ハイヒール

(計2名の学生の感想)

時間:2時間

製作国:スペイン

監督:ペドロ・アルモドヴァル

出演:ロシオ・ムニョス、ルペ・バラード

配給会社:ビデオチャンプ

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学生 T・H

推薦度:★★★☆☆

あらすじ

レガータは、まだ幼い少女の時、母親の芸能界復帰のために義父を殺めた。それは母を想っての行動だった。それから20年。大きくなったレガータは空港で母と再会する。母との楽しい日々を夢見たレガータだったが、そこから大きく事態は急変する。先ず、レガータはオカマと関係を持つ。後日夫である、マヌエルが死んだ。殺されたのである。その後、レガータはテレビの生放送において、罪を告白した。すべて、母を越えようとしての行動だったが、結局は越えることはできなかった。それから、レガータと母親はお互いの絆を確かめ合うが、そのころには母は既に死に直面していた。

お勧めどころ

母と娘のすれ違いをうまく表現し、映画の中での、主人公のある種の孤独感が、一層淋しさを際立たせている。切なさがとてもうまく表現されていた。

お勧めできないところ

少々荒削りという感が否めない。もう少し改善した方がよい場面も幾つか見られた。

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学生 T・Y

推薦度:★★★☆☆

あらすじ

主人公レベーカの母親(名前はベッキー)は大女優であった。ある日ベッキーは仕事の都合で、レベーカをおいてメキンコに行ってしまう。そして15年後、久しぶりの再会を果たす。この時レベーカには旦那さんがいるのだが、その彼は、実は母親のベッキーと昔関係のあった男だったのである。そのことを知つたレベーカは、彼を殺してしまう。事件を追っていたある判事に尋問にあうレベーカ。そのとき彼女は「殺していない」というのであるが、その後、自分がキャスターをつとめるニュース番組で(彼女の職業はニュースキヤスター)、自分が殺したことを告白する。拘置所に入るレベーカ。しかし、入ってまもなく妊娠が発覚、十分な証拠もなかったこともあって出所する。

レベッカが出所したとき、母のベッキーは病気で倒れてしまっていた。死ぬ前に真実が聞きたいというベッキーにレベーカは「私が殺した」という。それを聞いた母親は最後のお願いといつて「窓を開けてくれ。外が見たい」と言うので、レベーカは言われるとおりに窓を開けてやつた。そこにはハイヒールが見えたのである。ハイヒールにまつわる幼い頃の母への想いを語るレベーカ。しかし母は既に息絶えてしまっていた。ずっとお互いの心を通わせることのなかった2人。ようやく最後に分かり合うことができたのである。

感想

内容は、基本的にはヒューマンだと思われるが、ところどころにサスペンス的な要素が含まれている。殺人事件の犯人が誰であるのかはわりと分かりにくい。だが、この映画は死人が出すぎで、誰が生きているかわけがわからなくなる。あと、見ていただければお分かりいただけると思うのですが、人間関係が複雑で、誰が誰とどのようにつながっているのか、という点がこの物語を面白くしている。しかし同時に母と子のとューマン的な部分の描写が中途半端になってしまっている。よって、評価は三ツ星にした。