『付属語アクセントからみた 日本語アクセントの構造』 田 中 宣 廣 著 2005年10月 東京:株式会社おうふう刊 税込価格:\19,950(本体:\19,000) 本書は, 独立行政法人日本学術振興会 平成17年度 科学研究費補助金(研究成果公開促進費) の交付を受けて刊行されました。 |
本書に対して「第34回金田一京助博士記念賞」が授賞されました。
ここにあらためて御礼申し上げます。
金田一賞初の岩手入り
―平成18年(2006)12月21日―
金田一賞が,34回にして初めて博士の郷里岩手に入りました。
(盛岡駅にて撮影)
概 要
研 究 の 趣 旨 (本書「まえがき」p.ivより)
本書は,日本語研究の中でも主要な対象の一つであるアクセントにおいて,従前あまり重視されなかった付属語のアクセントを正確に捉え,その結果と,研究の非常に進んでいる自立語のアクセントとを合わせて,日本語のアクセント構造をあらためて考察するものである。
構 成=3編(1論・13章)構成= (本書「まえがき」p.vと「目次」より)
本書は,「方法論編」「記述研究編」「結論編」の3編より成る。
推薦文(大島一郎先生)
序 文(小林 隆先生)
まえがき
方法論編 (前論,序章,第T〜V章)
日本語アクセントの構造を考察する場合に付属語アクセントを捉えることの必要性,付属語アクセントの従来のアクセント論との照合,さらに,付属語アクセントの調査方法など,研究方法の全般について論ずる。また,これまでに公刊された付属語アクセントに関する論著のほぼすべてを示し,各々に解説を施し,議論の基とする。なお,それらに先だって,本書で使用する音声や音調の表記と,それを通して筆者のアクセントの見方について説明する。
はじめに(日本語アクセントの基本確認)
前 論:本書の音調等の表記について
序 章:日本語アクセント構造における付属語アクセント研究の目的と
付属語アクセントに関する先行研究
第T章:付属語アクセントの研究方法
第U章:付属語アクセント論と従前のアクセント論
第V章:付属語アクセント調査法
記述研究編(第W〜XT章)
本書は日本語アクセントを代表する5つの方言(信州大町・東京・京都・鹿児島・陸中宮古)のアクセント資料により論ずるが,その5方言の付属語アクセントの記述研究を当編で行う。また,5方言の選定意義,記述研究を踏まえることによる比較研究や諸課題の解決も当編での論述である。なお,記述研究には二つの意義:a本書全体の考察の元となっている資料を示すこと・b記述研究の実践を通して本書の研究が言語研究として正しく機能していることを示すこと,がある。
第X章:付属語アクセントの記述−第1;信州大町方言〜記述方法論
第Y章:付属語アクセントの記述−第2;東京方言
第Z章:付属語アクセントの記述−第3;京都方言
第[章:付属語アクセントの記述−第4;鹿児島方言
第\章:付属語アクセントの記述−第5;陸中宮古方言
第]章:付属語アクセントの比較
第]T章:付属語アクセントの研究に関わる諸課題と解決法
結論編(第XU章)
第XT章までの考察を踏まえて,各方言ごとにアクセント節の構造を整理し,以て,日本語アクセントの一般構造を考察する。
第]U章:日本語アクセントの一般(総合)アクセント論に向けて
文 献
あとがき