ロルカ、暗殺の丘

学生 J・S

時間:114

製作国:スペイン・アメリカ合作

監督:マルコス・スリナガ

出演:アンディ・ガルシア、イーサイ・モラレス

配給会社GAGA(株)ギャガ・コミュニケーションズ.

推薦度:★★★☆☆

あらすじ

193年、スペイン。共和派と反乱軍の競い合いが激しくなり、内乱勃発寸前の状況下。14歳の少年リカルドとホルへは、憧れの詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカの最新戯曲「イェルマ」を観にやってきた。しかし、それぞれの両親は困惑していた。芝居はスペインの道徳観に対する攻撃とも取れる内容であり、ロルカに傾倒することは命取りともなりかねないのだ。「イェルマ」の楽屋を訪れたリカルドはそこでロルカ本人と直接言葉を交わすことになる。やがて1936年、グラナダで反乱軍が蜂起した。リカルドの一家がスぺインを離れる夜、ロルカは何者かに暗殺された・・・。

1954年、31歳になったリカルドは、ロルカの死の真相を探るためにスペインに戻る。内乱は終わり、スペイン国内には平和が戻ってきていた。だが、ロルカ殺害の真相を探ろうとするリカルドの行動は、周囲に不穏な波紋を広げていく。リカルドの調査は露骨な妨害を受け、証言者は次々に姿を消していく。

お勧めどころ

官憲の脅迫や暴力に屈することなく、ロルカの死の謎に迫ろうとするリカルドの情熱と謎の真相を解明していく中でのスリリングな展開は目を見張るものがある。映画のラストではなんとも言えないもの悲しい結末が待っていて、強く印象に残る。またその映像からは当時のスペインのいんうつな雰囲気もよく伝わってくる。ジプシーのフラメンコ音楽や闘牛場の場面も出てくるのでスペイン独特の雰囲気も十分に味わえる作品だと思う。

お勧めできないところ

最終的にはロルカは誰の手によって殺されたのかというのがテーマになっていて、どうして殺されなければならなかったのかという疑問が最後まで残ってしまう。さらにストーリーはロルカ自身の伝記的なものではないので、天才詩人といわれたロルカという人物についてもっと詳しく知りたいとかその詩の魅力を存分に味わいたいと思いながら観てしまうとやや期待はずれになってしまう