カルメン

Carmen

 

制作年度 : 1983年

上映時間 : 101分

監督 : カルロス・サウラ

出演 : アントニオ・ガデス、ラウラ・デル・ソル、パコ・デ・ルシア、クリスティーナ・オヨス、フアン・アントニオ・ヒメネス

学生  K・U (2010)

あらすじ

舞台は現代のスペインである。「カルメン」のフラメンコの舞台を作り上げる過程を描いた作品だ。

主人公は、舞台の演出家でドン・ホセ役をつとめる男性である。

カルメン役を捜していたホセは、「カルメン」の名を持つ女性に才能を見いだし、主役に抜擢する。

舞台を作る稽古の過程で、二人はホセとカルメンと同じ関係に発展していく。

感想

小説あるいはオペラの「カルメン」の映画を見たいと思い、インターネットで調べてみたところ、 カルメンと名のつく、あるいはカルメンをモチーフにした内容の映画は数多く存在するようである。 しかし、スペイン人が製作したものはずいぶんと少ないようだ。 私は今回、カルロス・サウラというスペインの人が製作した映画を見た。 カルロス・サウラは、スペインのアラゴン州で生まれたスペイン人である。 私は映画を見てから知ったのだが、フラメンコをテーマにした作品を多く書いているのだそうだ。 映画監督として高い評価を受けており、カンヌ国際映画祭で3度、ベルリン国際映画祭でも3度、賞を受けている。 この映画はオスカーの外国語映画賞にノミネートされた。

映画はカルメンの舞台を作り上げる稽古と、その間の人間関係を描く。 現実のカルメンとホセ、芝居の中でのカルメンとホセが入り乱れながら映画を構成していくのである。 視聴者は今が現実なのか、それとも芝居中の出来事なのかと混乱させられる。 BGMの違いによって直に区別がつくようになるのだが、この辺りの演出は誠に見事である。 稽古シーンの音楽はビゼーのカルメンをギター(フラメンコギター)で演奏したものが、 そして登場人物たちの日常を描いたシーンではビゼーのカルメンが用いられる。

 

学生  A・T (2009)

あらすじ

 アントニオ(アントニオ・ガデス)はフラメンコ・バレエの舞台「カルメン」を準備中であった。主役のカルメンの人選に悩んでいる中、カルメン(ラウラ・デル・ソル)という女性に出会った。彼女はアントニオがイメージルするカルメンにぴったりであった。

 舞台のリハーサルを重ねるうちに、アントニオはカルメンに惹かれていくが…。

感想

 主役アントニオを演じているアントニオ・ガデスは、フラメンコ界のカリスマ、またカルメンを演じているラウラ・デル・ソルは、舞台出身のスペイン舞踏家であることから、フラメンコは本当に見応えがあった。特に「タバコ工場」のフラメンコシーンは、リハーサルをしているシーンだということを忘れてしまうくらい素晴らしかった。そしてフラメンコを踊る女性は、歩き方・姿勢・色気・強さ…全て手本にしたいと感じる程美しかった。

 また、アントニオとカルメンの情熱的な恋模様も描かれているが、衝撃的で、切ないラストは見逃せない。中盤までは「素敵な恋!」と思うような恋であったが、悲しい恋の結末にとても驚いた。

 フラメンコや踊りに興味がある方や、ミュージカルが好きな方に特にお勧めできる映画である。

 

学生  H・S (2009)

感想

 映画のタイトルにもなっているカルメンという女性とホセという男性、この二人を中心に物語は進められていく。ホセとフランス人作家との会話から過去の出来事を回想していくスタイルで話は進む。これの手法は時間軸を理解しやすくて私は好きだ。また所々に歌によって登場人物の心情を表しておりこれも伝わりやすくてとても良かった。

 カルメンは自らを悪魔のようなものだ(作品中で正確になんと表現していたかは失念)と自覚しながらもそれを自分の生き方として変えず次々に周りをトラブルに巻き込み、男を破滅させていった。最後はその生き方を曲げずにホセにナイフを突き刺され死んでしまう。彼女の生き方は暴虐であり阿婆擦れと取ることはできるがそこには自分の思いに対して真っ直ぐに行動していたという事も考えられるのではないかと思った。

 一方、男性であるホセは純真無垢、忠実な兵士でありその人生のすべてを兵士であることに捧げてきたがカルメンとの出会いによりその人生は変わり行く。中尉まで上り詰めたにも関らずカルメンをわざと逃がし歩哨へ降格、ついには上司を殺し山賊に成り下がる。しかし、この行動はすべてカルメンを求めるがための愛であり様々な苦悩の末、愛し合う仲となった。彼はこの時には完全にカルメンによって狂わされていたのだと思う。

 互いに愛し合う関係も長くは続かずカルメンはまた別の男に惹かれてしまう。それに激怒したホセは浮気相手を殺しその後カルメンにも関係を拒絶され、自らだけのものにするためカルメンを刺殺する。

 ホセはカルメンが一生をささげられるような女では無いことは理解していたが自らの人生を省みてその生き方を悔いることはしなかったように私には見えた。カルメンとホセの人生が交じりあったのは一瞬であったが互いにその人生に後悔はなく自らの生き方を全うしたのではないだろうか。

 ホセがカルメンに惑わされ、はまり込み最後には処刑される、という人生はよく描かれていたし理解することもできたが、カルメンの人生について詳しいことは明かされず、女性としてなぜそのように奔放、特に異性に対して奔放的であってしまうのかは映画を見ただけでは分からなかった。確かに多くの男性がカルメンの魅力にはまっていくがカルメンから男性に近寄った結果そうなったように見えた。

 映画のほかにオペラや小説があるようなのでそちらだとまた違った視点から話を見ていくことができるのではないだろうか。

 

学生  J・S (2009)

感想

 展開を簡単に説明すると、タバコ工場で衛兵だったホセは、女性工員仲間に怪我をさせたカルメンを連行するが、言葉巧みな彼女にまんまとのせられて恋に落ちるという展開になってしまう。ホセはカルメンを愛しすぎていたため、自分のものにしたい一心で自らの上官を殺し、山賊となり、カルメンが関係していく相手を次々と手にかけていく。

 ホセは、本当に単純というか純粋というか馬鹿という感じなんですが、そういうところを一番の映画の売りなんではないかと観ていて感じました。

 あと、映画では、ホセがイケメンなのに・・・とも思いました。もっと、ダメ男の適役はいなっかただろうかと考えました。

 カルメンは、いやらしく誘うところは、男性にはたまらない魅力だし、実際このような女性がいたらやばいとも率直に思いました、また男性が観ると女性に騙されちゃ人生が少し狂うのが怖くなるかも知れません!しかし、愛する大切などは学べる気がしました。他にも衣装や風景でも楽しめる映画だし、ストーリー的にもすごく楽しめると思うので観たほうがいい映画です。