死んでしまったら私のことなんか誰も話さない

Nadie Hablara de Nosotras Cuando Hayamos Muerto

 

制作年度 : 1995年

監督 :アウグスティン・ディアス・ヤネス

出演 :ビクトリア・アブリル、フェデリコ・ルッピ

学生 M・O (2011)

あらすじ

 メキシコシティ。裏町。闇組織の麻薬取引の場に呼ばれた売春婦グロリア(ビクトリア・アブリル)の目の前で、相手をしていた二人の刑事が射殺された。彼らは囮捜査の刑事だった。刑事のひとりは組織の裏金処理機関のリストを彼女に託して死ぬ。グロリアはリストを持ってスペインに戻ってきた。人気闘牛士に見初められて結婚、だが彼は牛に突かれて大怪我を負い、3年前から植物状態だ。姑のマリア(ピラル・バルデム)は小さな学習塾を営んで息子を看病し、アパートのローンを返済してきた。彼女はグロリアに何も問いたださず、ただ自立した女になれと説教する。もっとも、30過ぎで学歴もないグロリアに勤めの口がそうあるわけではなく、彼女は組織の裏金を手に入れてもう一度贅沢しようと決めていた。一方。メキシコの組織は殺し屋エドアルド(フェデリコ・ルッピ)に彼女の後を追わせた。グロリアは組織が経営する毛皮商に強盗に入る。そのグロリアを追い詰めるエドアルド。だが、彼女を殺すその日になって、それまで原因不明の熱で寝たきりだった彼の一人娘が死んだという知らせが。エドアルドは尾行の車を止めて、神父を呼び止め、しばらく話した後自殺した。マリアはグロリアに一人で生きていきなさいと遺書を残して、息子を道連れに自殺した。姑の遺志を継いで、グロリアは高校に入り直し、勉強をはじめた。

感想

 見終わったあと、なんとも言えないような何か胸にずしんとくるような感じがしました。バイオレンス映画で、私には結構衝撃が強かったので見た後気分が落ちました。単純な感想として主人公のグロリアは本当に見ていてダメ人間だなって思いました。人として弱すぎる。この映画で印象に残ったのはこの主人公ではなくて、義母のフリアでした。どんなにグロリアが自暴自棄になっても決して見放さず、遠くから見守って支えている感じがして、人として本当に強いと思いました。女として、人として尊敬したい存在です。ラストシーンは結局死で終わって、自分的にはちょっと納得いかなかったですが、見る価値はあると思います。考えさせられることがたくさんあると思います。見る人によって感じるものが違うのかな、と思った映画でした。