スパングリッシュ

Spanglish

 

制作年度 : 2004年

上映時間 : 131分

監督 : ジェームズ・L・ブルックス

出演 : アダム・サンドラー

学生 M・N (2011)

あらすじ

 シングルマザーであるフロールは娘の将来のためにメキシコからロサンゼルスへと移り住む。

 そこで白人家庭での家政婦を勤めることとなる。英語が分からず、スペイン語しか分からないフロールだったが、娘であるクリスティーナも含めてクラスキー家の人達と徐々に関係を築いていく。

感想

 この映画を見て、母親の強さをすごく感じた。フロールは娘をより良い環境で育てるために、ヒスパニックの割合が高いロサンゼルスを住む場所として選び、仕事をかけもち自分ひとりで育てようとしていた。涙は決してクリスティーナの前で流さなかったし、娘のことを何より大切に考えているように感じた。

 だんだんとクラスキー家の大黒柱ジョンに惹かれていくのだが、最終的には娘がいるからこそできないミスがあるのだと言い、ロサンゼルスを去ってしまう。

 私は主従関係が存在し、フロールに対して高圧的な態度であったり,ジョンというすばらしい夫がいるのに浮気をしていたデボラに好意を持てなかった。そのため「ジョンとフロールが再婚し、クリスティーナと3人で暮らすようになればいいのに」、と感じてしまった所もあった。しかし、ジョンの子供であるバーニーらの立場であったならフロールの選択がどんなにうれしいだろうと感じた。

 自分は自分のために生き、フロールは娘のために生きた。どちらもだめね、という発言からデボラの母はフロールの気持ちに気づいていたと思った。

 実際には結ばれることはなかったが、気持ちは確かに通じていたと感じる。そのため、これから別の生活を続けていっても2人はお互いのことを忘れないと思った。そしてどこかではずっと大切な存在になっていることを期待する。

 学校のことや、クラスキー家から去ることをひとりで決定してしまった母に対し、怒りを感じながらも母のことを受け入れいちばん影響を与えたとクリスティーナは語っている。そこから、とても大きな親子の愛を感じることができた。

 そして、舞台はアメリカだがヒスパニックが多く、スペイン語と英語が混在していた様子がよく分かった。スペイン語しか話せないフロールとジョンの言い争いを、バイリンガルのクリスティーナが通訳するシーンは見応えがあった。

学生 A・K (2010)

あらすじ

 私は、「スパングリッシュ」という映画を見ました。この映画は2004年に製作され、ジェームズ・L・ブルックスさんが監督を務めました。タイトルのスパングリッシュとは、スパニッシュイングリッシュのことで、アメリカに住むヒスパニックの人々が話すスペイン語と英語の混成語のことをさします。

 シングルマザーの主人公が娘と共に故郷であるメキシコから、スパニッシュ人口の多いロサンゼルスに移り住み生活を始めます。なんとか生計を立てるため、主人公は仕事を掛け持ちし懸命に働きます。ですが娘の安全を考え夜遅くまでの仕事を辞め、一つの仕事で稼ぐことができるようにと、白人のお金持ちの家で家政婦として働くことになりました。主人公はスペイン語しか話せないため、家政婦として働く先の家族とコミュニケーションをとるのもひと苦労です。また、文化の違いや裕福な家庭の生活に戸惑うこともありました。

働く先の家庭は、一流シェフの主人と元キャリアウーマンで今は専業主婦の妻、お酒が大好きな祖母、そして2人の子供の5人家族です。一見恵まれた生活を送っている家庭ですが、家族はさまざまな問題を抱えていました。元キャリアウーマンだったということもあり、何事にもきっちりとした性格の妻は、しつけや健康管理を子供のためを思って行うのですが夫や祖母、子供とは意見が食い違い溝ができてしまいます。そこに、家政婦としてやってきた主人公が子育てへの考え方、生き方を貫き、時には対立しながら家族を変えていきます。

感想

 映画のなかで、主人公はコニュニケーションが不便ということで英語を学び始めますが、あくまで自国の文化を大切に考え、自分の考え方を変えません。アメリカに暮らしながらも、自国の信念を持ち続ける主人公の姿はとても強く、印象的でした。この映画で、白人社会の中で生きるヒスパニックや、母国を大切に思う母とアメリカ文化に憧れる子供の関係について知ることできました。多文化社会で生きることについて考えさせられる内容だと思います。

盛岡短期大学部 M・H (2007. 7)

感想

  ロスに住む優秀なシェフ、ジョン・クラスキー一家へ新しく家政婦として働く、フロール。彼女は娘のクリスティーナと二人でメキシコから移住してきた。裕福で幸せそうに見えるクラスキー一家だったが、フロールは夫婦のお互いに対する、また子育てに対する考え方のずれを感じとっていた。
 クリスティーナに頼み、英語の通訳をしてもらいながら一家に助言を試みるフロール。大人の会話までも子供に通訳させる自分に腹が立ち、英語を習得しようと決心する。
 言葉が通じることにより、ジョンとの距離がぐっと近くなる。女として生きるか、母として生きるかと悩むが、結果はいかに………。
 フロールの凛とした強い母親像と女性らしい繊細な態度が映りだされ、大変気持ちのいい映画になっている。
 英語を習得しようとする過程を、コミカルに描いているのでぜひスペイン語を受講している生徒のみなさんにみてほしい作品。