靴に恋して

PIEDRAS/STONES

 

製作年度 : 2002年

上映時間 : 135分

監督 : ラモン・サラサール

出演 : アントニア・サン・フアン 、 ナイワ・ニムリ 、

    アンヘラ・モリーナ 、ビッキー・ペニャ 、

    モニカ・セルベラ 、エンリケ・アルキデス

製作国・地域 : スペイン

 

学生  Y・U (2007.7.19)

様々な女の人の様々な恋愛事情や生活を見た。

みんながみんな何かに傷ついたり、苦しみを抱えている女の人ばかりだった。

ラストにその環境が大きく変わり、みんなハッピーエンドになるというわけではないが、それぞれがつまずき、それでも強く生きようとしていく前向きな姿にとても勇気をもらった。

劇中に出てくる靴はその人たちをいつも象徴していて、すてきな靴ばかりではなかったが、とても印象に残った。

 

 

学生  S・S (2009)

 初めは華やかなアパレルの世界を映し出した映画かと思ったが、実際は現実よりも現実味があった。登場する女性は生活に悩みを抱え、表向きは強がって生きていた。麻薬に溺れる女性、知的障害を持つ女性、血のつながらない子供をもつ母親、上級の身分でも満たされない女性と様々である。

 印象に残った言葉は「人間は、自分にぴったりの靴を見つけた時、初めて、その人格が完成する」である。ある女性がいつもぴったりのサイズより1つ小さいサイズを買っていくシーンがあったが、ひとは誰でも無理をして、心のもない言動をしてしまうことがある。そんな素直になれないときの方が多いのかもしれない、と考えさせられた。様々な人が自分に合った靴を探しもがくように、泣いたり、怒ったり、笑ったりして自分の人生と向き合っている姿が、観終わってから胸に余韻が残りました。

 

 

学生  U・O (2009)

 私は、「靴に恋して」というDVDを見た。この中にはいろんな種類の靴を履いている女の人が出てきて、盗んだ靴をはく人や偏平足の人、スリッパをはく人、スニーカーを履く人、小さな靴をはく人の5人のことがよく描かれていた。私はその中でも一番興味を持ったのはスニーカーを履くアニータである。アニータは知的障害であった。そこで親は看護学生であるホアキンを世話人として雇った。そこでアニータがホアキンに恋をして密かながら一生懸命気持ちを伝えようとしているのが微笑ましかった。その中でも犬と散歩している自身とホアキンの絵を描いたものをホアキンに見せるというシーンには心温まりました。しかし、お母さんの誤解でホアキンが車にひかれてしまったときは本当に衝撃的でした。

 DVDを見てみて、スペイン語で話しているのが少しだけれども聞き取れたのでうれしかった。他にも暇があったら見てみたいと思った。

 

 

学生  Y・K (2009)

 この映画は、マドリッドを舞台に、年齢も境遇も違う5人の女性たちが真実の愛を求めて葛藤する姿を描いたドラマでした。

 スニーカーを履いているアニータは、25歳ですが精神年齢は7歳の知的障害者。45歳の高級官僚婦人のイザベルは小さい靴ばかり履いていて、さまざまな靴を買ってしまう。49歳のキャバレーのママでアニータの母のアデラは偏平足。23歳の靴屋の店員のレイレは、盗んだ靴でクラブで踊り、43歳のタクシー運転手のマリカルメンはいつもスリッパを履いています。

 最初のほうはたんたんと話が進んでいく感じでしたが、途中から面白くなっていきます。この5人が少しずつ関わるようになってきてからが面白いと思いました。人との出会いや浮気によって、本当の愛は違うんだなと思うようになっていきます。男女の友情もありだなと思ったり、スペインにはゲイが多いのかな?と思ってしまいました。

 アニータは、知的障害があり、毎朝犬と一緒に同じ道を散歩していたのですが、ホアキンに出会うことで、いろいろな道を歩いたり、大好きな飛行機を見たりして、今までは犬と自分の絵ばかり描いていたのに、ホアキンと自分の絵ばかり描くようになります。ホアキンと散歩をしたいあまり、犬を隠してしまったり、殺そうとしてしまったりで、とても驚きました。私が社会福祉学部なので、やっぱり知的障害者にも人との触れ合いや刺激が必要なんだなと考えさせられました。でも、ホアキンもゲイだったのが残念でした。

 スペインの授業で先生から聞いたように、スペインではドラッグを使っている人が多いのかなと思いました。レイレとマリカルメンが親子だったことがストーリーが進むにつれて分かるのですが、マリカルメンの娘(実際には親子じゃない)がドラッグで自殺未遂になったところはとても衝撃的でした。

 この映画で印象に残っている言葉は、「人は魅力的な靴を履いたときに、始めて人格を完成させる。」というところと、「きっと夢は言い訳。現実を受け入れるのは辛いけれど、夢を諦めてはいけない。」というところです。現実にうんざりしている人たちの話だったけれど、最後には皆自分の生活を変えて、前よりいい生活を送っていたので、現実にうんざりしたときに観るといい映画だと思います。全体を通して、ひとそれぞれ、いつかは人生の転機がやってくるのだと思いました。孤独な人間はとても身勝手だと言っていたけど、人との出会いや人との別れで変わることができるのだと思います。とても観てためになる映画でした。

 

 

学生  S・S (2009)

 この物語では幸せになりたいと願う女性5人は全員ハッピーエンドになれなかった。愛情がほしいのに満たされなくて代わりのものとして靴を異常に求めるイサベル、夢を忘れて恋人を追うレイレ、愛情を注いでもかえってこないマリカルメン、ヒトを愛することに臆病であるアデラ、純粋な感情で愛を伝えるアニータ、ほんとうにそれぞれの人生で、それぞれ個人にしか送れられない人生だなと感じた。こんなに別々に生きていてもどこかで交ざり合っているので、出会いが偶然で貴重なものだと感じた。たくさんの素敵な靴が登場するけど、靴を履き替えるようには人生は簡単にはリセットできないと感じた。また周りには気丈に振る舞うが、無理に小さいサイズの靴を大量に買うイサベルについて、足りない心の隙間を埋めているように感じて切なかった。いろいろな人の人生とそれぞれに足りないものがあること、それを乗り越えながらどう生きていくのかということを考えさせてくれる映画だと思う。努力しても幸せになれない女性たちのことがとても印象に残ったし、考えさせられたのでぜひいろんな方に観てもらいたい。