アマンテス(愛人)

(計2名の学生の感想)

時間:103

製作国:スペイン

監督:Vicente Aranda

出演:Victoria Abril, Jorge Sanz

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

学生 T・S

推薦度:★☆☆☆☆

あらすじ

軍隊を退役した青年パコは、婚約者がいるにもかかわらず、自分の下宿先の家主ルイサと肉体関係に陥ってしまう。そして、純情な婚約者とそれとは対称的で、危険な魅力を持つ愛人との三角関係に苦しみつつも、最後には婚約者を殺害してしまう。

お勧めどころ

 大人の恋愛の危険な魅力とそこにある嫉妬、欲望などの様々な感情を全編にわたり感じることができる。

お勧めできないところ

 健気に尽くしてきた純情な婚約者が最後には殺されてしまい、愛人が男の愛を勝ち取るというのは、日本人の感覚からして、後味の悪いものである。それと、展開が余りにありきたりで、先が読めてしまうのでスリルはない。現実の話を映画化したみたいだが、もうちょっと脚色したほうがおもしろく鑑賞できたのではないだろうか。

 それと、無駄に性描写が多すぎてC級ポルノの感じを受けざるを得ない。結論として、内容が薄く、あまりお勧めはできない。 

 あえていうならば、わかりやすいスペイン語を使っていて、結構聞き取れる部分もあった。     

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

学生 Y・N

推薦度:★★★☆☆

あらすじ

退役軍人であるパコは、元上司である隊長のもとで住み込みをしている婚約者トリーニとの新たな生活をスタートさせようとしていた。物語は、パコが軍を退役し、新しい仕事とアパートを探すところから始まる。そんな二人の旅出には、始めから良い風が吹いているとは言えなかった.隊長に薦めてもらった仕事に嫌気が刺しやめてしまい、沈んでいたパコは、アパートの管理人であるルイサと肉体関係を持ってしまう。しだいにトリーニの元へとは足が遠ざかるパコ、しだいに思いは婚約者であるトリーニから離れていく。しかし、隠し事というものは長続きするものではなく、浮気はトリーニの知ることとなる。そんなトリーニに対し、パコを奪回する方法を隊長夫人が教える。それは、パコと肉体関係を持つことであった。それまでの二人はプラトニックな関係にあり、それがパコの浮気につながったという隊長夫人の推測があったからである。その作戦が功を奏し、パコをルイサから離すことに成功した。しかし、裏の仕事に失敗したルイサのためにパコは再びトリーニを裏切ることになる。度重なるパコの裏切りに疲れきったトリーニは、死を選択する。結局、二人の女性のうち、浮気相手を選び、婚約者を殺してしまった男。その選択が正しかったのかどうかの判断は、各人しだいであろうが、彼にとってはそれが最善と思えたのであろう。

お勧めどころ

文化的差異

・タクシーの料金について、日本は距離による設定だが映画では時間により料金が騰がる。

・新聞販売について、売り歩きをしている少年が見受けられた。

・お酒を軽くではあろうが、祝杯の場面で飲む習慣がある。コニャックは知っているが、

アニスというお酒は聞いたことがないので、興味をそそられます。

何より、この物語は実話に基づいて制作されたものであるということ。テレビドラマであれば、おそらくトリーニを選んでいたであろうが、そこがドラマとは違うところである。言われてみれば、「そうか」と思われる部分が解ってくる。「事実に基づいて」という先入観がなかったときと、先入観があったときでは見方も違ってくるものです。ドラマによくある「無理な演出」がほとんどないのです。もしかすると、その点では評価を下げる要因となってしまうかも知れませんが。不倫を描いた作品なので、若い人にはストーリーを読むのに、苦労するかも知れません。