またタンゴで主張するからこそ、虐殺の悲鳴をタンゴで消しているんだというリアルでかつ人間の本能に訴えかける主張ができるのでしょう。結局この映画の主張は反戦であり、僕もまた新しい反戦の主張の形を感じました。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

学生 K・H

推薦度:★★★☆☆

あらすじ

タンゴをテーマに新作撮影に取り組む演出家のマリオは、妻である主役ダンサーが自分の元を去り絶望的な気分。そんなある日、美しく有能な新人ダンサ?と恋に墜ちるが、彼女は映画のスポンサーの愛人だった。

お勧めどころ

美しい音楽から始まるこの映画は、それが指し示すように約8割が音楽と踊り(タンゴ)によって構成されている。そのため抽象的な描写が多く、日頃からストーリー展開の速い映画を見慣れている人にとっては眠くなる映画であろう。しかしタンゴについて全く無知な僕にとっても、それが持つ情熱や官能は魅力的に感じられた。興味のある人にとっては必見の映画といえる。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

学生 S・A

推薦度:★★☆☆☆

あらすじ

舞台演出家のマリオは演出家としてはとても成功していたが、あるタンゴダンサーとの恋愛が破局してしまい、打ちひしがれていた。まだそのダンサーへの未練が残っていたある日、自分の手がけている舞台のスポンサーの推薦で若い魅力的なダンサーを起用することになる。マリオははじめのうちこそなにも感じなかったが、いろいろな係わり合いを持つうちにだんだんと引かれはじめていく。そして過去の恋愛の痛手から立ち直ることになるのであるが…。

感想

この映画を見て一番最初に思ったことは、展開がすごくゆっくりしているということである。「ダンサー」という映画名になっているだけあって、物語のいたるところにマリオが手がけている舞台の製作過程がでてきて、その舞台のダンスが踊られるのであるが、その部分がかなりの長さではいっているためそこで物語の展開が中断されてしまっているのではないかと感じたからだ。ただダンス自体はとてもすばらしいものなので、これだけでも見る価値はあると思う。また、競技舞踏部に所属するなど、ダンスのいろいろな知識をもっている人の方がより楽しめると思う。(そのくらいダンスの部分が長い)マリオの舞台のダンスは、この映画に取りこまれているようにとぎれとぎれに見るのではなく、それ自体で一つの映画として見たほうが良いのではないかと感じた。ただダンスの部分にいろいろな意味が含まれているから、このように長くなっているのだとも思う。ダンスに含まれている意味がわかるようになればもっと面白く見ることができるのではないだろうか。

また、映画のなかで話されているスペイン語と日本語訳を比べてみると、この表現はスペイン語でこう言うのか! という発見がたくさんあって楽しいと思う。すべてのスペイン語が聞き取れるようになったらまた違う面白さも味わえるかもしれない。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

学生 R・T

推薦度:★★☆☆☆

あらすじ

ストーリと呼べるほどのストーリーはない。年老いた舞台監督と若手のタンゴダンサーがミュージカルを完成させてゆくなかで愛し合うようになる。全体の半分以上がダンスシーンでストーリーはつけたし程度。

お勧めできないところ

 タンゴとかダンスに興味がある人なら楽しく見れるかも,つまり興味がない人にはお勧めできない。

 

   

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

学生 K・C

推薦度:★★★☆☆

あらすじ

女5人が支え合い逞しく生きる。エイズに感染した妊婦、男であることを否定する娼婦、息子を事故で亡くしたシングルマザー、エイズの孫が抱けない老女女しか愛せない女優、境遇は暗いが友情を育み再生していく。 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

学生 K・S
推薦度:★★☆☆☆

あらすじ

絶望の淵にさしかかった男が、1人の若き美人ダンサーとの出会いを通して若き日の鋭気と才能を呼び戻し、大衆に迎合しない情熱的な映画作りに再びのめり込んでいく姿を描く。監督はスペイン映画界屈指の巨匠と呼ばれている(らしい)カルロス・サウラとその他豪華キャスティングで製作されたこの映画は、第51回カンヌ国際映画祭高等技術グランプリを受賞した有名な作品である。(らしい)

 かつてはそれなりの実績を残した映画演出家マリオは年をとるに連れ攻守ともに零落しつつある生活を送っていた。そんな中マフィアをパトロンに持つ才気あふれるタンゴダンサーのエレーナが彼の新作映画に急遽抜擢され、彼女の魅惑的なダンスに心ひかれていく。エレーナへの愛の灯火が膨らむに連れ忘れかけていた若き日の演出家たる本分と自分の中での激しい欲望を再び燃え上がらせたマリオは、決して当世風とは言えないハードなタンゴや、軍事政権を痛烈に風刺したタンゴを果敢に映画の中に取り入れることで、人間として、また男としての自分を映画に体現しようとする。そしてそんな彼のひたむきな演出への情熱と自分への愛情に、エレーナもまた心ひかれ始める。マフィアのパトロンとの危険な愛の争奪やジェラシーの行方も気になるところだが、1本の映画製作の過程でマリオは何をぶつけたかったのか、またエレーナとの出会いを通して彼は人間的にどう変わっていったのかを探るのがこの作品の見所であろう。所々ひやりとする場面もあるが最後は以外とすんなり終わりなんだという印象を受けるかもしれないが、結局この作品ではマリオという1人の男の、というよりかは映画制作者の映画やスペインの芸術たるタンゴにかける人間の情熱を視聴者に伝えたかったのではないだろうか。そういった意味でこの映画はラブ・ロマンスと言うより、男のロマンと行った一面を伺える作品である。

お勧めどころ

 タイトルがタンゴというだけあって本編の随所でタンゴのシーンが見られる。素人目から見てもダンサーの技術は大変優れ、内容もセンタータやダブル・フック、パラーダ、ギレオなど専門的な用語が飛び出し充実している。他にもタンゴを陰で支える様々な楽器(ピアノ、アコーディオン、バイオリン、ギター)の卓越した演奏のシーンも見逃せない。

 マリオにしてもそうだが、本作品の中ではこういった楽器演奏者やタンゴダンサーは中年から初老にかけての人物を多く採用し、年老いてもなおかつての情熱を忘れずひたむきに自分の好きな物に対して熱いパトスを注いでいく彼等の気概には心動かされるものがある。

 若い頃に軍事政権の弾圧を逃れて他国へ移住し、祖国へ帰ってみると友人が全て消えていたという悲しい過去を持つマリオはその怒りと憎しみ、そして軍国主義に対する激しい批判を込めたタンゴを彼の映画の中に取り入れ、それを見事に表現した。その斬新なタンゴのシーンにはタンゴに見慣れた人、またそうでない人もきっと感銘を受けるのではないだろうか。‘人はいかにして生きるべきか’‘過去を忘れて未来を描くことは出来るのか’‘過去は決して消えない、また再び繰り返す過去を否定する動きも繰り返して起こるんだ’というマリオの作品に与えられたテーマからも分かるとおり、この作品は単なる洋画ラブストーリーではなく、人間の進むべき道をある意味哲学的観点からとらえようとする国家論をも滲ませた秀逸した作品である。

お勧めできないところ

 上述のように本編の約半分はと思うほどタンゴのシーンが多く、どう顔張ってもタンゴが嫌いな人や、暇な映画が嫌いな人には不向きである。また、ストーリー自体も非情にテンポが遅く展開も余り無く、結末も特にこれといった感動的なオチを用意していないので激しいリズミカルな映画を好む人には勧められない。とは言えこの作品はもともとストーリー性よりも芸術性や人間の内情にフォーカスしているのでそこは理解した上で鑑賞すべきである。