ダークネス

DARKNESS

 

制作年度 : 2002年

上映時間 : 102分

監督 : ジャウマ・バラゲロ

出演 :アンナ・パキン

学生 M・T (2011)

感想

 もともとホラーミステリーが好きで興味深いタイトルだったので選んだ。

 ホラーが好きな方にはお勧めで日本のものとは違い人間の精神に関する恐怖についての作品である。

 過去に何があったか、皆既日食に関する情報についてなど順を追って徐々にわかることができ、気づくと最後まで見てしまった。

 ホラーが苦手、びっくりするのが苦手な方でも楽しめるのではないかと思う。

 家族が引っ越してこれから新しい生活が始まるという期待が恐怖や怪奇現象、人間の恐怖などによって展開するのが印象深かった。

学生 M・F (2011)

あらすじ

アメリカからスペインに引っ越してきたある家族が家を舞台とした怪奇現象に巻き込まれる話。

感想

インターネットなどを見ると高い評価を得られている今作だが、私は高評価をつけることは出来なかった。ダークネスはホラー映画と謳ってはいるが、個人的には全く怖さを感じられなかった。また、ストーリーも最後の演出も納得いかないものだった。一言で言えば、全体的にもっと深みがほしい作品である。ホラー映画の怖さというものには大きく分けて3種類あると私は思っている。一つは自分の死に対する恐怖。これはスプラッター映画などでよく見る惨殺シーンなどに対する怖さである。これは死を連想することからくる恐怖である。もう一つは心理的恐怖。これは人が暗闇を怖がったり、物音に驚いたり、極端に言えば幽霊を怖がることなどである。そして最後に未知のものに対する恐怖。これは自分が知らないことや理解出来ないこと、認識出来ないことに遭遇したときに起こる恐怖感である。これ以外にも違う恐怖感がある可能性もあるが、私は大きく分けてこの3つが人がホラー映画を見た際に感じる恐怖感であると思っている。同時に、ホラー映画にはこの3つのどれかがあるべきだと思っている。何故ならば、このような恐怖感を人に与えてこそ初めてホラー映画と呼べるからだ。しかし、私はダークネスからこの3つのどの恐怖感も与えられなかった。同じスペイン映画である「アザーズ」は、上記でいうところの心理的恐怖を私に与えてくれた。だからこそ、私はアザーズを面白いと思えたし、また観たいとも思った。だが、ダークネスを観終わった後に私に残ったのは疑問と納得のいかなさだった。ストーリーの途中で主人公達に情報提供をした家の設計士が襲われるシーンがあるのだが、なぜ襲われたのか、そもそもこのシーンはどういう事態なのかが不明だった。また、なぜ主人公達一家はスペインにやって来たのかがよく分からなかった。一応説明はされていたが、それも矛盾しているように思えてならない。そして最後、主人公達は結局どうなったのか。最後は次々と新事実が判明し、場面が急展開していく中で終了したように思え、ここで終わるのか、と思ってしまったぐらいだった。結末までを語らないで視聴者に考えてもらうという手法を取る映画は最近増えてきており、ダークネスもその一つにしたかったのだろうが、今作の終わり方はあまりにも中途半端すぎると私は思う。ただストーリーの発想は面白いと思うので、だからこそもっと上手く出来る部分が多くあったのではないかと思う。そういった意味でもっと深みが欲しかった。

私はこのダークネスを勧めることは出来ないが、ジャウマ・バラゲロ氏が今作で全米デビューしたのは間違いないし、上記でも挙げた同監督の映画「REC/レック」や「REC/レック2」は私も観たが中々面白いものだったので、ジャウマ・バラゲロ氏の映画を見てみたい人や、彼を知りたいと思うような人は見てみるのも良いと思う。