研究発表
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日本ラテンアメリカ学会 東日本部会 研究部会
米国主権下におけるプエルトリコ女性の社会的地位の変化志柿 禎子(岩手県立大学) 発表要旨プエルトリコでは1989年に女性への暴力を犯罪をとするley54が制定された。女性への暴力を禁止した法律としては、ラテンアメリカ・カリブ地域では最も早い制定である。この法成立の過程では、70年代以降の女性運動の高まりの中で生じた各種民間団体と行政側である政府女性局担当者らが一致団結して法制定へ向け取り組んでいった経緯があり、プエルトリコ女性運動は大きな実績をあげた。90年代に入ってからは、ホモセクシャル、黒人女性などの権利を主張する団体が現れ、80年代に取り扱われなかった問題にも取り組み始めている。 歴史的にも米国主権下に移管して以降、プエルトリコは公的教育の普及とともに女子教育が浸透し、専門職の女性たちの女性参政権運動が大きな力となってラテンアメリカ・カリブ地域でも最も早い1929年に女性参政権が成立している。 発表レジメ
1)プエルトリコ女性団体等インタビュー調査報告・・・・・15分 1998年8月15日?8月28日実施 Coordinadora Paz Para la Mujer(プエルトリコ女性団体連絡会議)1988年? (Comite Asuntos de la Mujer, Univ. de Puerto Rico, Recinto de Humacao
1970年代 フェミニズムブーム 1972年 MIA (Mujer Integrate Ahora) 新しい家族法成立に向けて議会へ →Comision para los Asuntos de la Mujer, Oficina del Gobernador MIA・政党 (1975年メキシコ、国際婦人年世界会議) 1976年 法改正 夫婦共同による財産管理、合意離婚、中絶認可
80年代→各団体が個別の問題に取り組む 1979 Taller Salud (Nirvana Gonzales)---N.Y.から来た二人のフェミニスト Feministas en marcha(1983), Organizacion Puertorriquena de la Mujer Trabajadora(1982), etc. 1980年 Casa Protegida Julia de Burgos 1988年 職場でのセクハラ禁止法 1989年 女性への暴力を犯罪とする法制定 ley54 ラテンアメリカ・カリブ地域で最初、 民間団体と政府女性局担当者が一致団結 90年代→個別課題で活動の幅を拡げ、実績を積む 80年代で取り扱われなかった問題に取り組み始める Coalicion Puertorriuqena de Lesbianas y Homosexuales(1991) Grupo Identidad de la Mujer Puertorriquena Negra(1992) Commadres
2)女性参政権獲得運動・・・・・10分 1929年ー読み書き能力のある女性の選挙権(世界的にも早い時期に獲得) 1935年ーすべての成人女性 (成人男性普通選挙1898年?) ・米国政府政策による公的教育の普及のなから出てきた専門職の女性たちの女性参政権運動 プエルトリコ女性参政権獲得団体が米国女性団体に援助を求め米国議会へロビー活動 Ana Roque ・労働運動から生まれた女性解放の勢力 Genara Pagan→1921年米国市民であることを理由に投票権を要求する訴訟 プエルトリコ労働組合は米国労働組合と連絡を取りながら組合運動を展開 Luisa Capetillo
3)フェミニズムブームと女性の状況・・・・・15分 1989年 Ley54成立→フェミニズムの大きな成果 以後、フェミニズムは衰退という見方と、分散しながら着実に実績を積んでいるとの二つの見方
労働力 管理職の割合 職種の変化 女性の死亡原因 未婚出生率の増加 4)ビデオ紹介・・・・・残り時間 |