学生 M・N (2011)
あらすじ
シングルマザーであるフロールは娘の将来のためにメキシコからロサンゼルスへと移り住む。
そこで白人家庭での家政婦を勤めることとなる。英語が分からず、スペイン語しか分からないフロールだったが、娘であるクリスティーナも含めてクラスキー家の人達と徐々に関係を築いていく。
感想
この映画を見て、母親の強さをすごく感じた。フロールは娘をより良い環境で育てるために、ヒスパニックの割合が高いロサンゼルスを住む場所として選び、仕事をかけもち自分ひとりで育てようとしていた。涙は決してクリスティーナの前で流さなかったし、娘のことを何より大切に考えているように感じた。
だんだんとクラスキー家の大黒柱ジョンに惹かれていくのだが、最終的には娘がいるからこそできないミスがあるのだと言い、ロサンゼルスを去ってしまう。
私は主従関係が存在し、フロールに対して高圧的な態度であったり,ジョンというすばらしい夫がいるのに浮気をしていたデボラに好意を持てなかった。そのため「ジョンとフロールが再婚し、クリスティーナと3人で暮らすようになればいいのに」、と感じてしまった所もあった。しかし、ジョンの子供であるバーニーらの立場であったならフロールの選択がどんなにうれしいだろうと感じた。
自分は自分のために生き、フロールは娘のために生きた。どちらもだめね、という発言からデボラの母はフロールの気持ちに気づいていたと思った。
実際には結ばれることはなかったが、気持ちは確かに通じていたと感じる。そのため、これから別の生活を続けていっても2人はお互いのことを忘れないと思った。そしてどこかではずっと大切な存在になっていることを期待する。
学校のことや、クラスキー家から去ることをひとりで決定してしまった母に対し、怒りを感じながらも母のことを受け入れいちばん影響を与えたとクリスティーナは語っている。そこから、とても大きな親子の愛を感じることができた。
そして、舞台はアメリカだがヒスパニックが多く、スペイン語と英語が混在していた様子がよく分かった。スペイン語しか話せないフロールとジョンの言い争いを、バイリンガルのクリスティーナが通訳するシーンは見応えがあった。