革命児サパタ

VIVA ZAPATA 学生 N・S

時間:114製作国:アメリカ監督:エリア・カザン出演:マーロン・ブランド、アンソニー・クイン

配給会社:Twentieth Century Fox Film Corporation

受賞:第25回アカデミー賞助演男優賞(アンソニー・クイン)第5回カンヌ国際映画祭主演男優賞(マーロン・カザン)

推薦度:★★★☆☆

感想

 やはり、マーロン・ブランドの圧倒的な存在感に驚く。名優というのはやはり他の人とは異なる魅力を放っているものである。同じ映画であっても、俳優に魅力があればさほど脚本に魅力がなくても俳優の魅力だけで物語りに引き込まれ、満足な気持ちになったりするものである。この映画でも、サパタ役としてマーロン・ブランドが演じているという感じを見る人に与えないくらい自然に物語を受け入れることができた。彼の魅力が見所の1つであろう。それから、世界の歴史を振り返ってみると英雄と呼ばれるたった一人のカリスマ的な統率者の登場によって大きく時代の流れが変化することが度々あった。そのような歴史の変動期での民衆の興奮が高まっていく様子をこの映画でリアルに味わうことができたことがよかった。現代に生きている我々ではなかなか味わう機会がない興奮ではないだろうか。ところで、考えてみるとサパタの兄であるユーフェミオも同じ姓のサパタであるわけで弟だけが「サパタ、サパタ」と呼ばれて英雄扱いされていたことを考えれば、ユーフェミオがあのような行動をとった心情も理解できるような気がする。