蝶の舌
時間:95分
製作年度:1999年
監督:ホセ・ルイス・グエルダ
出演:フェルナンド・フェルナン・ゴメス、etc,,,
学生 S・Y (2010)
感想
ポンチョが人見知りで内気な割に行動力があるなと思った。『私は絶対子供たちをたたかない』といったグレゴリオ先生がすてきな先生だと思った。クラスでうるさくしても静かになるのを待ってる姿が、大人だなと思った。 ポンチョが先生と虫採りをしたり、好きな女の子にはなをあげたりと平和的な場面が多いのに、後半からは内乱のせいで暗く、悲しい場面が多くなるのが対照的で、考えさせられた。最後のポンチョの言葉は、どんなことを思っていった言葉なのか、深いと思った。
学生 S・N (2007.1.15)
あらすじ
「蝶の舌」、これはスペイン内戦が起こる1930年代の、ガルシア地方の小さな村を舞台にした佳作で、喘息にかかり入学が遅れた男の子モンチョ(マヌエル・ロサノ)が、母親に連れられて小学校に通うことになり、クラスで自己紹介するとき、緊張してしゃべれず、お漏らしをして逃げてしまい、山のなかに逃げ込む。
村のみんなが総出で探し出すあたりから、地方色の面白さがでてくる話でした。モンチョを教えるグレゴリオ先生は植物や昆虫が好きで、野外授業にモンチョ達をつれて行ったり、ティノロリンコという鳥の求愛のしかたや、蝶の舌がうずまいていることを教えたりします。その時、モンチョは喘息の発作を起こし、グレゴリオ先生は背広を着たまま川に入り、モンチョの喘息の発作を川に入れることで治します。
親の仕立て屋は、先生が自分と同じ共和派だったこともあって、ただで上等の背広を作ってくれます。中国娘に憧れるクラリネット奏者の兄の初恋のエピソードなども描かれているし、モンチョも、グレゴリオ先生と昆虫採集をしている時、先生にすすめられ好きな女の子に花を渡すシーンもいいです。
しかし、このような幸せな風景は、内戦によって幕を閉じる。フランコとファシスト達の支配が村まで及び、グレゴリオ先生は村から追われてしまいます。
感想
「蝶の舌」は、自分に蝶の知識や愛情など、大切なことを教えてくれた大人が、どうしようもできない理由のため自分のもとから去ってしまうという、子供の視点から成り立つ悲劇を描いています。周りの大人にののしられながら、黙ってモンチョを見てトラックに乗せられていくグレゴリオ先生は、自分自身によってモンチョに「自由」の大切さというものを、最後に教えてくれました。この映画のラストシーンが強い印象を残すのは、そういうところからだろうと思いました。