初心者の先生必見のホームページ

 岩手県立大学ソフトウエア情報学部 市川 尚

はじめに


 新年度に入り,新たにインターネットを始めた先生方もいるかもしれません.突然情報担当に任命されて疾駆八苦されている先生,学校でこれまでインターネットを活用してきた先生がいなくなり,なんとかに残った人たちでがんばっていこうという先生方など,新学期は新たな展開の始まりです.今回は,インターネット(ホームページ)初心者の先生方を対象に,必見のホームページを紹介してみたいと思います.
 本連載をこれまで見ている先生や,インターネットをばりばり活用されている先生方には,知っているページばかりでちょっと退屈かもしれませんが,ご了承下さい.初心者に必見と言っても漠然としておりますので,「インターネットの教育利用についての初心者」という観点から,これだけは知っておいてほしいホームページを紹介します.そのなかで,インターネットが教育に入ってきてどのように変化しているのかを感じ取ってもらいながら,知識を深めていって頂ければと思います.

初心者の先生必見のホームページ


こねっとワールド(http://www.wnn.or.jp/wnn-s/;図1)
 NTTが運営している授業や学習に役立つ情報を満載した,先生や子どもたちのためのホームページです.こねっとプランというインターネットの学校接続を支援するプロジェクトの情報基地という位置づけでもあります.活発な活動が行われており,更新も頻繁で,様々な情報が集まっています.まずここで,教育におけるインターネット活用のイメージを掴むことができることでしょう.
 「先生の部屋」にある「こねっとワールド活用ガイド」を見れば,ここでどんな内容を発信しているのかがわかります.「教科別ページ集」では,授業の中で使いやすいように単元内容ごとに,現在さまざまなところから公開されているホームページが整理されています.「学校間交流」は交流を支援するコーナーであり,国内・国際交流を希望している学校を見ることができたり,実際に希望の旨を登録をすることもできます.「マルチメディアQ&A」(こねっとよろず相談室)では,インターネットに関する技術的な質問や活用方法などの質問を専門家や教育関係者が答えてくれます.マルチメディア用語集やホームページ作成の手引きなどもあります.「最新情報」では,参加募集中のプロジェクトなどが紹介されています.  
 「こねっとチューターに聞こう!」では,子どもたちが日常不思議に思う素朴な疑問に答えてくれます.これまでの質問と回答が記録されており,当事者以外の人たちもいつでも見ることができるようになっています.「こねっと学校電子新聞」では,先生や子どもたちからメールなどで投稿された記事を新聞形式で1週間ごとに発行しています.
 「こねっとgoo」では,様々なホームページを探すことができます.検索対象は,こねっと事務局が"学習に役立つページとして選んでいるもので,有害なサイトはありません.キーワードで検索をしたり,あらかじめ内容を分類したカテゴリから探すこともできます.

Eスクエア・プロジェクト(http://www.edu.ipa.go.jp/E-square/;図2)
 これまでにインターネットを活用した教育実践がどのように行われてきたのかを知っていただくところとして,このページを紹介します.1994年より100校プロジェクトという学校にインタネットを接続し,教育に活用していこうという試みが始まりました.それが新100校プロジェクトとなり,現在はEスクエア・プロジェクトに移行しています.
 このページの「職員室」では,授業実践報告など、主に学校の教職員の方たちに役立つ情報が掲載されています。100校プロジェクトや新100校プロジェクトの活動の成果は,出版物としてまとめられてきましたが,それをホームページ上で見ることができます.先進校がどのようにインターネットを利用してきたのかがわかります.それらの実践については,校種別一覧として整理されていたり,実践事例集に対してのキーワード検索もできます.国際交流をする人たちのためにノウハウをまとめた,「国際交流ガイドブック」などもあります.また,Eスクエア・プロジェクトの企画として,現在進行形の学校の自主企画や協働企画を見ることもできます.
 「職員室」内の「初心者のコーナー」では,「先生と児童のためのインターネットマニュアル」をはじめとして,インターネットについてわかりやすく解説しているオンラインドキュメントへのリンクが張られています.インターネット初心者の方は,まずこのあたりをお読みになると良いでしょう.さらに,情報教育に関するリンクをはじめとして,ネットデイ(ネットワーク環境構築を支援する活動)の情報へのリンクなど,さまざまなインターネットの教育利用に関連するリンクが提供されています.

文部省(http://www.monbu.go.jp/;図3)
 教育関係者なら(でなくても)誰でもご存知の,日本の教育を統括している省庁です.このページでは,日本の教育がどんな方向に進んでいこうとしているのか,現状はどうなのかなどがわかります.インターネットに関しては,「特集」の中の「マルチメディア」にまとめれられており,学校のインターネット整備状況の調査報告書や,今後の教育の情報化についての「バーチャルエージェンシー」プロジェクトの報告等も読むことができます.「進む教育改革」「審議会情報」などでは,審議会の答申を見ることができます.

インターネットと教育(http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/educ/;図4)
 大阪教育大学越桐先生によって運営されています.学校からホームページが公開されだした当初からこのリンク集を公開しています.登録数もかなりの数に昇っています.
 ここでは,現在公開されている学校のホームページが,校種と地域に分類されてリストされています.まずは自分の身近な地域でも出身校(あれば)でもかまいませんから,他の学校のホームページを覗いてみるとよいでしょう.そこでは,きっと学校の様子や授業の成果などが紹介されているはずです.学校(先生や子どもたち)が外部にどんどん自分達の情報を発信する時代になってきています.
 さらにリンク集では,過去・現在,未来の教育関係のイベントや,授業で活用できそうな資料などのホームページがリストされています.

AVCC(http://www.avcc.or.jp/;図5)
 「公共ホームページgood site運動」では,多様に発展し続けるWebのなかから公共に優良なサイトを発掘・紹介していくことを目的として,ホームページの表彰を行っています.その中には教育・学校というカテゴリーもありますが,そこに留まらず他のカテゴリの中にも教育に利用できそうなホームページが紹介されています.非常に厳選されたリンク集という感じです.
 ホームページ増加に伴い,最近はリンク集に登録してある件数も非常に膨大になってましたので,初心者の先生方はとまどうことも多いことでしょう.ここなら,ホームページに関する解説も載っていますし,教育にとって優良な(と言われている)ページのみですから,とりあえず見てみたいという人にはおすすめです.学校や教育機関以外からも教育に利用できる有益な情報がたくさん公開されているということも実感して下さい.

教育家庭新聞社(http://www.kknews.co.jp/;図6)
 このホームページでは,時事ネタをはじめ,教育のコンピュータ(インターネットも含む)利用に関する情報が公開されています.
 また,この新聞社はメールマガジンを発行しています.これは無料登録をしておけば,周期的に情報をメールで送ってくれるというものです.教育Hot Newsや,今週の注目サイト,研究会・コンテスト・イベント情報などが載ったメールが送られてきます.ホームページ上では「メルマガNews」というところで,過去の記事がまとめられています.
 インターネット社会は流れが急速ですから,最新の情報にも常に敏感であってほしいと思います.しかし情報を受け取る手段が豊富であり,先生方もインターネット時代の情報活用の実戦力も身につけていく必要があります.ここで紹介したように,教育に関する情報を得るのにしても,ホームページがすべてではなく一手段であり,他にも選択肢はいろいろあるのです.

岐阜県教育センター(http://www.gec.gifu.gifu.jp/;図7)
 インターネットについて勉強したいという方は,このページが良いでしょう.「通信講座テキスト」には,教職員がインターネット活用に関する研修を学校に居ながらにして受講できるようなテキストが公開されています.「第一章ホームページの活用」「第二章メールの活用」「第三章ホームページ作成」について,テキスト(ホームページの活用なら約70課題分がそれぞれA4版一枚ずつで)が,ワード形式・一太郎形式・PDF形式で提供されています.内容については,岐阜県研究センターの研修で使う環境用に書かれていますが,他のところでもだいたいわかる内容ではないかと思います.例えばホームページ作成の課題をやってみて,まずは自分でホームページを作り,情報発信していくこともよいかもしれません.また,それはホームページを利用した学習というものを,自分自身で体験することにもなるでしょう.

●インターネット初心者の方へ
 ネットワークのことはネットワークに聞くのが一番です.まずはインターネットのことをインターネットで学んでみてはいかがでしょうか?ただし,インターネットに接続し,ホームページを見ることができるようになるまでは,本や友人などに頼るしかないと思います(最近は手軽なホームページ閲覧コーナーも増えてきています).
 インターネット上の情報を集め,玄関や入り口的な役割を果たしているところをポータルサイトと呼んでいます.日本では,「Yahoo!JAPAN」(http://www.yahoo.co.jp/;図8)が有名です.ここに来れば,あとはカテゴリをクリックしていくだけで,目的の情報があるホームページを探し出すことができます.例えば,インターネットやホームページについて学びたいという方は,上記のYahoo!JAPANのカテゴリを「コンピュータとインターネット」→「インターネット」→「資料・情報」で初心者のためのページが出てきます.ホームページのことを知りたいのであれば,Webゼミナール(http://www.docan.co.jp/~websemi/)などもよいです.ただいろいろなホームページを見てみたいというのであれば, 便利なページだけを厳選した「便利ページ」(http://www.linksyu.com/)は,シンプルでたいへん使いやすく,見て回るための拠点としていいかと思います(筆者も愛用してます).ホームページの便利さが実感できることでしょう.

本連載のバックナンバーのページ(http://www.iwate-pu.ac.jp/home/ichikawa/new/;図9)
 筆者の自薦です.たまにはお許し下さい.ホームページ初心者ということは,きっとこの連載の初心者でもあると思います.本連載は3年以上も続いており,教科別などの紹介をはじめ,子どもたちの発信,教育用ソフトやデータ,メーリングリスト,検索の方法の解説などいろいろ取り上げてきました.その連載原稿をすべてホームページ上に載せていますので,暇があったらご覧下さい.
自薦・他薦のホームページ募集中!ichikawa@soft.iwate-pu.ac.jpまで。

図1 こねっとワールド
図2 Eスクエア・プロジェクト
図3 文部省
図4 インターネットと教育
図5 AVCC
図6 教育家庭新聞社
図7 岐阜県教育センター
図8 Yahoo!JAPAN
図9 本連載のバックナンバー


Return to:
  ホームページ紹介バックナンバーリスト


ichikawa@soft.iwate-pu.ac.jp