学生 Y・M (2009)
感想
私はスペイン語圏の映画として、「エル・マリアッチ」を見た。この映画はロバート・ロドリゲス監督が92年に制作した映画だ。何よりも特筆すべき点は、この映画は7000ドル(約65万円)で制作されたインディーズ映画だということにある。
ストーリーは、メキシコの片田舎に流れ着いたマリアッチ(歌手)が脱獄囚と容姿が似ている(黒い服とギターケース)というお粗末な理由でマフィアに追われてしまい、殺し屋の襲撃を辛くも逃げていき、売り込みに来ていたバーの経営者のドミノにかくまってもらう…という流れである。正直ストーリーは勘違いしっぱなしのぶっ飛びストーリーで話の内容は無いに等しい。ストーリー重視の人にはお勧めできないが、アクション映画は頭空っぽにして見るのが一番楽しい見方だと私は考えているので、気にならないと思う。
アクションは、昨今のスピード感溢れるようなものではない。最近のアクションを見慣れている人には少々芋臭く感じるかもしれない。しかし、シリアスな戦闘シーンの中にあるちょっとしたユーモアを感じさせるシーンがテンポよく織りまぜており、芋臭さも解消されている。
自分はアクション映画をよく見ており、また銃火器が好きなので劇中のガンアクションもよく見ている。この映画では、MAC-10や、TEC-9といった比較的マイナーな銃が出ていてそういった点が見ていて面白かった。特にMAC-10は自分が好きな銃なのでキャストがメインに使っているので嬉しかった。しかし、リアリティという点では劣る。MAC-10は拳銃大の大きさのサブマシンガンなので連射速度が早い。実銃の射撃は布を裂くような音が出る。しかし劇中ではゆっくりとした連射であった。また、ある殺し屋が持っていた銃が序盤にMAC-10だったのに、終盤にはMAC-10によく似たマイクロウジにいつの間に変わっていた。まぁ、これは銃ヲタの妄言なので気にしない人はスルーしてくれて構わない。
この映画は、シリアスとユーモアがいい感じで融合されており見ていて飽きない。また、インディーズ映画なので細かい部分(役者の髪型、前述した銃の種類の違い、銃で撃たれた人が無傷だったり)が変に違和感があったりするので、間違い探し感覚で見るのも面白いのかもしれない。
この映画でロバート・ロドリゲス監督は一躍有名になり、この後もたくさんの映画を作ってきている。機会があれば是非見ていただきたい。