授業で役立つホームページ

第9回
 国語科関連のホームページ


市川 尚(東北学院大学大学大学院人間情報学研究科)
鈴木 克明(東北学院大学教養学部)

1、はじめに

 前回までは総合学習のページを紹介してきました。今回は国語科関連のホームページを紹介します。国語科関連の情報を公開しているホームページは小中高ホームページだけでなく、大学や個人レベルでも発信されています。前回までと同様、まず学校のホームページのうち国語の情報を発信しているページを紹介し、そのあと学校以外のページを紹介していきたいと思います。
 小中高で国語科のホームページがどのように公開されているのかを調べたもの(96年8月)を図1に示します。国語科はほとんどがアーカイヴ的な発信となっているところが特徴的です。主に俳句や作文などといった授業の成果(作品)を紹介しているようです。また、教員からは指導案とまではいかなくとも、授業の様子を紹介したものが見受けられました。子どもたちレベルの発信は小学校・中学校に多く、先生のレベルの発信は高校が多くなっています。また、自分の学校の地域独自の発信(方言・物語等)も行われていました。

figure1
図1 小中高ホームページから発信されている国語科情報の傾向(96.8)


前回の連載「授業のためのホームページ案内」で紹介した国語関連ホームページ
全国の方言集(http://www.smlab.tutkie.tut.ac.jp/dialect/)
 全国の方言関連ホームページへのリンクリストです。
岩手県盛岡白百合中学高等学校(http://www.morioka-shirayuri.morioka.iwate.jp/)
 宮沢賢治の紹介があります。
徳島中学校(http://tokushima.tokushima.tokushima.jp/)
 「徳島人になろう!」には、方言の紹介があります。
立命館中学高等学校(http://www.ritsumei.ac.jp/fkc/)
 国語のページがあり、論文の授業が紹介されています。

2、学校ホームページで紹介されているページ

佐賀県厳木小学校平之分校「国語の部屋」(http://www.saga-ed.go.jp/school/hirano-el/hirano.html;図2)
 このページは、インターネットを利用して国語科の学習(仮想教室の試み)をしてみようというもので、僻地校で学級に1名しかいない子どもが、インターネットを通じて自分の考えを発表したり、他人の考えを聞いたりするために公開したページです。授業で実際に使用したワークシートなどが公開されています。ごんぎつねの本文には、「むずかしいことばや漢字を調べながら読む人のためのページ」が用意され、難しい言葉にはリンクがはってあり、その意味を知ることができるようになっています。先生方のために、授業の指導案なども公開され、どのように授業が展開していったのかを知ることができます。他校の子どもたちから送られてきた意見を見ることもできます。「一緒に勉強したお友達リスト」を見ると、全国各地の子どもたちと一緒に勉強していたことがわかります。授業は終わってしまい、これから参加するのは無理なようですが、ごんぎつねの授業をする上で参考になりそうなものがたくさんあります。同様に、「三年とうげ」に関するものも公開されています。
宮崎大学付属小学校「国語科のページ」(http://www.fes.miyazaki-u.ac.jp/;図3)
 この学校のページは「発芽マップ」紹介の時に少し紹介しましたが、今回は国語科のページを紹介します。このページでは、「ぼく・わたしたちだけのお話」では、授業のなかで「へんしんものがたり」など数個のテーマにそって、子どもたちの作った紙芝居が紹介されています。「あったかいお話を…」では、思いやりややさしさにあふれた作品を読んで、子どもたちが印象に残った話を絵などに表現した作品が紹介されています。「俳句と短歌の世界」では、子どもたちの作った俳句や短歌をデジタル写真やスナップの上に載せたものや、短冊に書いたものが紹介されています。作成の様子の画像や単元構想(指導案)も同時に紹介されています。さらに、「郷土の詩人若山牧水」として、地元出身の有名な歌人についての紹介もあります。「生き方について考える」では、6年生の学習の様子や指導案も公開されています。また、「いろいろな国語関連のページ」として、「短歌と俳句(川柳)のコーナー」など国語関連のホームページへのリンク集もあります。
お茶の水大学付属中学校「国語科掲示板」(http://www.ft.ocha.ac.jp/;図4)
 「歌仙:吾子の歯」では、作品に加え生徒自身による解説もついています。自主研究では、生徒が3年がかりで仕上げたという「鬼の研究」が載っています。「授業での連句作品」では、秀作集として子どもたちが国語の授業で作った連句を紹介しています。インタラクティブ読書通信「私の一冊」は、子どもたちが読んで面白かった本などを紹介していくページで、ユニークな試みです。以前は本の紹介が載っていましたが、現在はサーバ故障のせいで参照できなくなっていました。「私の一冊」の平成9年度版は、この記事が出るころには間違いなく公開されていることでしょう。また、このページを制作していらっしゃる宗我部先生は、ご自分でもホームページを開設されており(http://www.bekkoame.or.jp/~gabe/) 、国語の授業報告や、研究発表、国語科リンク集などが載っています。
千葉県市原緑高等学校「電子櫺子」(http://www.asahi-net.or.jp/~xy1t-isn/;図5)
 「電子櫺子(でんしれんじ)」というユニークな名前のついているこのページは、伊三野友章先生が公開されているページです。国語(現代文)の授業の実践記録だけで構成されています。実践は95年に行われたもので、「授業テーマ一覧」には、一学期から三学期まで行った授業のリストがあり、例えば一学期には「童話を読む」など、その内容が簡単に紹介されています。「生徒作文集」では、授業を受けての生徒の作文(感想)が紹介されています。「書棚から」では、授業で使用(参考に)した、教材や文献のリストがあります。また、「他ページへのリンク集」の「言語・文化・歴史」の項目などには、国語関連のページへのリンクが若干リストされています。

3、小中高以外から公開されている国語科関連のページ

弘前大学教育学部の小倉先生による「国語教育リスト」(http://www.fed.hirosaki-u.ac.jp/~ogura/links/link_kyouiku.htm;図6)
 このページは国語科関連のホームページをリストしているページです。教育学部のサーバは実験的運用が終了して閉じらているようですが、公式サーバに移行するまではこのページは運用をするとのことですので紹介します。このページにリストされているホームページの数はかなり膨大で、非常に有用なホームページです。リストには簡単な紹介もついていて大変に便利です。国語科のホームページを探すときは、まずこのホームページに立ち寄られるのもよいかと思います。リストは、いくつかの分野別にリストされています。「国語・国語科教育」には、指導要領が載っているページをはじめとして、国語の教育に関するページがリストされています。「小学校[国語]」「中学校[国語]」「高校[国語]」には、各学校のホームページのうち、国語の情報が公開されているページがリストされています。「国語・日本語教材・ソフト」では、ホームページ上に公開されている国語関連の教材がリストされています。「国語科関連サイト」では、夏目漱石や万葉集など、文学を中心にさまざまなページがリストされています。
あかねホームルーム(http://www.bekkoame.or.jp/~akanet/;図7)
 このページでは、あかね先生がインターネット上で国語の授業を行っております。「老若男女をとわず誰でも参加でき、ハイパーリンクによって作品のイマジネーションを自由に味わうことを主眼としている」という公開の趣旨が興味深いですね。毎月2回(前半と後半)に教材を発行しているようです。過去の教材もみることができます。筆者が見たときは9月後半号で、「枕草子」が取り上げられていました。各教材の中は、文章の他にも、設問が用意されています。また、その文章に対する解説も載っています。さらにリンクの張ってある語句をクリックすると、関連サイトへとぶことができます。これにより、イメージの世界を広げていけることでしょう。また、受講生たちの作品も載っています。小学校や中学校の生徒たちが、物語のイメージをキッドピクス等で書いたものも載っています。オフラインによる教材配布も行っているところにも、インターネットからの広がりを感じます。
金井まさよしさんによる日本語書き順ムービー集(http://www.wind.co.jp/gahoh/homej.html;図8)
 ひらがなとカタカナと漢字の書き順を示したムービーファイルがホームページ上で提供されています。実際にその書く様子を見ることができます。ムービーは、Quick Timeで提供されていますので、再生するソフトやプラグイン等が必要となります。このように、ホームページ上で提供されている国語の教材は、例えば漢字のテストや小倉百人一首などたくさんあります。前述したリンクリストから探してみてください。
福井大学教育学部岡島先生による日本語文学等テキストファイル(http://kuzan.f-edu.fukui-u.ac.jp/bungaku.htm;図9)
 このページは著作権切れになっている(ただし、入力者の著作権に留意のこと)文学に関するテキストファイルへのリンクが張られています(実際にこのホームページ内にあるものも多い)。おおまかに、古典、近代にわけられています。例えば、「古事記本文」や、「古今和歌集」をはじめとして、本当に多くの項目がリストされています。
グーデンベルグ・プロジェクト(http://www.promo.net/pg/;図10)
 日本語文学のテキストファイルを収集しているホームページ紹介をしましたが、世界的にはどうなのかということで、グーデンベルグプロジェクトを紹介します。このプロジェクトは、世界中に散らばったあらゆる書物を電子化していこうというものです。特に有名な文学が数多く電子化されています。登録してある電子化テキストは、このページで著者名やタイトル名等から検索することができます。また、無料でダウンロードすることもできます。各国のボランティアの方々が電子化をして下さっています。このようなプロジェクトが世界的に行われているということを覚えていていただければと思います。

4、最近見つけた役に立つページ

 国語といえば漢字の学習がひとつとして挙げられますが、現在のホームページは難しい漢字が多用され、小学校の子どもたち等にとって読みにくいページばかりでした。そうしたことに配慮しているのは、たまに小学校のページで、ひらがなのページなどを見かけるくらいです。そういった言葉の壁を取り除いてくれるページがあります。
東京工業大学教育工学開発センター(榎本さん)による「インターネットで学習しよう!-学習情報図書館」(http://gakusyu.cradle.titech.ac.jp/;図11)
 ここでは子どもの学年(レベル)に応じて、ホームページ上の漢字を変換してくれるシステムを提供しています。よく英語を日本語に変換するソフトはありますが、その漢字版といったところでしょうか。具体的には、東工大にある学年別漢字変換フィルターを通して教材のあるホームページを読みに行くことで、習った漢字だけを残してあとはひらがなに変換し、表示してくれるというシステムです。ここに登録されている教材の数は300を超え、教科ごとに検索することもでき、大変に便利です。自動的に登録できるページもあるので、ぜひ教材を作ったら、登録してほしいと思います。登録すれば、学年に関係なく読んでもらうことができるようになります。このシステムに関しては9月の教育工学関連学協会連合大会で発表されており(筆者はその発表で存在を知りました)、まだ試作段階にあることを補足しておきます。

5、おわりに

 今回は、国語関連のページを中心に紹介してきました。次回からは、再び、ご要望が多い総合学習関連の紹介に戻る予定です。

図1 小中高ホームページから発信されている国語科情報の傾向(96.8)
図2 佐賀県厳木小学校平之分校「国語の部屋」
図3 宮崎大学付属小学校「国語科のページ」
図4 お茶の水大学付属中学校「国語科掲示板」
図5 千葉県市原緑高等学校「電子櫺子」
図6 弘前大学教育学部の小倉先生による「国語教育リスト」
図7 あかねホームルーム
図8 金井まさよしさんによる日本語書き順ムービー集
図9 福井大学教育学部岡島先生による日本語文学等テキストファイル
図10 グーデンベルグ・プロジェクト
図11 東京工業大学教育工学開発センター(榎本さん)による「インターネットで学習しよう!-学習情報図書館」


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