にぎやかな森

El Bosque Animado

 

制作年度 : 1987年

監督 :ホセ・ルイス・クエルダ

出演 :アルフレード・ランダ

学生 M・O (2011)

あらすじ

 かつて漁船に乗っていたヘラルドは片足を失ってからは陸に上がり、村で井戸掘り職人として働いている。ヘラルドの助手マルビスは人はよいけれど怠け者。盗賊に憧れ、ある日、井戸掘りに訪れた家で、ピストルを盗み出し、本物の(?)盗賊となり、森に住み着いてしまう。ちょっと間抜けでおちゃめなマルビスはフエンデテスタスと名乗り、行き交う村の人々から金品を強奪・・・するはずが、人々は彼にまともにとりあわない。そんなマルビスのところに一人の幽霊が現れる。一方、ヘラルドはエルメリンダという女性に夢中になっている。しかし、エルメリンダはヘラルドには目もくれず、両親亡き後、身を寄せていた叔母の家で使用人のようにこき使われる生活に嫌気がさし、村を出て行ってしまう。不器用なヘラルドの想いは届かぬまま・・・。

 都会の人にとっては憧れる田舎暮らし。この物語の中でも、2人の御婦人が静養にこの村を訪れる。しかし、神経質で恐がりの彼女たちは、森には盗賊と幽霊が住んでいるという話を聞いて心休まらない。不思議がいっぱいの田舎暮らし。村人にとってはたいした問題ではないことも、御婦人たちにとっては一大事。怯える姿は滑稽そのもので笑いを誘う。個性豊かな村の人々たちの様子を、ヘラルドの恋の行方と共にユーモアたっぷりに描いている。愉快だけれども、ちょっと哀しい物語。

感想

 私が今回見たもうひとつの映画に比べてとてもファンタジックな映画でした。なんだかおとぎ話のようなストーリーで、笑いも少しあるし、私的にはもうひとつのほうの「死んでしまったら私のことなんか誰も話さない」のようなバイオレンスで衝撃的な映画よりは全然好きな映画です。笑いもあるけれども、その中に悲しみも多少入っていて、面白いし、気分が激しく上下せずに落ち着いて見れる映画だと思いました。(よっぽど「死んでしまったら私のことなんか誰も話さない」が重かったです。笑)タイトルの「にぎやかな森」のにぎやかというのがよくわかりました。原作もちょっと読んでみたいなあと思いました。