4章 細胞の構成成分

生体の構成元素

水の機能:水素結合すること.(極性物質を中心に)溶ける物質が多いこと.熱容量が大きいこと(暖まりにくく,冷めにくい).気化熱が大きいこと.

生体の元素構成

O,C,H,Nが大半で,他にCa,S,P,Na,K,Cl,Mg,Feが含まれること.

微量元素にマンガン,亜鉛,銅,コバルト,モリブデン,クロム,セレン,ヨウ素があること.

生体を構成する物質の大半が,タンパク質,脂質,核酸,炭水化物(糖質)であること.

タンパク質はアミノ酸からなること

アミノ酸分子の構造:カルボキシル基とアミノ基を持つこと

ペプチド結合(アミド結合):アミノ酸2分子が脱水縮合すること

タンパク質には1次から4次までの構造があること

1次構造:アミノ酸の直鎖的配列

2次構造:アルファらせん構造,ベータシート構造が含まれること

3次構造:2次構造までのものがさらに折りたたまれて,タンパク質としての機能を持つようになったもの

4次構造:3次構造までできたタンパク質をサブユニットとして大きな構造をとった立体的な配置

タンパク質の高次構造は,熱や酸,塩基などに弱いこと

変性:熱などでタンパク質の高次構造が破壊されること

失活:変性によって,タンパク質の機能が失われること

タンパク質の分類:構造タンパク質,酵素,他があること.

 

4-3糖質

糖質には単糖,二糖,オリゴ糖,多糖があること

グルコースは通常6員環をとり,OH基を多数持つこと.

グリコーゲン,麦芽糖がグルコースの縮合によりできること.

セルロースもグルコースの縮合によりできるが,結合の仕方が異なること.

 

4-4 脂質

脂肪酸の構造:炭化水素の長鎖部分にカルボキシル基がついた構造

不飽和脂肪酸とは:飽和脂肪酸の炭化水素の長鎖部分から水素が取れ,二重結合ができたもの

中性脂肪の構造:グリセロールに脂肪酸が3分子脱水縮合により結合したもの

リン脂質:リン酸を持つ化合物に脂肪酸が結合したもの

コレステロールは複数の6員環または5員環からなるステロイド骨格を持つこと

血中にリポタンパク質という脂質とタンパク質が結合した複合体があり,脂質の輸送に関わること.

4-5 核酸

ヌクレオチドの一般構造:リン酸ー糖ー塩基

核酸にはデオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)があること.

核酸を構成する塩基にはプリンとピリミジンがあること.

プリンにはアデニン(A)とグアニン(G)があること

ピリミジンには,シトシン(C),ウラシル(U) (RNAのみ),チミン(T) (DNAのみ)があること.

DNAは二重らせん構造をとると安定性が高いこと