学生 T・S (2010)
あらすじ
孤児院で育った母親のラウラは、長らく閉鎖されていたその孤児院を買い取り、障害を持つ子どもたちのホームとして再建しようと夫のカルロス、息子のシモンとともに移り住んでいた。シモンは一人っ子で、遊び相手のいない寂しさから空想上の友だちを作って遊ぶようになり、その姿にラウラは不安を覚える。そして入園希望者を集めたパーティーの日、シモンはこつ然と姿を消してしまう。(インターネットより一部引用)
過去に起こった、孤児院での隠蔽された悲惨な事件との関連性や、母親の弱さと強さ、そして子供との愛が描かれているサスペンス・ホラー映画である。ラストシーンで、ただのホラー映画だと思えないような、観終ったあとに深く考えさせられるような深い余韻が残る作品だ。
感想
ホラー映画だと全く知らずに最初は楽しく観ていたのですが、途中から物凄く怖い思いをしました。しかし観終わった後にもう一度観たい!という衝動に駆られました。映像特典でも監督のインタビューで「最低でも二度は観てほしい。」と言っていました。この映画のキーワードになっていたのが「見えないものを信じることで、いづれ見えてくる」というものでした。霊的・心理的な要素を含んでいたので、少し現実と離れてはいましたが、母親の子供を思う気持ちが凄く伝わってきました。ネタばれをしてしまうと、最終的には母親も子供も死んでしまって夫だけが残されるのですが、ありがちなハッピーエンドにしないところがまた面白かったです。子供役のシモンの優しさ、純粋さが前面に出ていて、改めて子供って可愛いなあと思いました。
とにかく映像が綺麗だし、映画中に流れるオーケストラの荘厳な音楽も、内容にぴったりです。私はやわらかいスペイン語が聞ける字幕再生がオススメです。怖いけれど、是非多くの人に観てほしい作品だと思いました。