ステップ!ステップ!ステップ!

MAD HOT BALLROOM

 

制作年度 : 2005年

上映時間 : 106分

監督 : マリリン・アレグロ

学生 Y・O(2011) 

感想

 この映画は、ストーリーというより、ある小学校の生徒が社交ダンスのコンクールに向けて練習したり、踊る中で異性へ葛藤などを追ったものだった。最初は、ダンスの練習のシーンが多く、面白みがないと感じていたが、練習していく中で、なぜ学校で社交ダンスをするようになったのか、男女でペアを組む中での小学生の気持ちなども盛り込まれていて、とても深い話だと感じた。特に、小学校でなぜ社交ダンスをプログラムに取り入れたかについては、戦争が多く、親も片親で非行に走る子どもたちがきっかけだそうだ。映画では、犯罪予備群にいた子どもがダンスを通じて、規律正しくなっていった姿が描かれていた。また、社交ダンスは、男女のペアでやることから思春期に近い子どもたちにとっては大きな葛藤があったが、ダンスはそれさえも乗り越える力があり、驚いた。“目を見て踊る”先生のこの言葉にとても大きな意味を感じた。このストーリーの終わりは、コンクールの優勝で終わるのだが、それまでの過程は、結末よりもとても興味深いものであった。

学生 Y・A (2009)

あらすじ

内容はアメリカの子供たちを中心に社交ダンスの大会への出場、それまでの過程を取材したドキュメンタリー映画です。

感想

 しかし、ドキュメンタリーとは思えないほどストーリーができており、普通の映画のように楽しめる作品となっています。最初のうちは、舞台もアメリカで字幕も英語なのになぜこの映画がスペイン語の棚に並んでいたのか疑問でした。

 理由としてはダンスの先生がバイリンガルで、映画の中にも少々スペイン語が登場する場面があるということくらいです。

 あとはやはり、劇中でもアメリカに来たばかりで英語がうまく話せない子が生き生きとダンスを踊っている通り、ダンスに人種や国、言葉の違いは関係ないということでしょうか。

 自分はダンスの経験はありませんが、ダンスが好きな子供たちの生き生きした顔を見ていると、自分も踊りたくなってきます。ダンスの経験がある人や、ダンスに興味がある人にとってはよりいっそう楽しめる作品ではないでしょうか。

 お勧めする点は、やはり子供たちの素直な表情と音楽です。ダンスとともに、使用されている音楽も映画を引き立てる良い雰囲気になっています。そして、ダンスを踊っているときは大人っぽく見えても、子供達同士の会話では年齢相応の表情を見せてくれます。子供たちのくるくると変わる表情を見ているだけでも飽きが来ません。

 反対にお勧めできない点も、この子供たちの素直さにあります。素直であるが故に歯に衣着せぬ言葉が出てきたり、ませた発言も出てきます。そういったものが好きでない方にはあまり勧められないかもしれません。

 しかし、それらのことひっくるめたうえで、練習に練習を重ねた末の決勝戦には一見の価値があると思います。子供たちの努力、そしてその結果を見たい方は是非一度見てみてください。

学生 M・H 

あらすじ

 N.Y.の公立小学校に通う5年生の子供たちが、踊ることの楽しさに目覚め、やがて社交ダンスにのめり込んでいく。コンテストでの優勝を目指して奮闘する無邪気な小学生たちが厳しいダンスの練習を通じて様々な発見を重ね、少しずつ成長を遂げる姿を映し出す。

感想

60校以上の中から9校しか勝ち残れないコンテストのセミ・ファイナルから決勝戦まで、躍動的に踊る彼らの姿は必見。

 日本ではあまり見られないニューヨークの公立学校の様子や子供たちの生活の様子、そして考え方までを知ることができる。ニューヨークには、ヒスパニックも多くスペイン語しか話せない子供たちもいる。学校の教師たちの悩みや生徒に対する対応など、日本とはまるで違うように思われる。教師もスペイン語と英語を話し子供たちに真剣に向きあっている姿は学ぶべきことが多い。

 また、イギリスでいう「ボールダンス=社交ダンス」という雰囲気が日本でも浸透しているが、ダンスには高いドレスも靴もいらない!音楽を楽しむことが一番!だと学ぶことができる。こどもたちのかわいい英語やスペイン語の「生」のやりとりを楽しめる映画でもある。