学生 M・T (2009)
あらすじ
4年前、変わり者の芸術家、ナチョが失踪した。警察がその行方を求めていたある日、ひょんなことからナチョの身分証が見つかる。警察の追及に、ナチョの友人達は嘘をついた。
ナチョの友人達はナチョの事を快く思っていなかった。4年前のある日、7人は田舎の廃墟にキャンプに向かったが、悪戯心から寝静まったナチョを袋詰めにして水死させてしまう。6人は、ナチョの死の真相を隠すため廃墟からナチョの遺体を掘り返す事になった。しかし、ナチョの遺体が埋めてあったはずの場所に遺体はなかった。運悪くガスランプが爆発し、廃墟が全焼してしまった。そこでナチョの親友であったイヴァンは死んだはずのナチョの影を目撃する。数日後、イヴァンはナチョの幻想に「これから恐ろしいことが起きる」と告げられる。
その後、カンデラは帰宅途中に野犬の群れに襲われ亡くなり、カルロスは営んでいる店内で幻覚を見た。カルロスに助けを求められ、店に向かったイヴァンとクララはそこでカルロスが変死しているのを発見する。その後パトリシアは車のシートベルトで絞殺され、クララはフェンシングの最中に襲われるが、居合わせたイヴァンに助けられる。ラモンは転落死した。イヴァンはナチョの幻想に誘われ、地下鉄へ向かう。そこですべての真実が明かされる。
感想
極限状態の人間は非常に面白い意味不明な言動を起こすのだなあと思いました。また、なんだか全体のストーリーの流れがすごく胡散臭くて、少々無理に恐怖感を演出しているような印象を持ちました。じわりじわりとくるタイプのホラーとは違い、アメリカのようなドッキリ系のコメディのような感じの映画でした。
はじめ、ヨーロッパ圏は日本よりも空気が乾燥しているため、山火事が起きると被害が非常に拡大するため、よく廃墟が全焼した時に騒ぎにならなかったなあと思っていましたが、案の定最後のほうで助けが来ています。
ファンタジックホラーかと思っていましたが、死についての哲学・精神論でした。
個人的に、ミステリーっぽくストーリーを組み立てて、もう少しクララ犯人説を強調した感じにしたら、ミステリーとしてもファンタジーとしても楽しめたのではないのかなと思いました。また、類似作品として、以前見た日本映画の「ツィゴイネルワイゼン」を彷彿させるストーリーでした。