捕らわれた唇

Entre Rojas

 

制作年度 : 1994年

上映時間 : 93分

監督 :アスセナ・ロドリゲス

出演 :ペネロペ・クルス、クリスティナ・マルコス、マリア・プヤルテ、アナ・トレント

学生  S・A

あらすじ

 1974年、フランコ政権末期のマドリード。クラシックバレエを愛するルシアは、ある日、反政府運動の活動家である恋人から"預けてあるスーツケースを捨ててくれ"という電話を受ける。しかし、その直後に逮捕されてしまう。ルシアの送られた刑務所には色々な罪状で捕らえられた女たちがいるが、ルシアは恋人が活動家だということで、女性活動家たちのグループに受け入れられる。ルシアは10年の禁固刑を言い渡される。ルシアはバレエが踊れないなら足を切られた方がましだと落ち込む。そんな時、ルシアはあるきっかけから急にカタと仲良くなり、二人は刑務所からの脱走を決意した。

感想

 私が突然刑務所に入れられてしまったらどうするだろう?それに、愛する恋人のせいで。自分がその立場だったら、もう人を信用出来なくなるだろう。また、人に恋愛感情を抱く事が出来なくなる様な気がする。私の場合、自分の中で境界線を張った人には、会話するのも億劫になってしまう。ルシアの様には生きられないと思う。刑務所での虐待。人間として扱われない惨めさ。毎日淡々と同じ事の繰り返し。人間いつこんな風に人生が逆転してもおかしくないと思った。しかし、ルシアの様に、人(恋人)によって変えられてしまった人生が、人(カタ)によって希望や新しい道に導いてくれる事だってある。たとえ、それが正しい選択ではなかったとしても。

 脱走を計画してから、ルシアの刑務所での生活に光りが指したように感じた。バレエの踊れない悲しみや辛さから抜け出せそうな。カタを逃がす為に、結果的に囮になってしまったルシアだけど、ルシアはそんなこと気にしていなかったと思う。それは、刑務所での戦友として、大切な仲間に変化していったからである。

 この映画は、非日常的だけど、女性の強く生きたいという願いや、女性達の友情が伝わってくる作品だ。私は、特に女性に見て欲しい作品である。

お勧めする点

 女性の強さや、友情を描いているシーンが多いので、そこに注目して見て欲しい。刑務所で差別や虐待をうけるけど、それに負けずに団結して強く生きるルシア達を見て欲しい。