学生 A・N (2007)
感想
映画『旅するジーンズと16歳の夏?トラベリング・パンツ?』を観てこの『旅するジーンズと16歳の夏?トラベリング・パンツ?』は全米でベストセラーとなった小説、「トラベリング・パンツ」を映画化したものです。この映画は16歳である4人の主人公それぞれの4通りの物語が同時進行の形で展開していきます。そしてアメリカだけでなく、メキシコ、ギリシャと、4人の主人公の物語がそれぞれ異なった場所で繰り広げられていたため、トリコロールに燃えてのレポート同様、スペイン語圏であるメキシコ一国だけではなく、各地域との比較をすることができたため、この映画をレポートの題材として選択しました。
この物語の主人公は自由奔放なブリジット、引っ込み思案なリーナ、物事に否定的なティビー、そして感情豊かなカルメンの4人の少女たちです。彼女たちは生まれてから今までずっと一緒に過ごしてきましたが、16歳の夏、初めて別々の場所で過ごすことになりました。それぞれの夏休みに向けて出発する前日、4人はある服屋で身長も足の長さも違う4人全員に合うという、不思議なジーンズを発見します。彼女たちはそのジーンズが「何か不思議な力を与えてくれるはず」と信じ、離れ離れの夏休みの間、その1本のジーンズを順番に回し履きすることに決めたのでした。 自由奔放なブリジットは昔から運動神経がよく、陸上競技やスポーツを得意としていました。この夏休みもサッカー合宿に参加するのですが、その舞台がメキシコとなっています。ここでの映像はすべてどこかオレンジがかっていて、メキシコの暑い太陽が照る様子と、湿気が少なく乾燥しているカラッとした空気の様子を受け取ることができました。ブリジットが夜にクラブに出かけるシーンがあるのですが、スペインやメキシコの音楽に代表されるギターを使用した情熱的なメロディーに合わせ、人々は汗を流し、ダンスを楽しんでいました。そこでの人々は、女性の場合は体にフィットした明るい色のワンピース、また男性の場合は上半身裸と、男女ともに肌の露出が多くみられました。一方で演奏者は襟を立てて胸元を開けたシャツにベスト、のように、踊っている人々とは正反対の服装をしているところが印象的でした。
主人公の1人カルメンはプエルトリコ系アメリカ人なのですが、父親の再婚相手の家族とうまくいっておらず、結婚式で細みな体型の白人である義理の妹とまったく同じドレスを用意されましたが、サイズが合わず着ることができませんでした。そのとき我慢できずに「私はプエルトリコ人の血を引いているの!白人と娘とは骨格も何もかも違うってこと、分からないの?!」と泣きながら叫ぶシーンが心に残っています。祖父母の家に旅立ったリーナのいるギリシャ、家族関係に悩むカルメンの物語の舞台、アメリカ,サウス・カロライナ州、地元に残りバイトをしながらドキュメンタリー映画の製作を進める、ティビーのいるアメリカ,メリーランド州、そしてメキシコと、4つの場面が変わるがわる展開される中で、各地域の気候や文化、そして言語の比較ができて、No.1のレポートのように楽しみながら鑑賞することができました。