夏休み特集(1)
 〜夏休みにチェックしておきたいホームページ


市川 尚(岩手県立大学ソフトウエア情報学部)

■はじめに■

 前回で校種別編が終了しました。これまでの連載では、学校ホームページをメインに紹介してきましたが、今回は8月ということで、いつもとは趣向を変え、夏休み特集と題してお送りします。夏休みに何か研究をしたいと思っている子どもたちに役立つホームページや、夏休みを楽しく過ごすためにチェックしておきたいホームページなど、子どもたちだけでなく、家族のみなさんで眺めていただけるものを紹介します。
 このようなホームページは数多く存在し、紙面がいくらあっても紹介しきれるものではありませんので、あくまでもこんなホームページがあるんだということを本稿から読み取って頂き、実際には自分たちの用途にあわせてホームページを検索してもらえたらと思います。特に、夏休みが近くなってくる(入る)と、ホームページ上で様々な特集が組まれることでしょう。

■夏休みにチェックしておきたいホームページ■

1、夏休みにいろいろ研究(実験)してみたい

 夏休みは、日ごろ抱いている疑問や普段は忙しくて考えないようなことを、じっくり腰をすえて考えてみるいい機会です。そのようなきっかけを与えてくれる、もしくは手助けをしてくれるホームページがたくさんあります。

●学習研究社による学研サイエンスキッズ(http://kids.gakken.co.jp/)
 「ハイパー科学なぜなぜ110番」では、科学に関する様々な質問(例えば、どうしてあくびがでるの?など)とその回答を見るできます。「ジャンルでさがそう」では、人、宇宙、動物…などのジャンル別に探すことができます。「言葉からさがそう」では、50音から検索していきます(例えば、「あ」と選ぶと、あくび、あしなどのカテゴリが現れます)。「キーワードでさがそう」では、キーワード検索をかけることができます。かなりの量の質問がストックされており、このホームページで日ごろ抱いている疑問の答えがわかるかもしれませんし、夏休みの研究のトピックを見つけることにも使えることでしょう。

●モリ ユミコ さんによる「なるほどの森」 (http://www.kansai.soka.ac.jp/rika/naru/indexj.html;図1)
 夏休みは親子でじっくり交流を深めることのできる時です。このホームページには、親が子どもと一緒に家庭でできる実験が紹介されています。例えば、「チョークを作る」などがあり、必要な材料や、手順、注意事項などが載っています。また、各実験の解説の最初には、実験の様子を示した親子の会話が載っているところも大変に面白いです。夏休みという機会に、ここに載っている実験を子どもたちとやってみてはいかがでしょうか?

仙台市科学館ホームページ(http://www.smus.city.sendai.jp/;図2)
 科学に関するデータベースが充実しているホームページです。「自然史図鑑 標本データベース」では、動物・植物・化石・岩石・鉱物図鑑があり、名前か特徴で検索することができます。例えば、動物図鑑では、なかま、生息場所、大きさなどから検索することもできます。検索結果を画像で表示することもでき、名前はわからなくても探したいというニーズに対応している検索です。「化学薬品データベース」では、通常学校教育に使われる薬品の検索といった学校向け実験情報をはじめ、家庭向けとして「角砂糖のキャンドル」など安全な実験が紹介されています。「マイクロウォッチング」の「サイバー図鑑」では、水中微生物を「特徴検索」として名前や特徴(動き、大きさなど)などで検索したり、「なかま検索」として図から検索することもできます。水中微生物の解説は、静止画だけでなく、実際に動き回っている様子(動画)を見ることができます。「ひまわり雲画像」では、一日・一週間の雲の動きや、時間ごとの雲の様子などを見ることができます。
 家族旅行に行って、旅先で見たあの動物が知りたい、採ってきた植物が知りたいといったとき、図鑑代わりにホームページ上で調べてみることもできるでしょう。現在は、実際に現地にいかなくても、ホームページで調べものをすることができるようになってきましたし、現地に行けないような場所の生の情報をとってこれるところがインターネットのいいところです。
※博物館などのホームページを探すときは、大阪大学松下幸司さんによる「博物館の博物館」(http://www.hus.osaka-u.ac.jp/esthome/matusita/Museum/Museum.html)がたいへん便利です。

●ぴーママによる「夏休み宿題お助けリンク集」(http://ac3.aimcom.co.jp/~kayoko/index.htm)  「ぴーママの部屋」の「〜のできるまで…」のページには、夏休み宿題お助けリンク集と題して、工業製品や食品などができる工程を紹介しているホームページのリストがあります。夏休みに、自分の身近にある食品などがどうやって作られているかといったことを知るのも面白いのではないでしょうか。

●夏休みの作品を紹介しているホームページ
 実際に他の子どもたちがどのような課題をやっているのかを見ることができるホームページも数多くあります。各学校のホームページを見ることが一番ですが、例えばNICEのホームページ(http://www.nice.or.jp/)の「作品」からも若干参照することができます。先の">仙台市科学館にも、「企画展」のページより自由研究の作品タイトルを見ることができるページもあります。夏休みの作品は、せっかくですからホームページに載せて、皆に見てもらえるようにしてあげたいものです。

2、出かける(事を起こす)前にホームページ上でチェックしておきたい

 ホームページでは、現在やっている特別なイベントや今後の日程等も詳しく知ることができます。また、雑誌等に載っている事より、最新の情報を得ることができます。普段は目にしない裏情報なども載っていることもあります。出かける前や計画をたてるときに、親と子どもで一緒ホームページを見ながら考えるのも夏休みの楽しみのひとつとなることでしょう。

上野動物園ホームページ(http://www1.999.com/uenozoo/;図3)
 このホームページでは、「成長記録」というのがあり、パンダやペンギン等の生まれてからの成長の記録が紹介されています。この記録を見てから実際に動物を見れば、いつもとは違った見方になるこどでしょう。「動物新情報」では、動物が新しく来園する情報などが入っており、かなりの最新情報をチェックすることができます。何かお気に入りの動物が来園したことをねらって行くのもよいでしょう。「週間飼育課情報」では、動物たちの活動の様子の非常に詳しい情報を得ることができます。他にも「動物たちの紹介」や、「歴史」の紹介などがあります。

美里天文台ホームページ(http://www.obs.misato.wakayama.jp/mo.html)
 夏といえば、七夕の季節。家族で夜に天体ショーを星をみるというのも一興ではないでしょうか。このホームページでは、天文関係の情報を得ることができます。ライブカメラから観測室のライブを見ることができたり、星の図鑑などもあります。これまで、この天文台では、天文関係のイベント(流星群など)があると、必ずホームページ上で紹介し、さらにライブ中継なども行っています。そういった意味でも、夏に夜空を眺めに行く前に、チェックしておいてほしいホームページのひとつです。
 別にまじめな場所に限らず、テーマパーク(例えば東京ディズニーランドhttp://www.tokyodisneyland.co.jp/)などに遊びに行くときも同様です。現在は、本当にここまであるのかというくらい観光スポットからホームページが公開されています。出かける前に、一度はホームページが存在するかを検索してみることをおすすめします。現地に行ったときに数倍楽しさが増すかもしれません。

3、出かける場所を探したい、見つけたい

 夏休みといえば、やはり家族で遊びに行かれることが必ずあると思います。そんなとき、ホームページを使って、自分たちのやりたいことにあわせた場所を探すことができます。

●MIMO Createによる「Amusement NAVI.mimo」(http://www.mimo.com/amuse-NAVI/;図4)
 このホームページは夏の代名詞とも言える、キャンプや海などの情報を探すことができます。カテゴリとしては、「キャンプ」「温泉」「スキー」「水族館」「植物園」「動物園」「ビーチ」「観光・旅行」があり、夏だけでなく年中お世話になれるホームページです。このどれにたいしても、地図やキーワードで探すことができます。「地図で探す」では、日本地図をたどって探していくことができます。「キーワードで探す」では、例えばキャンプ場なら、周辺環境、施設、温泉、オートなどのキーワードから、目的にあったキャンプ場を検索してくれます。けっこう詳しい情報が載っている場所もあり、日本全国のかなりの情報が蓄積されているようで、とりあえず場所を探す際には一役かってくれます。また、「みんなの話を聞く」で、過去に行った人たちの体験談やおすすめを見ることもできます。
 先ほど紹介した、学研サイエンスキッズのページの「科学スポットガイド」でも、日本の動物園、水族館、科学館の案内等を見ることができます。いざ出かけてみたいいけれど、実は休館日だったなど、いろいろあると思います。夏休みにどこか科学スポットに行こうというときに使えます。
 さらに、例えば実際に行く場所の地図がほしいなら、マピオン(http://map.toppan.co.jp/)を使えば地図を見てみることができます。東京と大阪だけなら住所でピンポイント検索もできます。交通手段を考えるときは、時刻表リンク(http://www.jikoku.com/)が役に立ちます。JRだけでなく、高速バス、フェリーなどの時刻表へのリンクが網羅されています。場所や目的が決まったら気になるのはお天気。CyberWeatherWorld(http://www.wni.co.jp/cww/)では、日本各地の天気ばかりでなく、レジャーのお天気案内(マリン情報、つり情報、オートキャンプ情報など)もあり、大変便利です。

4、夏におさえておきたいホームページ

●小野里公成さんによる「日本の花火」(http://www.bekkoame.or.jp/~fpl/index.html;図5)
 上記に天文台のホームページを紹介しましたが、夏の夜空といって忘れていけないのは、花火です。このホームページでは、花火のすべてがわかると思うくらい充実したものとなっています。「花火大会INFORMATION」には、「全国花火大会年間カレンダー」や「全国厳選花火大会別観覧・撮影ガイド」などがあり、行きたい花火大会の情報を押さえることができます。また、その花火大会が独自で公開しているホームページがあれば、そこへリンクもしています。「日本の花火をもっと知りたい」では、日本の花火の特色や仕組みなどを知ることができます。その他にも、花火に関する情報がたくさんあります。夏には一度は見ておきたいホームページのひとつです。

■自薦・他薦のホームページ■

宮城県塩竃市浦戸中学校ホームページ(http://www4.justnet.ne.jp/~urato1/;図6)
 この学校は、島にある小規模の学校です。小さな学校ながら、とても面白いホームページを公開しています。ホームページに入ると、まずは今日の予定が出てきます(毎日更新されているようです)。「島っ子クラブ」では、地元を調べたことがいろいろと載っています。「松食い虫の正体」として、松が枯れる原因と言われている松食い虫について、詳しく調べ上げた結果が載っています。また、もしも地震がおこったらとして、津波を調べた結果も載っています。方言調査の結果もとても面白く、自分たちが普段あたりまえのように使っていた言葉が、全国的に調査してみると、実は方言だったということが紹介されています。どれも、自分たちの身近な話題を出発点に調べ学習を行い、その結果をホームページに公開しています。「浦戸資料室」では、各教科の主にリンクが提供されていますが、技術家庭科では実践例等が紹介されています。ぜひ一度覗いて見てください。

自薦・他薦のホームページ募集中!ichikawa@edutech.tohoku-gakuin.ac.jpまで。
ホームページ紹介記事バックナンバー(http://www.edutech.tohoku-gakuin.ac.jp/)

図1 モリ ユミコ さんによる「なるほどの森」
図2 仙台市科学館ホームページ
図3 上野動物園ホームページ
図4 MIMO Createによる「Amusement NAVI.mimo」
図5 小野里公成さんによる「日本の花火」
図6 宮城県塩竃市浦戸中学校ホームページ


お知らせ:
学研NEW8月号の本原稿には、誤りがありました。
 なるほどの森のURLが、
 http://www.katsurao-jhs.katsurao.fukushima.jp/RIKA/NARU/indexj.html
  となっていましたが、これはミラーサイトのアドレスであり、
 本当は、http://www.kansai.soka.ac.jp/rika/naru/indexj.html が正式なアドレスです。
大変申し訳ございませんでした。お詫び申し上げます。

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