学生 H・S (2009)
感想
この映画は、2003年度に、ボリス・ケルシア監督によって製作された。内容としてはSEXについての悩みや不倫関係について描かれていた。エロティックなシーンがたくさんあり圧倒されたのが、素直な感想である。チリ映画の興行収入記録をあっさりと塗り替えてしまった空前のメガ・ヒット作品らしいが、私にはとても疑問が残る、気分が悪い映画だった。
この映画に出てくる人たちは、彼氏や妻という存在がいながらもいとも簡単に他の人たちと体の関係を持つ。カルチャーショックともいうべきか、私の常識からは考えられない行動や言動が繰り広げられた。
日本でも、浮気をする人はいるであろう。「浮気は男の性だ」なんていう人もいるかもしれない。確かに、性欲を持つのは普通のことだ。人間の三大欲求にも入っているので、「性欲を捨てろ!」なんてバカなことは思っていない。
しかし、特別な存在がいながらも、自分の欲望の赴くままにSEXしていいのだろうか。
映画の中に、「妻や子ども達のことを一番に愛している、だが、他の美女とのSEXは止められない。体の関係はもつが、家族のことを愛しているから悪いことをしているわけではない。」というような思想をもつ男性がいた。この時点で私には意味不明だが、その挙句に妻が他の男性と少し遊びにいったくらいで、妻への暴言や冷酷な態度をとっていた。
もう、怒りを通り越して、あきれた。なぜ、自分のことばかりを考えて、相手の気持ちを考えられないのか。相手の立場に立ったら、一番の特別な存在が自分ではなくほかの人のことを見ていたらちょっと嫌な気持ちになるくらいわかるはずだ。
ずらずらと批判の言葉を書いてしまったが、人間の欲望は理性にも勝る激しいものだということが実感できた。
SEXは自分の快感を満たすためではなく、本来の意味は生命を宿す営みである。SEXしたら子どもが出来る確立がある、ということをすべての人の念頭に置いて欲しい。望まれないで産まれてくる子どもが一人もいない世の中になることを願っている。