学生 N・K (2009)
あらすじ
この映画は、「運」を題材にした映画であり、世界一運の強い者を決めるゲームをするというストーリーである。強盗を犯し逃亡の為に乗った飛行機が墜落したものの、唯一生き残った男がそのゲームの参加者として目を付けられる。ゲーム内容は参加者が頭に糖蜜を塗り誰の頭に虫が止まるか、目隠しをしたまま森を駆け抜け、木にぶつからずに最後まで走り続けられるか等である。参加者は各々自分の持つ財産等を賭けるが、ゲームが進むにつれて賭ける対象は人間になり、男は意図せず自分の大切な人を賭けることになってしまった。男は大切な人を守ることができるのか、強運はどこまで続くのか・・・といった内容である。
感想
頭を使ったゲームではなく、ただ単純に運の強さのみを求めているものであったので、そこに駆け引きなどはなくゲーム自体は淡々と進んでいったように思う。虫が止まって終わり、走り続けて終わり、等でどうしても見ている側としてはあまりハラハラしないうちに次の展開に進んでしまう。
また、強運を求めるゲームの割には賭ける対象が安っぽく、ギャンブル性があまりないように感じられた。スプラッターが好きなわけではないが、もう少し命を賭けたギリギリのゲームが多くても良かったように思う。最後のみそういったゲームがあったが、もっと全体に緊迫感が欲しいと感じた。
人間の心理描写等に関しても、そこまで感情移入できるほど描写がなされていないように思う。それぞれの設定は面白かったので、もっと掘り下げ人物像を明確にすれば、ラストに余韻が残る映画となっていたかもしれない。
いずれにしても、ぐいぐい入り込み心が動かされたりハッとする場面はほとんど無いといえる映画だった。かといって全く面白くなく途中で投げ出してしまうほどかというとそうではなく、淡々と見続け、「こんなものか・・・」といった感想を持つ程度のものである。
私はパッケージに書かれた設定やストーリー、ゲーム内容に惹かれてこの映画を選んだ。実際に「運」を題材にした設定は非常に面白かったが、今ひとつそれを活かしきれていないように感じた。この設定で他の監督が映画を作るとどうなるのか、少し興味がある作品でもあった。
字幕吹き替えで観たのだが、ほとんどはスペイン語で話されていたが特定の人物のみ英語で話されていたと思う。そういった聞き分けができるようになっていたのが、1年間スペイン語を習ってきた身として少し嬉しかった。